「男女共同参画」が叫ばれて久しいが、“旧態依然”のイメージが強い霞が関においても「女性職員の活躍」に力を入れており、女性国家公務員の採用増を目指している。こうした中、政府は5月29日、今年4月に採用された国家公務員のうち、女性の割合が過去最高を記録したと発表した。さらに、巷間「男性の仕事」というイメージを抱きがちな総合職採用、いわゆる「キャリア官僚」採用に占める女性の割合では、大規模官庁で初めて6割を超えた役所もあることが分かった。
国家公務員の女性採用、最高更新
今年4月に採用された国家公務員のうち、女性の割合は前年より1.4ポイント高い36.8%となり、総合職の割合も35.4%と、いずれも過去最高となった。政府は、「第4次男女共同参画基本計画」において、国家公務員採用者に占める女性の割合を毎年度30%以上にすることを目標としていて、この政府目標は6年連続で達成された。
大規模な府省庁別で女性の採用割合が高かったのは、外務省52.4%、金融庁48.7%、内閣府47.8%、法務省42.9%などだ。一方で国土交通省だけは26.1%となり、30%という政府目標に届かなかった。国交省だけ目標未達成となった理由について、内閣人事局の担当者は「(技官など)技術系の職種が多いからではないか」と分析する。
「キャリア官僚」採用の女性、6割超えの省も
国家公務員のうち、幹部候補になる総合職採用の女性の割合は、府省庁別でみると、法務省でもっとも多い62.2%となった。続いて外務省が53.3%、公取委、消費者庁ともに50.0%と半数以上が女性になった。総合職採用の女性が大規模官庁で6割を超えたのは、今回の法務省が初めてのことだ。外務省でも、総合職採用の女性が5割を超えたのは初めてだ。
総合職採用の女性が増えることは、国家公務員における「性別職域分離」の打破につながるほか、将来この国を担うリーダーとなりうる女性が増えることも意味する。内閣人事局では、こうした女性の採用状況に加え、幹部などへの女性の「登用状況」も調査しており、2019年11月の当該調査では、幹部(指定職相当)において女性の占める割合が調査開始以降、最高を記録している。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース