石川県輪島市河井町で6日、春の訪れを告げる「曳山(ひきやま)祭り」の規模を縮小した「春祭」があった。例年、桜の花で飾られた高さ約5メートルの輪島塗の山車を厄年の男たちが引いて街を練り歩く。しかし今年は地震で山車が損傷し、道路の状態も悪いため、重蔵神社(同町)のみこしを担いで、町内を回った。
出発前に同神社で、地元に伝わる祝い唄「まだら」が披露されると、見物客らは手拍子で盛り上げた。地元の厄年の男性や大学生のボランティアたち約30人のみこし行列は「よーい」というかけ声と太鼓の音を鳴らして、被災した家屋と家屋の間を歩いた。
担ぎ手の中小路武士(なかしょうじたけし)さん(42)は「この祭りが人が集まる良いきっかけになった。みんなが離ればなれにならないようにして、頑張ってこの町を復興させたい」と話した。
みこし行列を見ていた同町の中学1年、伊吹花奈(はな)さん(12)は「地震後こんなに多くの人の笑顔を見たのは初めて。元気になりました」と興奮していた。(筋野健太)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル