首相主催で全額税金で賄われる「桜を見る会」を巡り、菅義偉官房長官(70)は20日、招待客の推薦者の内訳を明らかにした。安倍晋三首相(65)は約1000人、菅氏自らも数百人規模の推薦をしていたと述べた。昭恵・首相夫人(57)も推薦枠を持っていた。衆院内閣委員会や記者会見で答えた。安倍首相の在職日数は第1次内閣を含めた通算で2887日となり、憲政史上歴代1位となったが、野党は「公私混同」などと批判を強めており、“桜の季節”が終わる気配はない。
菅氏は今年の「桜を見る会」の招待者約1万5000人の内訳に関し、自民党が6000人、安倍首相が1000人程度と説明した。ほかに政府側は、妻の昭恵夫人の推薦枠もあったとした。
また、安倍首相らとは別に、副総理と官房長官、官房副長官の合計で推薦枠が1000人程度、公明党関係者、元国会議員、報道関係者を合わせて約1000人、各省庁が推薦する功労者などが約6000人とした。菅氏は「長年の積み重ねで年数を経るごとに人数が多くなってきたのは事実だ」と述べた。
安倍首相は参院本会議で、招待者の推薦について自身の議員事務所に意見を述べたと明らかにし、人選への関与を否定したこれまでの国会答弁を事実上修正した。招待基準があいまいだったなどとして「これまでの運用は大いに反省すべきだ」とも語った。菅氏は政府による最終的な取りまとめに首相は関与していないとして、虚偽答弁には当たらないとの認識を示した。
この日は招待者名簿が不可解なタイミングで廃棄されていた、との批判も出た。共産党の宮本徹衆院議員(47)は4月13日に開かれた「桜を見る会」の資料などを要求した5月9日に、内閣府がその資料を廃棄したと改めて指摘。内閣府は廃棄が要求と同じ日になった理由について、名簿が大量で、省内のシュレッダーが空いていなかっため、大型連休後に処理したと説明した。電子データに関しても紙資料の廃棄の前後で削除したという。宮本氏は「国会の監視を逃れるために資料要求の日に廃棄する。民主主義の危機だ」などと批判した。
報道各社世論調査で内閣支持率は数%下落し、野党から集中砲火を浴びる中、安倍首相の在職日数は1次内閣を含め2887日に到達し、戦前の桂太郎を抜き、憲政史上歴代1位になった。106年ぶりの記録更新に、安倍首相は憲法改正やデフレ脱却に取り組む姿勢を示し「責任の重さをかみしめながら、薄氷を踏む思いで緊張感を持って歩みを始めた初心を忘れず取り組む」と述べた。だが、「桜を見る会」問題は、年明けの国会まで持ち越す可能性もある。立憲民主党の安住淳国対委員長(57)は記者団に「選挙運動に公的行事を使っていたことが明らかになった。税金の目的外使用だ。徹底的に問いただしたい」と今後も追及する姿勢を見せた。
報知新聞社
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