将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が4日、大阪市の関西将棋会館で指された順位戦C級1組9回戦で高野秀行六段(47)を99手で破り、開幕から無傷の9連勝とし、B級2組への昇級を決めた。
各10局を戦う順位戦C級1組は今期36人が参加し、上位2人がB級2組へ昇級する。藤井は最終10回戦で敗れた場合でも、前期成績をもとにした順位で他の棋士が藤井を上回ることができないため、上位2人の昇級枠入りが確定した。
中盤からリードを広げた藤井が落ち着いた指し回しで、快勝した。「少し自信のない展開だったが、反撃する手になって少し指しやすくなった」と振り返った。最終10回戦を待たず、9戦全勝で昇級を決めたことには「前期は上がることができなかったので、上がることができて良かった」と話した。
順位戦は最上位のA級からC級2組までの5クラスに分かれて戦い、A級の優勝者が名人挑戦者となる。藤井は前期、9勝1敗の好成績を収めたものの、B級2組への昇級を逃した。上位が同じ戦績で並んだ場合、昇級は「順位」が優先され、昨年はプロ2期目だった藤井の順位は31番。同じ成績で並んだ3人よりも「順位」が下だったため、「頭ハネ」で昇級を逃した。
プロ入り後、デビュー29連勝など数々の記録を作ってきた藤井の初めての「つまずき」だった。「リベンジの思いは? 今期、昇級を目指して戦ってきた。本局については昇級のかかった一番でしたが、普段通り、指そうと思っていた」と話した。B級2組には前期に昇級した師匠の師匠の杉本昌隆八段(51)がいる。「追いつけてよかった。(B級2組でも)昇級を目指して戦いたい」と意気込んだ。
「名人をこす」。小学4年の時に小学校の文集に書いた言葉だ。大きな目標へ、また1つ、階段を駆け上がった。谷川浩司九段が持つ名人獲得の史上最年少記録は21歳2カ月。これを更新するには、今後の順位戦をすべて1期で昇級する必要がある。名人の「記録」にも挑戦する。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース