大阪市で28、29日に開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に合わせて来阪する海外メディアが27日、ロボットコンテスト世界大会で総合優勝を果たした追手門学院大手前中学・高校(大阪市中央区)のロボットサイエンス部を取材する。新興国では若者にスキルを身につけさせるためにロボット教育に関心が高まっており、同校の取り組みが注目された。生徒らはロボットの紹介やプレゼンテーションを英語で行う練習に励んでいる。
同校を訪問するのは6カ国・地域のメディア関係者で、南アフリカのテレビクルーやアゼルバイジャン、香港、ラオス、マレーシア、シリアの新聞記者ら。若者の失業率が深刻な問題となる中で、ロボット教育に注目している国・地域という。
ロボットサイエンス部は部活動の一つで、中高生55人が所属。G20サミットの主要テーマでもある持続可能な開発目標(SDGs)の課題解決に向けてロボット開発に取り組み、これまでに盲導犬ロボットや介助ロボットなどを作った。競技ロボットの世界大会では毎年、優秀な成績を収めており、昨年5月に米国で開催された「ファースト・レゴ・リーグ(FLL)」で総合優勝に輝いた。
生徒らは当日、取材チームらを前に、世界大会に参加した際のロボットを使って競技を実演。納豆菌を使った水質浄化剤づくりのプレゼンテーションをはじめ、食事介助や食品ロスの防止を図るために開発した計4台の自律型ロボットの構造やプログラミングを英語で紹介する。
水問題や食糧問題をテーマにした世界大会のミッションをクリアした状況を説明するほか、環境配慮型都市「スマートシティー」をテーマにした今年の世界大会に向け現在、開発中のロボットも披露する。
同部は、今回の海外メディア向けにプロジェクトチームを編成。リーダーの高校1年、山本舞香(まいか)さん(15)は「G20と聞いてびっくりしました。海外メディアの人たちに注目されてとてもうれしく、本番では明るく元気なプレゼンで自分たちの活動をしっかりとアピールしたい」と意気込んでいる。
同部顧問でロボットプログラミング教育推進室長の福田哲也教諭(53)は「SDGsの課題解決に向けてリアルなロボット開発に取り組む生徒たちの姿が伝わり、ロボット教育の重要性が大きく広がる機会になれば」と話している。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース