プロ野球の開幕を6月19日に控え、球団側と労組日本プロ野球選手会(炭谷銀仁朗会長=巨人)の事務折衝が1日、オンラインで行われた。主に新型コロナウイルスによる特例措置について話し合われたが、出場登録日数の扱いで意見に隔たりがあり、今後も協議を続けることになった。選手会は15日にオンラインで臨時大会を開いて対応を話し合う予定。選手会の森忠仁事務局長は「開幕までに合意は難しいという感触。選手の反応次第では、(開幕の延期要望も)否定できない」と語った。次回の事務折衝は16日に行われる。
事務折衝は今年1月以来で、新型コロナウイルスが問題となってからは初めて。今季はシーズン期間が短縮されるが、球団側は登録日数の特例措置を設けない意向を示した。このためフリーエージェント(FA)の規定日数(1シーズン145日)を満たさない見込みで、その場合はFA権取得には1年余計に必要となる。他にも追加参稼報酬(事実上の1軍の最低年俸)や、試合数が減ることで出来高払いにも影響が出る。選手会は、期間短縮の実情に合わせた特例措置を求めていく方針という。
選手の年俸削減については協議しなかった。野球協約に、不測の事態での年俸削減の規定がないためという。森事務局長は「球団経営が苦しいのは誰が見ても分かる。つぶれるほど苦しい状況で(年俸を)維持しろというつもりはない」。しかし、球団側が情報を開示していないため「(経営状況を)評価するものがない」という。また、これまでの経緯について「いろいろなことが球団主導で決まり、選手たちの意見は反映されていない」と不満を口にしている。
選手関係委員会の谷本修委員長(阪神球団本部長)は「(日数が)足りない部分だけ救ってというのは分からないでもない。ただ、全選手というのは違うのではないか。開幕までに決めるべきことは決めておかないといけない。開幕に向けて進んでいることに関しては選手会側も喜んでいた」と語った。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル