「再び開催してよい」6割の意外
首相主催の「桜を見る会」をめぐって野党の追及が続いているが、これで解散はあるのだろうか。週末に行われたフジテレビ、朝日、読売の世論調査を比べてみると国民の考えが見えてきた
まず朝日。「桜を見る会に首相の支援者が多く招待されたこと」について「大きな問題」と答えた人は55%で「首相の説明に納得できる」と答えた人は23%しかいない。税金で催されるイベントで招待客の選定が不透明なのは愉快な話ではないし、長期政権の「ゆるみ」に国民は怒っている。
一方フジテレビの「来年度中止を決めた政府判断」については「評価する」58%で「しない」が32%。読売も似た数字だ。
さらにフジの「招待の基準などを明確化したら再び開催してもよいか」には「開催してよい」が59%で「廃止」は34%。これは意外な結果だった。
野党が「寝た」らお花見解散だ
つまり国民は、桜を見る会に安倍首相が支援者をたくさん呼んだことに怒っているが、来年中止にしたことは評価しており、透明化すれば再来年以降はやってもいいと思っている。
であればこの花見の話はもう終わった話なのだろうか。だから内閣支持率の低下がフジと読売が6P、朝日が1Pと中途半端な数字なのかもしれない。
「近いうちに選挙がある」(二階自民幹事長)「解散せざるを得ないぐらいまで追い詰めないと」(枝野立憲代表)など与野党双方から「お花見解散」をあおる声が出ているが、確かに野党が国会で「寝る」すなわち審議が空転すると安倍さんは解散するかもしれない。
ただ安倍政権の実績に対する評価は高い。首相在職期間が歴代最長になった事を受け、この間の政権運営の評価を聞くと、「大いに」「多少は」「ある程度」と程度に差はあれ「評価する」と答えた人はフジで63%、読売は65%、朝日でも62%もある。
これだけ評価が高くて、かつ「桜を見る会」の話が終わってるんだったら、「お花見解散」で「チル」のはおれたち野党ではないか、と心配している野党の人もいる。
政治家が決めないなら私たちが
ひとつ面白い数字があった。
フジの「憲法改正の是非を争点に解散するのは問題か」の問いに対し、「問題だ」は28%で「問題ない」は57%。これは驚いた。
「憲法審査会での議論を活発化させるべき」は73%に達しており、国会で遅々として進まないことにイライラした国民が「政治家が決めないなら私たちが決めるぞ」と言ってるのだ。
安倍首相の憲法9条改正への決意は固いので、この話に乗ってくる可能性はあると思う。野党は深追いすると安倍さんの思うつぼかもしれない。
【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫】
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース