新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、公共施設や観光施設が軒並み休業する中、開園を続ける岐阜ファミリーパーク(岐阜市)の来園者数が増えている。感染リスクが比較的低いとされる屋外施設である点が、影響してか、多いときで通常の6倍の来場があったという。
7日、ファミリーパークではマスクを着用した子どもたちの歓声が響いていた。東海地方で一番長いローラーすべり台を楽しんだ各務原市の小学生、堀蒼空さん(10)は「学校が休校でストレスがたまる。長いすべり台を滑れて気持ちよかった」と笑顔をみせた。
ファミリーパークの井上隆治管理事務所長によると、今月初めに臨時休校が始まってから来園者数が通常時の2割ほど増えているという。特に平日は、通常は40~50人程度だが、300人も訪れた日もあった。「親子連れで出かける場所としてはショッピングモールがあるが、室内なので感染リスクが高いと判断してこちらに来られている可能性がある」と推察する。
小学生の子どもを持つ女性は「休校で友だちともしゃべれず、家にいるしかないのでストレスがたまっている。いろいろな施設が軒並み休業する中で体をめいっぱい動かせるのでありがたい」と話す。管理事務所には営業の有無を尋ねる電話が多くかかっているという。
政府の専門家会議は、ライブハウスやスポーツジム、雀荘(じゃんそう)、ビュッフェ形式の会食など屋内の閉鎖的な空間で一定時間を近い距離で過ごした場合にクラスターが発生する可能性があり、風通しが悪く至近距離で会話する場所やイベントを避けるべきだとしている。岐阜ファミリーパークのすべり台やゴーカートは屋外にあり、風通しもよい。それでも、屋外部分も含めて休業している東京ディズニーリゾートのような例もある。
井上所長は「全面休業すべきなのか、休校でストレスがたまっている子どもたちの心の健康のためにも営業を続けるべきなのか、そのバランスは非常に難しい。市と協議し、感染予防対策を徹底した上で営業している」と話す。
スタッフはマスクを着用し、各所に消毒液を設置。室内のフードコートは営業を自粛している。7日に予定されていた東海地方で最も長いローラーすべり台の完成記念式典は延期した。
井上所長は「いつも通り楽しんでもらえるのが一番。早く新型コロナウイルスの感染拡大が収束して欲しい」と話した。(山野拓郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル