中学受験の動向に詳しい首都圏模試センター(東京)の北一成さん(63)に近年の傾向や合否結果の受け止め方、学校選びの視点について聞きました。
2024年の中学受験 予想より高い受験率
2024年に首都圏の私立・国立中学を受験した小学6年生は、推計で昨年より約200人少ない約5万2400人でした。模試の受験者数を根拠にもっと減ると予想していましたが、減り幅が思いのほか小さかったのは依然として中学受験率が高い証左です。
受験者数は昨年まで9年連続で増え続けています。近年、増えた背景にはコロナ禍の影響があります。政府が、全国の公立小中学校などに20年3月2日からの一斉休校を要請したとき、私立では3月1日からオンライン授業を始めた学校もあり、遅くとも5月の連休明けにはほとんどの学校がオンライン授業をしていました。一方、公立は一部を除いて多くの学校が対応できず、子どもの学びを止めなかった私立への評判が保護者の間で高まりました。
首都圏の中学受験は1月の埼玉、千葉に始まり、2月初旬の東京、神奈川と1人あたり2~5校、平均7回ほど受験の機会があります。模試の平均偏差値より4~8ポイント高い学校にチャレンジする子も多くいます。
第1志望に合格できるのは3分の1?
正確な統計ではありませんが、受験者の3分の2が第1志望には合格しないといわれます。はじめから「3分の2は第1志望に受からなくて当たり前」くらいのつもりで臨んだ方が気分的には楽です。
中学受験の失敗を思い詰めるのは、子どもじゃなくて親の方なんです。わずか12歳で、第1志望に受からなかったからもうダメだなんて思うこと自体が、教育として間違っていると思いませんか。
むしろ、複数校を受験して合格と不合格の両方を経験した方がいい。もちろん合格したら「努力の成果が実った」と自信を持てばいいし、不合格でも、高い目標を持ってがんばったけど届かなかったということをしっかりと自分で受け止め、中高6年間で努力していく方がずっと大切です。長い目でみて、中学受験で不合格を経験した子の方が強いと思います。逆に挫折を知らずに社会に出る方が怖いですよね。
とにかく親が結果を引きずら…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル