人事院は、一般職国家公務員が関係するパワーハラスメント(パワハラ)を防ぐため、新たな人事院規則を4月にも制定する。パワハラ相談が増えたことや、民間の大企業で6月からパワハラ防止策が義務化されることなどを受け、公務員にも新たな実効的な枠組みが必要だと判断した。6月までに施行する。
有識者による防止対策検討会が14日、報告書をまとめ、新たな人事院規則の策定などを求めた。検討会は「職務に関する優越的な関係を背景として行われる、職員に精神的または身体的苦痛を与え、職員の人格や尊厳を害する、あるいは、職員の勤務環境を害することとなるような、業務上必要かつ相当な範囲を超える言動」をパワハラととらえるべきだと指摘した。
人事院によると、一般職国家公務員からの苦情相談は2018年度に979件。うち230件がパワハラで、理由別で最多だ。17年度に30代の職員に行った意識調査では、2割超が過去数年間にパワハラと感じる言動を受けたと回答。同時に実施した本省課長級職員向けの調査では、4割超が「部下を指導すべき場面でちゅうちょした」と答え、ハラスメントと受け止められることへの不安などを理由に挙げた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル