新型コロナウイルスによる肺炎が世界に広がり、各国とも対策に追われています。人類の歴史は感染症との闘いの歴史であり、衛生状態の向上やワクチン・治療薬の開発などを通じ、制圧に成功した感染症もある一方、未知の病原体による新興感染症の流行はいまも繰り返されています。
古くから知られる感染症にペストがあります。東ローマ帝国などでの流行の記録が残り、14世紀には世界的な流行で1億人が死亡したとされ、「黒死病」と呼ばれて恐れられてきました。
「悪性の空気」が感染源と考えられた時代があり、17世紀のイタリアでは医師は全身をガウンで覆い、空気の浄化作用を期待して香辛料を詰めたくちばし状のマスクをして治療にあたったといいます。
1918~19年に世界で流行し、2千万~5千万人の死者を出したインフルエンザ「スペインかぜ」もよく知られています。第1次世界大戦の最中で、米軍の兵士の間で流行が始まり、船で欧州に移動した結果、戦場で各国の軍隊へ広がったようです。
インフルエンザの感染経路は主…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル