TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。2月28日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、「BuzzFeed Japan」元編集長でジャーナリストの古田大輔さんが、“デマへの対応”について見解を述べました。
◆安易なシェアはフェイクを配るのと同じ!?
新型コロナウイルスについて、「お湯を飲むことで予防できる」、「ウイルスは熱に弱い」というようなデマ情報がSNS上で広がり、専門家は「常識的に考えてありえない」と警鐘を鳴らしています。また、これらは保護者のLINEやメールのほか、台湾や香港など海外在住の知人や親戚から情報が送られるというケースも数多く見受けられています。
古田さんがデマの拡散を防ぐために挙げたのは、「不正確な情報を発信・拡散しない」と「正確な情報を出す人や組織をチェックする」の2点。「すぐにシェアしないこと」と注意を促し、正確な情報の出所として厚労省、さらにはNHKのまとめサイトなどを紹介します。また、古田さんの古巣「BuzzFeed Japan」でもメディカル部門が信頼できる情報を流しているほか、現在アドバイザーを務めているFIJ(ファクトチェック・イニシアティブ)でも検証まとめを出しているということです。
しかし、なかには時間や余力がない方も。そういった方には「とりあえずシェアしないこと」と力説。検証せずにシェアやリツイートをするのは、フェイクを配って歩いているのと同じことだと言います。
◆信頼できる専門家…本当にその情報は正しいの?
デマが与えるダメージについて、古田さんは「特定の個人・組織・サービスを攻撃するようなものもあるが、最終的にはそれらが関係する生態系全部が信頼性を失う」と主張。デマが流れることで対策が浸透しなくなると同時に、「新型コロナウイルスに関する情報は全部信頼できないとなってしまう、情報の信頼性が全て落ちてしまうのが大きな問題」と案じます。
そして古田さんは、現状を打開するための見解を披露。まずはメディアリテラシー。これは受け手側の話になることが多いものの、古田さんは「発信側のメディアリテラシーも重要」と主張。今は新型コロナウイルスに関する情報を出せば多くの人が見てくれるため、YouTuberやブロガーなどがさまざまなコンテンツを制作しているそうで、「その方たちは新型コロナウイルスに対してどれだけ知っているのか。知らない方が発信する情報は危ない。発信する際には、ちゃんと責任を持ってほしい」と危機感を募らせます。
また、メディアでもよく使われる「信頼できる“専門家”に話を聞く」。これについても「たとえ医師でも信頼できない情報を発信している方はいる」と古田さん。それだけに「本当に信頼できる専門家に取材し、情報を発信できているか常にチェックしないといけない」と気を引き締めていました。
キャスターの宮瀬茉祐子は周囲で決めつけに近いような意見が増えていることに恐怖を感じているようで、MCの堀潤も「専門家を見るときも答え合わせをするようにすり寄りがち」と追従すると、「仰る通り」と頷く古田さん。2人の意見に、「(多くの人は)自分が言ってほしいことを言う専門家を信頼しがち。自分が“聞きたくない”と思うことが実は真実の情報かもしれない。本当の情報を発信することがメディア側に求められている」と話していました。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース