川崎医科大や国立環境研究所などの研究チームが、大気汚染を引き起こす微小粒子状物質PM2・5の空気中の濃度が高まると、国内で心臓停止のリスクが高まることをつきとめた。論文を18日、国際医学誌「JAMA Network Open」に発表する。
PM2・5は、空気を漂う2・5マイクロメートル以下の粒。車の排ガスや工場の排煙などが発生源とされ、硝酸塩や硫酸塩などが含まれる。肺の奥深くまで入り、ぜんそくや心臓病などへの悪影響が報告されている。
チームは、2011年4月~16年12月に全国の病院外で起きた急性心筋梗塞(こうそく)などによる心停止のうち、まわりの人がその瞬間を目撃した約10万3千例と、都道府県などが計測しているPM2・5の濃度の関係を分析した。
すると、心停止が起きた前日から当日にかけてのPM2・5濃度が1立方メートルあたり10マイクログラム上昇すると、心停止が1・6%増えた。とくに男性は2・1%、75歳以上の人は2%増えた。PM2・5の1日平均濃度は、環境基準値以下の1立方メートルあたり13・9マイクログラムだった。
川崎医大の小島淳(すなお)教…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル