江戸時代、唯一西洋に開かれた長崎市の出島で、橋の雑巾がけをする人たちがいる。復元された国史跡「出島和蘭(おらんだ)商館跡」と対岸とをつなぐ「出島表門橋」に平日夕方、月2回集う。遅刻、早退、飛び込みOK、おしゃべりも歓迎だ。ゆる~く時間をともにしながら活動は丸2年続き、2月10日に50回目を迎える。
拡大する雑巾で橋の欄干を拭く参加者。「きれいにして、観光客にも喜んでもらえるようにしたい」=2020年1月6日午後6時55分、長崎市、田中瞳子撮影
日の暮れた1月6日の午後6時半、大人たち約15人が橋に集った。新年の「初ふき」だ。水の入ったバケツと雑巾を手に、欄干や床板、近くの川べりの手すりを拭いていく。同じ場所を何度拭いても、拭き残しがあっても構わない。
拡大する雑巾を手に、橋の欄干を拭く参加者。どこを、何回拭いても自由だ=2020年1月6日午後6時47分、長崎市、田中瞳子撮影
活動を呼びかけた市民団体「DEJIMA BASE」の代表、江口忠宏さん(44)は「ボランティアというより趣味に近い。でも、ちょっと掃除するだけで公共施設が『自分ごと』になるんです」と話す。
拡大する出島表門橋の前に置かれた「はしふき開催中」の看板が静かに活動をPR=2020年1月6日午後7時9分、長崎市、田中瞳子撮影
出島表門橋は、周囲の埋め立て…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル