安倍晋三首相は14日夕の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた政府の緊急事態宣言について、39県に関しては今月末の期限を待つことなく解除することを明らかにした。会見の全文は以下の通り。
「本日、関東の1都3県、関西の2府1県、そして北海道を除く39県について、緊急事態宣言を解除することといたしました。その判断については、今回専門家の皆さまのご協力を得て、感染の状況、医療提供体制、監視体制の3つについて、具体的な数値なども含め、解除の客観的な基準を策定いたしました。2週間前と1週間前を比べ、新規の感染が減少傾向にあること、直近1週間の合計で10万人当たり、0・5人以下に抑えられていること、さらには、感染経路がわからない感染者の発生状況などを総合的に判断することといたしました」
「そしてこうした基準に照らし、39県についてはいずれも今後徹底的なクラスター(感染者集団)対策を講じることで感染拡大を防止できるレベルにまで押さえ込むことができたと判断いたしました。重症者も減少するなど医療提供体制も改善しており、検査システムも新規感染者の動向を適切に判断する上で、十分に機能していると考えます」
「こうした評価について、(基本的対処方針等諮問委員会の)尾身茂会長をはじめ、諮問委員会の専門家の皆さんの賛同を得て、今月末までの期限を前倒しして、本日付で、39県の緊急事態宣言を解除することといたしました。この後の政府対策本部において決定いたします」
「残りの8都道府県では感染者数の大きな減少に加え、人工呼吸器が必要となる重症者も東京や大阪ではピーク時の6割ぐらいまで減少してますが、まだリスクが残っていると考えます。引き続き、気を緩めることなく、外出自粛などにご協力をお願いいたします。地方への移動も控えていただきたいと思います」
「1週間後の21日をめどに、もう一度専門家の皆さんにその時点で、今回決定した解除基準に照らして評価いただき、可能であれば、31日を待つことなく解除する考えです」
「医療従事者の皆さんの献身的なご努力に対しまして、改めて敬意を表します。懸命な治療によって、退院などで感染症から回復した方は、累計で、1万人を超えました。逼迫(ひっぱく)した医療現場の状況も全体として、改善傾向にあります。一時、700人近くまで増加した全国の新規感染者はこのところ毎日100人を下回る水準で推移しています。この1カ月で、7分の1以下に減少しました。全ては徹底的な外出自粛などの要請にご協力してくださった国民の皆さま一人一人の行動の結果であります。改めて、心より感謝申し上げます」
「そして多くの地域における緊急事態宣言の解除によって、ここからコロナの時代の新た日常を取り戻していく今日はその本格的なスタートの日であります。レストランなどの飲食店、百貨店や商店街、各種の商店、映画館、劇場、博物館や美術館などの文化施設、公共交通機関、さらにはホテルや旅館、80を超える業界ごとに専門家の助言のもと、本日、感染予防のためのガイドラインが策定されました。これは、現場で働く皆さんを、感染リスクから守るための指針であり、そして消費者の皆さんに安心してそれぞれのサービスや施設を利用いただくための指針でもあります」
=(2)に続く
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース