福岡市と九州大病院、福岡大病院は21日、新型コロナウイルスの治療薬として期待される新型インフルエンザ治療薬「アビガン」に関し、市内では病院の倫理審査委員会の承認手続きを省き医師の判断で投与できるよう求める要望書を加藤勝信厚生労働相宛てに提出した。同市では感染者の増加が続いており、投与の手続きを迅速化して重症化阻止につなげたい考えだ。
アビガンは、ほかの薬が効かない新型インフルエンザなどを想定し、国が必要と判断した緊急時に限り投与が認められている。新型コロナでも研究などの一環で投与が始まっており、日本感染症学会では軽症や中等症の9割、重症の6割で症状が改善した事例も報告されている。
一方で、投与には各病院の倫理審査委員会で患者ごとに承認が必要という。要望書では、患者の同意を前提に医師の判断で投与できるよう提案し、対象は効果を観察研究する医療機関に限定している。まずは国家戦略特区の福岡市で実施し、速やかに全国展開することも求めた。(黒石規之)
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