これは予測がつかない。団体戦で行われることになった第3回の「AbemaTVトーナメント」で、三浦弘行九段(46)が将棋界初のドラフト会議に向けて「普段交流のない人から選ぶ」と宣言した。今大会では、リーダーとなる棋士が、ドラフト会議で自ら仲間となる棋士を2人指名することになる。同門、同世代など、何かしら縁がある棋士を指名するのでは、という意見が飛び交う中、完全な独自路線を明示。実直な男が初参加の超早指し棋戦、プロ将棋界初の団体戦でガチに頂点を取りに来た。
トップ棋士、早指しが得意な若手棋士でも手を焼くことで知られるのが、AbemaTVトーナメント独自の持ち時間5分・1手指すごとに5秒増えるというルール。過去に早指しの一般棋戦で2度の優勝歴もある三浦九段であっても難しい。個人戦で行われた第1回、第2回大会を見ても、実戦での経験が物を言う。
そこで三浦九段が考えたのは、適正を持つ棋士との共闘だ。「このルールで指したことがないので、練習もしないといけないとは思っていますが、本番とは全然違うと思います。私自身が慣れてくるまで、選んだ2人に頑張ってほしいんです。若手の方がルールには合っていると思います」と、自分が戦力として充実するまで若手棋士の力を求めるという。
では、どんな棋士を選ぶのか。「あまり普段から仲のいい人とか、練習しているとか、その中から選ぼうとは思っていないんですよ。その中から選んじゃうと、他の選ばなかった人に顔向けできない。少し人間関係みたいなことを考えてしまって。普段交流のない人から選ぶのが、一番すっきりするかなと」。気遣い、気配りにおいて実に三浦九段らしい理由だ。
普段関わりがないとなれば、指名する後輩とのコミュニケーションもゼロからのスタートになる。「たとえ私が負けても、選んだ2人が『あんたに期待してねえから』と頑張ってくれればそれでいいわけですから」と笑いながら話したが、そのぐらいの雰囲気づくりができれば、「チーム三浦」はきっとうまく機能する。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース