変わるべきは誰? ユニークな「魔法」が注目される駄菓子屋の原点

 全国から注目される、ユニークな駄菓子屋が奈良県生駒市にある。 100円を手にやってきた子どもたちはまず、店頭のガチャガチャを回してカプセルに入った木製の「チロル札」をゲットする。100円分のお菓子に使ってもいいし、これ1枚で500円の特製カレーを奥の食堂で食べることもできる。チロル札が2、3枚入っている当たりのカプセルもあるので、わくわくドキドキが止まらない。 100円以上の価値を提供できるのは「魔法使いの大人がいるからです」。そう意味ありげに言うのは、2年半前に仲間と「まほうのだがしやチロル堂」をオープンした石田慶子さん(50)=生駒市=だ。 障害のある長女が小学生だった十数年前、放課後等デイサービスを開設してもらえないかと知人に頼んだが、断られた。自ら情報収集し、企画立案までした。だったら私がやるか。市内初となる放課後デイを立ち上げた。 福祉のニーズは高く事業は拡…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

京成百貨店元社長、雇調金詐欺の計画表作成を指示か 部下が証言

原田悠自 宮廻潤子2024年1月21日 5時30分 水戸京成百貨店(水戸市)が国の雇用調整助成金(雇調金)約1億3千万円をだまし取ったとされる事件で、詐欺容疑で逮捕された同社の元社長・斎藤貢容疑者(66)が部下に対し、不正受給に関する「計画表」を作るよう指示していた疑いがあることが捜査関係者への取材でわかった。 また、茨城県警が2023年3月だけでなく同年秋にも同社を家宅捜索していたことも判明。県警は、計画表に関する電子データなどを押収しており、斎藤元社長が違法行為を事前に認識していたことを示す重要な証拠とみて調べている。 捜査関係者によると、県警に対する当時の総務部長(57)らの説明では、斎藤元社長は2020年春、新型コロナの影響で経営不振に陥ることを懸念。元総務部長に「黒字確保のために何とかしろ」などとして、従業員の休業日数に応じた雇調金の想定受給金額を計算するよう指示したという。 これを受けて元総務部長は、受給額の想定について勤務実態に即した休業日数での正しい計画表と、休業日数を水増しした不正な計画表の両方を提示。不正な計画表について、「これはだめですよね」と尋ねると、斎藤元社長は「(だめだという)その考え方がおかしい」などと、元総務部長を叱責(しっせき)したという。 斎藤元社長は23年11月、朝日新聞の取材に計画表を元総務部長に作らせたことを認めたが、「あくまで計画であり、まさか本当にその通り(水増しした休業日数で)申請書類を提出するとは思わなかった」と話していた。 県警によると、逮捕容疑は当時の従業員らと共謀して、20年4月11日から5月10日分の従業員約400人の休業日数を水増しした虚偽の雇調金申請書を茨城労働局に提出し、同年9、10月に雇調金計約1億3300万円を詐取したというもの。捜査関係者によると、斎藤元社長は容疑を否認しているという。(原田悠自、宮廻潤子)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「内苑の護持のため」、明治神宮側が語る外苑再開発 担当者に聞く

 多数の樹木伐採などに批判が強い明治神宮外苑地区(東京都)の再開発を巡り、外苑の土地の大半を保有する宗教法人・明治神宮の担当者、神宮外苑の成瀬伸之総務部長が取材に応じた。再開発は、神宮の運営維持や樹木の更新のために必要な事業と主張した。 ――明治神宮運営における外苑の存在は。 明治神宮の収益構造は、スポーツ施設を持つ外苑、ブライダル事業の明治記念館といった収益部門から資金を繰り入れて(明治神宮がある)内苑を「護持」しています。 (収益事業全体のうち)外苑は約8割。その6~7割は神宮球場の使用料などの収入、ほかはスケート場やテニス場などです。野球場が機能しなくなる、つまり外苑の収益がないと明治神宮を支えられません。 ――なぜ球場を建て替える。 球場は完成から約1世紀。耐震補強工事済みですが、この先の50年、100年はもたない。敷地も狭いため、大学などの学生、プロ野球が同時にある日には救急車も入れないくらいの人流となります。 観客席の間隔も狭く、車いすの方へのバリアフリーも不十分。建て替えないと課題が解決できません。 (伐採本数を大幅に減らせると提案がある)現在地建て替えは、解体から竣工まで5年くらいかかります。年約450試合がある球場が使えなくなるのは、野球界、神宮運営にとって現実性がありません。秩父宮ラグビー場と場所を入れ替えて段階的に建て替えることで解決できます。 ――「いまの球場を残してほしい」という声もある。 姿、形はかわっても神宮球場という存在を未来永劫つないでいくんだという思いです。 狭くて混雑してもあの古さがいいという人もいるかもしれません。しかし、球場を提供する側としては不便さを解消し、安全安心で快適な観戦環境を整えたいと考えています。明治神宮外苑地区の多くの土地を所有するのが宗教法人・明治神宮。その担当者が考える再開発の目的、批判への説明、今後の展開を聞きました。記事後半にある、再開発を巡る懸念点とともに、お読みください。 ――新球場が、イチョウ並木…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

パトカーに「ホタル」の光 新たな赤色灯、音聞こえぬ人の不安解消へ

【動画】緊急走行とパトロールで光り方が変わる、新たな赤色灯を導入へ=パトライト提供 新型のパトカー赤色灯が、来年度から各地で導入されることが決まった。緊急走行中とパトロール中とで光り方が変わる。聴覚障害者は緊急時に鳴らされるサイレン音が聞こえにくく、見た目で判別できるようにという要望が出ていた。 警察庁によると、全国のパトカーに搭載されている赤色灯は、緊急走行時とパトロール時で光り方は同じだ。0・5秒間隔でチカチカと光り、緊急走行時にはサイレンを鳴らすことでパトロール時と区別している。近づくパトカー、聴覚障害者は不安に しかし、聴覚障害者はサイレンの音が聞こえにくい。全日本ろうあ連盟(東京)は2012年以降、赤色灯の見た目で状況が判別できるように、警察庁に改善を要望してきた。連盟によると、聴覚障害者は車を運転中にパトカーが近づいてくると、道をあける必要があるかどうか分からず、不安になるという。 連盟の理事で、自身も聴覚障害がある吉野幸代さんは、運転中に赤色灯が光るパトカーが近づくと、迷惑をかけないように毎回、車を路肩に寄せる。だが、その後に赤信号でパトカーが止まるのを見て、緊急走行ではなかったと気づくこともあるという。「赤色灯の光り方が変われば運転中の不安がなくなると思う」と吉野さんは話す。 道路運送車両法に基づく告示で、パトカーの赤色灯は300メートル手前から光が見え、赤色であることと定められている。光り方には決まりがない。 赤色灯の開発を担った回転灯製造会社「パトライト」(本社・大阪市)は、蛍火のようなゆったりとした光り方であれば緊急走行時と区別できると考えた。近年は赤色灯の灯体に電球ではなくLEDを使っており、ゆっくり発光をさせることが可能だという。同社は、パトロール時だけ2秒周期でぼんやりと発光する光り方を生み出した。車内にあるボタンで光り方を切り替えられる。新型赤色灯 呼び名は「ホタル」 23年3~6月に埼玉県警で…この記事は有料記事です。残り326文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

飲料水や食料、下着などトラック4台分を被災地へ搬送 東京都品川区

 能登半島地震の被災地支援のため、東京都品川区は20日、石川県輪島市に物資を搬送した。 区は今月4日に「被災地支援本部」を設置。輪島市からの要請を受け、10日に下着や消毒液などトラック2台分の物品を搬送した。再び要請を受け、2度目の物資搬送を決めた。 今回はトラック4台分で、アルファ化米1万3500食▽ビスケット6540食▽飲料水1008本▽下着男女各1万8千セット▽手指消毒液300本▽大人用おむつ3700枚▽ブルーシート1600枚▽ペーパー歯磨き1万530回分――の計8品目。森沢恭子区長は「区の代表として、支援物資とともに品川区民の思いをしっかりと届けてきてほしい」とした。 また、地震により住宅が損壊するなど継続して住むことが難しくなった被災地の世帯を対象に、区は公営住宅計10戸を無償提供する予定だ。(野田枝里子)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

住宅被害、石川県内で3万棟超える 輪島・珠洲市内はいまだ全容不明

 最大震度7を観測した能登半島地震で、石川県は20日、住宅被害が3万棟を超えたと発表した。被害が大きい輪島市と珠洲市は全容がわかっておらず、ほとんどが集計に含まれていないため、今後さらに増えることは確実だ。被災地では応急仮設住宅の着工が進むものの、土地や業者の不足が課題となっている。 この日、馳浩知事は穴水町と能登町の被災地を視察。記者団の取材に「(断水が続く)水と仮設住宅(の着工)を何としても急がないといけない」と述べた。住宅被害については「数字の確定は、市町に急いでもらっている。仮設がどれだけ必要になるのか、他のインフラ整備にも直結することだ」と語った。 県によると、20日午後2時時点の住宅被害は3万1670棟。「多数」とされていた輪島市が870棟と初めて実数を出すなど、前日より1774棟増えた。珠洲市は「多数」のままだ。 応急仮設住宅については、輪島市(76戸)、珠洲市(90戸)、能登町(66戸)、穴水町(15戸)で計247戸が着工済み。20日には穴水町と七尾市で計91戸が着工した。 だが、仮設住宅の入居応募は多く、必要数に追いついていない。馳知事は「土地が決まっても、業者が限られている」と説明する。現在は奥能登まで数時間かかる金沢に宿泊している作業員が多く、移動時間を短縮するため、宿舎や物資輸送の中継点を設ける考えだ。 石川県の発表では20日午後2時現在、死者は前日と同じ232人。地震のためとは断定できないが連絡がとれない安否不明者は、計22人となっている。(朝倉義統、伊藤智章)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「なかったら寂しいやんか」 2次避難進む集落 唯一の魚屋は再開へ

 能登半島地震で多くの家屋が倒壊し、津波の被害を受けた石川県能登町の松波地区。20日、「魚正鮮魚店」の梶山浩一さん(76)は、腐ったブリや干物を冷蔵ケースから取り出し、ゴミ袋に移していた。幸い店舗は倒壊を免れたが、店を再開したとしても、周辺は2次避難が進み、住民が戻る時期も分からない。それでも、梶山さんは「店をやめるつもりはさらさらない。やる気満々」と笑う。 梶山さんが魚正を創業したのは1980年ごろ。当時、奥能登は観光バブルに沸き、旅館や民宿などから注文が相次ぎ、寝る間も惜しんで働いた。バブルの終わりとともに徐々に観光客も減り続け、現在地区に残る個人商店は魚正のみになったという。 子どもの数もみるみる減り、「このままじゃつぶれる」と集落の未来には悲観的だった。そこに今回の地震が襲った。津波で多くの漁船が損傷し、市場も開く見通しは立たない。それでも、「いつか年寄りが帰ってきたとき、魚屋でもなかったら寂しいやんか。もうからんでも、店先で話し相手になれればそれでええ」と話す。断水が解消されれば店を片付け、再開の準備を始めるつもりだ。(細川卓)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「なかったら寂しいやんか」 2次避難進む集落 唯一の魚屋は再開へ

 能登半島地震で多くの家屋が倒壊し、津波の被害を受けた石川県能登町の松波地区。20日、「魚正鮮魚店」の梶山浩一さん(76)は、腐ったブリや干物を冷蔵ケースから取り出し、ゴミ袋に移していた。幸い店舗は倒壊を免れたが、店を再開したとしても、周辺は2次避難が進み、住民が戻る時期も分からない。それでも、梶山さんは「店をやめるつもりはさらさらない。やる気満々」と笑う。 梶山さんが魚正を創業したのは1980年ごろ。当時、奥能登は観光バブルに沸き、旅館や民宿などから注文が相次ぎ、寝る間も惜しんで働いた。バブルの終わりとともに徐々に観光客も減り続け、現在地区に残る個人商店は魚正のみになったという。 子どもの数もみるみる減り、「このままじゃつぶれる」と集落の未来には悲観的だった。そこに今回の地震が襲った。津波で多くの漁船が損傷し、市場も開く見通しは立たない。それでも、「いつか年寄りが帰ってきたとき、魚屋でもなかったら寂しいやんか。もうからんでも、店先で話し相手になれればそれでええ」と話す。断水が解消されれば店を片付け、再開の準備を始めるつもりだ。(細川卓)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

二階派の山梨県知事もノルマ超過分を不記載 1182万円分を修正

 山梨県の長崎幸太郎知事は20日、衆院議員時代から所属する自民党二階派(志帥会)から2019年にパーティー券売り上げのノルマ超過分として現金1182万円を受領しながら、自身が代表を務める資金管理団体「日本金融経済研究フォーラム21」の政治資金収支報告書に記載していなかったことを明らかにした。 長崎氏が同日、記者会見を開いて明らかにした。19日付で過去3年分の政治資金収支報告書を訂正したといい、「過去の処理と管理態様が極めてずさんだった」と謝罪した。 長崎氏によると、不記載だったのは19年5月に行われた二階派のパーティー券売り上げのノルマ超過分の一部。同年8月に派閥から現金1182万円を受け取り、「処理方針が未確定の預かり金」として事務所の金庫で保管。収支報告書にどう反映させるか指示を待ったまま失念したという。事務所の「裏金」として使う意図や使われた事実はないとし、「中抜き」もなかったと説明した。 長崎氏自身も現金の受領は認識していたといい「本来なら、志帥会に早期に処理方針について問い合わせるとか、グレーなお金は受け取れないとして返還するなどすべきだった」と述べた。多額の現金を保管したまま、5年近く処分未確定のまま失念していたことについては、「恥ずかしい限りだ」と話した。 再発防止策として、資金管理…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

母の遺骨探して、「途方に暮れている」 倒壊した輪島の自宅で

 能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市中心部では20日、避難先から被災した自宅に戻り、片付けや大切な物を探す人の姿が見られた。 午前中、竹中正治さん(62)は道路をふさぐように倒壊した同市鳳至町の自宅を訪れた。昨年3月に亡くなった母親の遺骨を探したが、屋根が崩れ落ち、めちゃくちゃになった家の跡から見つけ出すのは厳しく、一緒に避難する妻の黒いマフラーを持ち出すのが精いっぱいだった。「途方に暮れている。家を早く片付けたいが、一人では難しい」 日没後、同じ町内の自動車整備業の男性(41)は、大きく傾いた真っ暗な自宅内で、ライトを持って片付けをしていた。元日の地震発生前、新年のあいさつ回りで着用したスーツを見つけた。「酒のマイカップや、自分たちが使っていたものがつい目に入ってしまう。息子の太鼓のバチを探している」と話していた。(長島一浩)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル