本州の南を通過する南岸低気圧の影響で、東京では5日、都心部でも積雪するなど雪に見舞われた。気象庁などは6日夕方までに23区でも8センチの積雪の可能性があるとして注意を呼びかけている。 「警報級」の大雪は5日、帰宅ラッシュを直撃。JR新宿駅では、夕方ごろから早歩きで帰途につく会社員らの姿が増えた。会社員も店員もいつもより早めの終業 神奈川県茅ケ崎市の会社員小川大介さん(58)は、いつもより早めの午後4時過ぎに仕事を終えた。通勤に2時間かかるというが、「明日は今のところいつも通りの予定」と話す。駅近くのゴルフショップで働く千葉県市川市の小出浩樹さん(47)は、午後2時ごろ、本社から店を閉めて帰宅するよう指示があった。「いつもは午後7時まで営業している。家を出た時はこんなことになるとは思っていなかった」 東京都港区の麻布台ヒルズ周辺では午後5時ごろ、水気の多い雪が降り、道路上はシャーベット状にぬかるんでいた。徐々に雪の水気が少なくなると、午後6時ごろには、沿道の一部では雪がうっすらと積もり始めていた。 会社員らは傘をさしながら、足早に駅へ。川崎市から電車で都心へ通う会社員男性(28)は、普段は午後7時半ごろに会社を出るところを、この日は午後6時ごろに退社した。「電車が止まる前に帰ることにした。職場からは、あすは在宅勤務でも良いと言われているので、朝の状況を見て検討したい」あす、登校遅らせたり校外学習延期も JR八王子駅北口のペデストリアンデッキでは夕方、市の職員が雪かきにあたっていた。道ばたの雪だるまをスマートフォンで撮っていた高校1年の女子生徒は「久々の大雪で、ちょっとうれしい気持ちもある」。部活動が中止になったため、普段より早い下校だった。「親が車で迎えに来るまで、色々写真を撮って楽しみたい」と笑顔を見せた。 八王子市教育委員会によると、5日は一部の小中学校で午後の授業を休んで下校させた。6日は、登校を通常より1~2時間遅くしたり、校外学習を延期したりする学校があるという。過去10年で10㌢以上の積雪4回 気象庁と国土交通省は「路面だけでなく、ビニールハウスの倒壊、樹木や電線への積雪にも注意してほしい」と警戒を呼びかける。 気象庁によると、過去10年で都心で10センチ以上の積雪があったのは、2022年1月6日(10センチ)▽18年1月22日(23センチ)▽14年2月15日(27センチ)▽14年2月8日(27センチ)の4回で、いずれも南岸低気圧によるものだった。(中村英一郎、滝沢貴大、藤田大道、宮野拓也)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル
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