地球には標高8千メートルを超える高峰が14座ある。いずれもヒマラヤ地域の峰々だ。その14座すべてに日本人として初めて登頂したのが、竹内洋岳さん(48)だ。世界に約30人しかいない「14サミッター」と呼ばれる登山家のリストに、日本でただ一人、名を連ねるプロ登山家は、30年前の恩師の言葉を胸に、進み続ける。
17年かけ、死線も越え
ヒマラヤへの挑戦は、山岳部に入りたくて進んだ立正大時代から。入学翌年、部が計画したヒマラヤ遠征に迷わず参加した。登頂メンバーには選ばれなかったが、「楽しかった、また来よう」。4年後の1995年、日本山岳会のマカルー(8463メートル)遠征に加わり、初めて8千メートルの頂に立つ。やがて国内からの遠征隊が少なくなると海外の公募隊に参加。そこで後に8千メートル峰全14座登頂という目標を共有する仲間に出会う。
2007年のガッシャーブルム2峰(8035メートル)では雪崩に巻き込まれて300メートル墜落。片方の肺がつぶれ、腰椎(ようつい)と肋骨(ろっこつ)5本を折って死線をさまよった。
そして12年、ダウラギリ1峰…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル