生態系の変化をつかみ、その変動の要因を明らかにするため、長期の観測や調査(モニタリング)を続ける場所が世界各地にある。温暖化の影響による林の木々の変化、湖の窒素量が生態系に及ぼす影響――。最近報告された、国内での長期にわたる観測で明らかになった興味深い成果を、紹介する。
国内では現在、日本長期生態学研究ネットワーク(JaLTER)が58カ所の調査地点をまとめている。その一つが北海道北部にある北海道大中川研究林。針葉樹と広葉樹の混交林が広がる計約17・5ヘクタールの調査区で、一定以上の大きさの木を1本ずつ識別して、成長や枯死の様子を約5年間隔で記録している。
北大と森林総合研究所のチームは、1979年から2016年までの38年間で得られた木のデータに、近隣の観測点で得られた気温や降水量のデータ、さらに台風や地形などの影響も考慮して、木々の生育状況を解析した。
すると、近年の夏の気温上昇や…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル