大阪市で28、29日に開催される20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)で、大阪府内では首脳らの入国が始まる27日から4日間、高速道路や一般道で大規模な通行止めが行われる。渋滞対策のため、交通量の5割削減を目指す大阪府警などはSNSを駆使したり、外国人観光客らが集まるスポットでチラシを配ったりして、車の利用を控えるよう“最後の訴え”に力を入れている。
24日、外国人観光客らでにぎわう大阪・ミナミの道頓堀周辺。府警や大阪市の職員が、観光バスの運転手やガイドに交通規制の概要を中国語や英語で説明したチラシを手渡していた。
関西国際空港でも、同様の英語、中国語、韓国語のチラシを作り、空港内に張り出した。首脳らが利用する関空は、対岸と結ぶ連絡橋や、サミット会場のある大阪市方面につながる阪神高速湾岸線で、頻繁に交通規制が実施される影響により、リムジンバスの多くの便が運休となる。19日には府警関西空港署員がターミナルで、外国人旅行客らにチラシを手渡し、電車の利用を呼びかけた。
「海外では大阪サミットの認知度が低い可能性がある」と府警幹部。「口コミなどで、少しでも多くの外国人観光客に交通規制を知ってもらいたい」と話す。
■物流にも支障
府警が交通規制の周知に躍起になるのは、通常通りの交通量のままでは深刻な渋滞が発生し、市民生活に大きな影響を及ぼすとの危機感があるためだ。
サミットとその前後の計4日間(27~30日)は阪神高速で大阪市内を走る環状線など10路線で早朝から深夜まで全面通行止めに。一般道でも首脳らが宿泊するホテル周辺などで頻繁に規制がかかる。
また、会場の国際展示場「インテックス大阪」がある人工島・咲(さき)洲(しま)や関空に入る車は全て検問の対象となり、検問待ちの渋滞が発生する恐れもある。渋滞が広がれば市民の足だけでなく、物流にも支障が出るため、府警の石田高久本部長は20日の記者会見で「交通量をどれだけ少なくできるかが、市民生活や経済活動への影響を小さくすることにつながる」と強調した。
■幅広い年代に訴え
交通量5割削減を目標にマイカーや業務車両の利用自粛を関係団体に要請してきた府警などは、サミット開催が直前に迫りPRを強化。タレントの西川きよしさんが「車はあかん!今日は大阪サミットや」と呼びかける動画を、テレビCMや動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信。検索サイト「ヤフー」や交流サイト「フェイスブック」「インスタグラム」にも広告を出し、幅広い年齢層に大規模な通行止めの実施を周知するとともに、車の自粛と電車の利用を促している。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース