3年前、名古屋市南区で高齢夫婦を殺害し財布を奪った罪に問われた男の控訴審で、名古屋高裁は9日、無期懲役とした一審判決を破棄し、地裁に審理を差し戻しました。
この判決に対し、先ほど弁護側は上告し今後、最高裁が判断します。
名古屋市南区の無職・松井広志被告(45)は2017年3月、大島克夫さん(当時83)と妻・たみ子さん(当時80)の首を刃物で刺して殺害し、現金およそ1200円が入った財布を奪った強盗殺人の罪に問われています。
殺害が強盗目的かどうかが争点になりましたが、一審の裁判員裁判で名古屋地裁は、被告が室内を広範囲に物色していないことなどを理由に強盗殺人罪の成立を認めず、殺人と窃盗の罪を適用。無期懲役の判決を言い渡し、検察と弁護側双方が控訴していました。
9日の控訴審判決で名古屋高裁の堀内満裁判長は、「強盗目的でも現場の状況などから、物色の範囲が限定されることはある」などと指摘しました。
その上で「強盗目的を前提に改めて裁判員裁判で審理を尽くすのが相当だ」として、一審の判決を破棄し地裁に審理を差し戻しました。
一方、これに対し先ほど弁護側は上告し今後、最高裁が今回の高裁の差し戻し判決について判断を下すことになります。
東海テレビ
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