航空自衛隊小松基地(石川県小松市)の周辺住民ら約2200人が、騒音被害の損害賠償や自衛隊機と米軍機の飛行差し止めを国に求めた訴訟の判決が12日、金沢地裁であった。加島滋人裁判長は過去分の被害について、約19億2700万円の賠償を命じた。将来分の賠償請求と飛行差し止めは退けた。
小松基地をめぐる訴訟は1975年から繰り返し起こされ、今回は第5、6次訴訟。1~4次訴訟の判決も過去の精神的苦痛などに対する賠償を命じたが、将来分の賠償請求と飛行差し止めは退けていた。難聴や睡眠障害といった健康被害が生じているとの訴えについても、「客観的裏付けを欠く」などとして認めてこなかった。この日の判決も健康被害を認めなかった。
基地周辺の住民らが起こした騒音訴訟では、過去分の賠償のみを認める司法判断が定着している。2007年に起こされた第4次厚木基地訴訟では、一、二審判決が初めて自衛隊機の深夜早朝の飛行差し止めを認めたが、最高裁は退けた。米軍機の飛行差し止めを命じた判決はない。(堀越理菜)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル