福岡県立八幡南高のサッカー部顧問としてスポーツ推薦入試に絡み、受験生に便宜を図った見返りに商品券などを受け取ったとして、福岡県警は2日、受託収賄の疑いで、高校教諭の男性容疑者(40)=同県直方市=を逮捕した。容疑を認めている。県教育委員会によると、入試を巡る汚職事件で教諭が逮捕されたのは「県内では聞いたことがない」としている。
逮捕容疑は、八幡南高の教諭でサッカー部顧問を務めていた2015年8月中旬ごろ、推薦入学を希望する中学生の父親から入試の顧問枠での推薦を依頼され、2万数千円の飲食接待を受けた。合格発表後の16年3月下旬ごろには、謝礼として2万数千円の飲食接待を受け、商品券10万円分を受け取った疑い。県警は同日、八幡南高を家宅捜索し、書庫から推薦入試に関する資料を押収した。
県警などによると、推薦入学の募集人員は53人(16年度)。学業と部活動の推薦枠がそれぞれあり、部活動の顧問にも一定の推薦枠が与えられていた。合否は作文や面接などを実施して校長が決定。県教委は顧問枠の制度や推薦の権限はなかったと説明しているが、県警は「顧問枠に推挙されれば、相当程度合否に有利に働く」としている。
贈賄側の父親は公訴時効が成立。父親は、県警の任意の事情聴取に事実関係を認めているという。県警は、父親から便宜を持ち掛けたとみており、知り合った経緯などを調べる。
同校や県教委によると、容疑者は08年に教員に採用され、14年4月から18年3月、八幡南高の保健体育教諭として勤務。同4月、別の県立高校に異動した。八幡南高の校長は2日夕、「教員としてあるまじき行為で申し訳ない」と謝罪した。
福岡県サッカー協会によると、容疑者は14、18年の国体に、サッカー少年男子チームの強化スタッフとして参加した。(梅沢平、金田達衣)
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