東京都は28日、新型コロナウイルス特別措置法に基づく休業要請に応じない都内のパチンコ店について、小池百合子知事が同日午前に、「営業している店舗はゼロになった」と発言した後、営業継続中の店舗が確認される混乱があった。この日、葛飾区内のパチンコ店は、座席の約半数が埋まり、来店客で密集した状態が見受けられた。都は、引き続き休業要請を行い、応じない店舗名を29日以降に公表する見通し。
休業要請に応じない都内のパチンコ店をめぐる問題について、小池氏は28日午前、報道陣を前に「説得などで(営業を継続する店舗は)かなり減り、今日の時点でゼロ! ご協力ありがとうございます」と報告した。
小池氏の「営業店舗ゼロ」発言で、都の休業要請は奏功したかに思われたが、同日午後には一転、報道各社の取材で一部店舗での営業が判明。都は、急きょ現地で事実関係を調査する事態となった。小池氏は、24日の定例会見で、パチンコ店が休業要請に応じない場合、28日から新型コロナ特措法45条に基づき、店名を公表する意向を示していた。
都によると、情報提供などで、26日の時点では都内156店の営業を確認。職員60人で構成する15の専属チームが個別訪問し、対象店舗に休業への協力を求めた。27日には営業店舗は22店に減り、28日に再度巡回したところ、全22店舗が休業していたという。
しかし業界団体「都遊技業協同組合」には約770のパチンコ店が加盟している。小池氏は同日夕の配信動画で、都が未調査の店舗が約600あり、新たに4店舗の営業継続が確認されたため、休業を要請したという。また利用客にも「『ステイホーム週間』としている中、(店に)いらっしゃる人もいらっしゃる人だ」と苦言を呈した。
この日、営業を続けていた葛飾区内のパチンコ店では、同日夕の時点で店先の駐輪場には約60台の自転車が。店内では入り口にアルコール消毒液が置かれていたものの、座席の約半数は埋まっており、客で密集した状態が見受けられた。都外から1時間かけて自転車で来店した50代男性は、「ニュースでここがやってるのを見て来た。パチンコで月30~50万円稼いで生計を立てている。(休業となったら)死ねと言われているようなもの」と話した。
同店の本社は「マスコミからの取材には、一切お答えしておりません」としている。都は、今後も調査を続け、営業を継続するパチンコ店に対しては、文書などで休業要請を行い、応じない店舗については29日以降に公表する見通し。
報知新聞社
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