長崎県などが洪水防止や水道水供給のため川棚町に計画する石木(いしき)ダムの建設予定地で6日、田植えが始まった。土地収用法に基づき、一帯の土地の所有権が昨年すべて国に移って初めて迎えるシーズン。立ち退きを拒む川原(こうばる)集落13世帯の住民らは、父祖の開いた田で親族の手も借りながら汗を流した。
水を張った田んぼの周りにはダム反対の決意を記した看板が立つ。周りには草が生い茂った荒れ地も点在。立ち退いた住民の田や畑だったところだ。
県は家屋の強制撤去などの行政代執行も辞さない構えでいる。川原集落の総代、炭谷(すみや)猛さん(69)は「『ここに住み続ける』と言い続けている私たちにとって、田植えは当たり前の日常だし、住んでいるあかし。みんな気負いはない」と語った。(原口晋也)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル