災害時の行動計画を時系列で決めておく「タイムライン防災」を感染症対策に応用した「パンデミック対応タイムライン」を、大阪府河南町が近く導入する。専門家は「感染症という先の見えない事柄だからこそ、タイムラインの策定でスムーズな対応が可能になる」と話している。
タイムライン防災は、大規模災害の発生を想定し、「いつ」「誰が」「何をするか」を明確にした自治体の行動計画。2012年に米国で大型台風が発生した際、タイムラインの活用が被害低減につながった事例などから、日本でも国土交通省や専門家が導入を提唱。平成27年に三重県紀宝町が全国で初めて導入し、現在は100以上の自治体が策定している。
河南町も30年8月に「土砂災害タイムライン」を策定。今回は、26年の新型インフルエンザ流行時に策定した行動計画も参考に、幅広い感染症対策として「パンデミック対応タイムライン」を作った。感染状況を「府下市町村で発生」「町内で発生」など8段階に分け、段階に応じて「コールセンター設置」や「住民の外出自粛要請の検討」など、対応を明示。住民や病院、学校、企業などとの連携も詳細に記した。近く対策本部会議を開き、運用を始める。
「タイムライン防災」を提唱している東京大大学院情報学環総合防災情報研究センターの松尾一郎客員教授(危機管理)は「パンデミック対応タイムラインを自治体が作るのは初めてではないか。混乱を引き起こしがちな事柄だからこそ、時系列の行動計画を練ることで、自治体も混乱なく対応できる」と話している。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース