訪日客などを装った「運び屋」による覚醒剤密輸事件が各地で相次いでいる。警視庁は11月末までに昨年1年間の2倍の34件を摘発。1人の密輸量は多くなく、大量押収の「リスク」を避ける意図が密売組織にあるとみている。背景には、過去最多の約1トンなど大型密輸事件の摘発により、覚醒剤が「品薄」になっている事情が浮かぶ。
羽田空港に9月4日早朝、タイから英国籍の女(28)が到着した。税関の検査を拒否したため、裁判所の令状をもとにCT検査を実施。ラップのようなもので包まれた親指ほどの大きさの異物が、胃や腸の中から大量に見つかった。鑑定で138個に小分けされた覚醒剤約1キロと判明し、警視庁は覚醒剤取締法違反(営利目的輸入)の疑いで女を逮捕した。
このほか7月には、マレーシア国籍の女が約237グラムを隠した生理用ナプキンを着けた状態で入国し、密輸したとされる事件や、日本人の男が持ち込んだ箱が約5・1キロの覚醒剤が練り込まれた素材でできていたという事件もあった。
警視庁が今年摘発した航空機を…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル