天皇陛下は25日午前、皇居・宮殿で、来日中のローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇と会見した。陛下がフランシスコ教皇と会うのは初めて。
宮内庁によると、陛下は、教皇が長崎と広島の被爆者や東日本大震災の被災者と会ったことへの謝意を伝えた。教皇は「9歳の時、両親が長崎、広島の原爆のニュースを聞き、涙を流していたことが、心に強く刻まれています。長崎、広島において、このような自分の気持ちをこめてメッセージを発出しました」と述べ、陛下は「教皇が人々の幸福と世界の平和のために精力的に活動されていることに深い敬意を表します」などとこたえた。
また、陛下がライフワークとして研究する「水問題」が話題となった。教皇は水問題について「水問題については、次の戦争は水を巡る戦争であるとも言われています」との認識を示し、「重要なことは、人々が環境問題に強い問題意識を持つこと」と述べた。
陛下は英国留学中の1984年9月にバチカンを訪れた。教皇は2016年に秋篠宮ご夫妻のバチカン訪問をあげ、「次回は両陛下をお迎えできれば光栄です」と話した。
会談は20分ほど。陛下は教皇を皇居・宮殿の車寄せで出迎えた際、スペイン語で「日本へようこそ、お目にかかれてうれしく思います」とあいさつした。その後は、通訳を交えて会話したという。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル