東日本大震災9年、復興のバトン
大地震が発生し、電気も水道も使えない中、避難所でどう一夜を過ごすか――。宮城県の南三陸町観光協会は企業や団体などを対象に、1泊2日の実践研修を用意している。「差し入れのおにぎりが人数分ない場合」といった実際に起きた事例をもとに、非常時を体験できる内容だ。
研修では町内の視察もある。津波で町職員ら43人がなくなった防災対策庁舎の周辺も行き先の一つ。現在、追悼や記憶の継承などの場として整備が進む。
2015年に始めた研修だが、これまでの参加団体は10にとどまる。事務局長の及川和人さん(39)は「現地まで来てもらわなければならない上に、拘束時間が長い。そもそもハードルが高い」と話す。
次の災害に備え、貴重な経験をどう伝えるか。18年秋からは、依頼があった場所にスタッフが出張して行う実践研修を始めた。(福留庸友)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル