自民党の河井克行前法相(衆院広島3区)の妻案里氏(参院広島)が初当選した昨年7月の参院選広島選挙区で、夫妻側が公示前に広島県内の地方議員らに現金を持参していた疑惑に絡み、広島地検の任意聴取を受けた県内の地方議員が少なくとも35人いることが9日、分かった。これまでに県議と広島市議で計27人が判明していたが、新たに県議1人と市議1人、2市2町の議員6人の計8人が認めた。地検は、各地に地盤を持つ地方議員に幅広く事情を聴いているもようだ。
中国新聞が9日までに、県議会と県内の全23市町議会の議員計549人(元職2人を含む)を取材した。現職は、入院していた福山市議1人を除く全員に確認した。元職は、今月の安芸高田市長選と県議補選安芸高田市選挙区に立つために辞職した元県議1人、元安芸高田市議1人となる。
聴取を認めた35人の内訳は、県議15人、広島市議14人、廿日市市議3人、安芸高田市議1人、府中町議1人、北広島町議1人。県議と広島市議を対象に聞き取った2日時点では、県議14人、広島市議13人だった。
夫妻側が公示前に現金を持参したと語ったのは、県議7人、広島市議6人の計13人。2日時点と比べて広島市議が1人増えた。他の22市町では、夫妻側による現金の持参や受け取りを証言した議員はいなかった。
35人のうち、克行氏の後援会役員だったある議員は、昨年5月下旬に自宅を訪れてきた際の克行氏の様子を主に聞かれたという。「『妻が立候補するのでよろしくお願いします』とあいさつされたが、現金は持って来なかった」とした。自民党の地域支部幹部を務める別の議員は「夫妻から現金をもらっていないかと聞かれたが、もらっていないと答えた」と説明する。
廿日市市議2人は取材を拒否した。同市議1人と安芸太田町議1人は「ノーコメント」を貫いた。
地検に呼ばれたのとは別に、電話で事情を聞かれたと答えたケースもあった。夫妻側との現金授受を問われたり、案里氏陣営の運動員の立ち回り先として確認されたりしたという。
参院選を巡っては、車上運動員に法定額を上回る報酬を払ったとして、地検が夫妻の秘書2人を公選法違反(買収)罪で起訴した。夫妻が参院選で票の取りまとめを頼む趣旨で首長や地方議員に現金を配っていた疑いがあり、地検が捜査を続けている。複数の後援会幹部も夫妻から現金を受け取ったと証言している。
中国新聞社
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース