国立大学が法人化されて、この春で20年。この間の政策や環境変化は、大学にどのような影響を与えたのか――。朝日新聞社は1~2月、学長と教職員に対し、この年を振り返るアンケートを実施した。自由記述欄も含めた35問に、学長は全86大学の92%に当たる79人が回答。教職員は全国大学高専教職員組合の協力を得て実施し、407人から回答を得た。それぞれの回答を元に、国立大の置かれた現状を考える。
博士でも年収500万円、任期付き
「年収300万~500万、任期3年、学歴は修士以上」
「助教相当、年収500万~、任期5年、学歴は博士」
「助教相当、年収500万~700万円、2028年3月末のプロジェクト終了まで、学歴は博士」
大学教員の求人をインターネットで調べると、こんな条件が並ぶ。
国立大学協会の調査によると、23年度の任期付き教員の割合は32・3%。18年度から5・5ポイント上がった。年齢で見ると、40歳未満の教員では23年度、59・3%が任期付き。不安定な雇用が若手に偏っているのが現状だ。
国立大が法人化して以降、運…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル