「親が共倒れになった場合の子どもの面倒は誰がみるのか」。2歳の娘を抱えて新型コロナウイルスに感染したフリーアナウンサー赤江珠緒さんは、公表したメッセージで家庭内感染に対する悩みを吐露した。厚生労働省は23日、軽症者を自宅ではなく宿泊施設で療養させる方針に転換したが、ちいさな子どもがいる家庭の悩みは尽きない。
「感染の疑いが強いので、保健所の判断を仰いでください」。東京都内の会社員の男性(37)は4月中旬、クリニックの医師からこう告げられて悩んだ。
検査を受けて夫婦2人とも陽性だったら、子どもの世話を誰がするのか。小学生から乳児まで3人の子のことが頭に浮かんだ。
軽症者向け施設、無症状の子は連れて行けず
男性は4日ほど前から激しいせきやたんが続き、妻もせきや高熱が出て、食べ物の味やにおいが分かりにくくなっていた。それぞれの実家は移動自粛が求められている遠方にあり、親を呼ぶのも難しい。保健所の担当者には「夫婦とも陽性だと、子どもと離れなくてはならない」と説明され、軽症者向けの宿泊施設に無症状の子を連れて行くこともできない、と言われた。
「検査を受けなくてもいいですか」。悩んだ末に尋ねると、担当者は「個人の判断なので」と答えた。一家はオンライン診療を受けつつ自宅にひきこもった。
だが男性は再び発熱や激しい頭痛に苦しんだ。23日にPCR検査を受け、自宅で結果を待っている。陽性なら家族と離れ、施設に移る。予断を許す状態ではないが、唯一ほっとしているのは妻が快復傾向にあることだ。「夫婦が共倒れで、子どもをみてもらえる環境が整わなかったら……」と不安を口にする。
福岡市では4月はじめ、夫婦と…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル