国が建設を凍結した淀川水系の大戸川(だいどがわ)ダム(大津市)について、滋賀県の三日月大造知事が、建設推進に大きく舵(かじ)を切ってから1年。各地で、ダムの緊急放流後に下流の川が氾濫(はんらん)したようなリスクも指摘されている。それでもなぜ、ダムは造られるのか。(山中由睦、真田嶺)
山間地にある大戸川ダムの建設予定地は土砂が高く積まれ、草が生えていた。辺りには55戸の民家があったが移転し、人通りはほとんどない。
2008年、当時の嘉田由紀子知事や下流域にあたる大阪府の橋下徹知事らが国に建設凍結を求め、事業は止まった。
14年、嘉田氏が引退し、衆院議員の三日月大造氏を後継指名した。三日月氏は民主党政権で国土交通省の政務官として、ダム事業の見直しに尽力。知事選では嘉田氏の支援を受け、「ダムだけに頼らない流域治水」を訴えて初当選した。
だが4年後の18年2月、三日…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル