京都大は15日、研究室に所属する学生にカラ出張をさせるなどして不正に得た約78万円を私的流用したとして、医学部の天谷(あまがい)真奈美元教授(58)を懲戒解雇相当の処分にしたと発表した。天谷元教授は3月末に退職したが、京大は退職金の支給を止めている。
京大によると、天谷元教授は2016年8月から19年1月にかけ、不正経理10件で得た計約78万円を自分の口座に入金させた。福島県内への学生の架空出張の申請書類を作り、旅費を自身に還流。ほかに、自分のカラ出張や非常勤講師の勤務日水増しなどもしていた。
天谷元教授は動機について、「コピー代などの雑費として使った。経費をまかない、人件費を確保する目的だった」と主張しているという。だが、京大が調査したところ、主張を裏付ける出金は確認できず、私的流用があったと判断した。
天谷元教授は精神看護学が専門。不正経理の一部は、東日本大震災の復興支援に関わる補助金から支出されていた。昨年7月、京大に通報があり、京大が調査委員会を設けて調べていた。(野中良祐)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル