オランダの世界報道写真財団が16日、主に2019年に世界各地で撮影された写真を対象とした第63回世界報道写真コンテストの結果を発表した。AFP通信の千葉康由さん(48)が大賞を受賞した。日本人の受賞は41年ぶり4人目。受賞作品を展示する世界報道写真展は、コロナウイルス感染拡大で今年の開催は未定となっている。
大賞となったのは、スーダン首都ハルツームで催された文民統制を求める対話集会で、抗議の詩を叫ぶ若者を写した1枚。当局により電力やインターネットが遮断される中、デモ参加者が携帯電話を駆使する様子は、アフリカの発展も映し出した。
大賞受賞を受けて千葉さんは「スーダンの人々の思いへ再びスポットが当たることに感謝するとともに、歴史的な報道写真アーカイブの一枚に選ばれたことを光栄に思います」と述べた。「その場に居合わせなければ知ることができないことが世界や日本でたくさん起きています。世界報道写真財団がこの写真を選んでくれたことは、世界を変えていこうとしている人々への励ましであり、また、フォトジャーナリストたちへの期待のメッセージであるとも感じています。自分たちが歴史の中に生きていることを自覚しながら、これからも撮影していこうと思います」。
千葉さんは1995年に朝日新聞写真部員となり2007年にフリーランスに。11年にAFP通信に入社し、現在ケニアを拠点に活動している。同コンテストには、09年と12年にも入賞。12年には、東日本大震災の被災地の人々をとらえた写真で「ニュースの中の人々」部門1位を受賞した。他に、EPA通信の黒川大助さん(44)も「スポットニュース」の部で入賞した。
レゲト・マコラ審査委員長は「…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル