英語(リーディング)例年通り、様々な場面設定の英文が出題された。英文の総語数は昨年から150語弱増加して約6200語となった。素早く情報を読み取る力が問われている。―概評―個々の設問形式は変化があるものの、全体としては例年通り、多様で分量の多い英文が出題された。本文と設問および選択肢などを合わせた総語数は約6200語で、過去2年の本試の約6千語を上回った。分量の多い英文中から必要な情報を効率良く見つけ出す力が問われている。【大問数・設問数・解答数】・昨年と同じく6。・昨年と同じく39。・昨年と同じく49。【問題量】・英文、リード文、図表などの総語数は昨年から約300増の約4700語。設問文、選択肢などの総語数は昨年から約150減の約1500語。【出題分野・出題内容】・ブログ・広告などの日常的素材から資料・論説文まで、様々な英文を題材とした問題が出題された。・例年同様、一部の問題ではイギリス英語特有の表現やスペリングが含まれる英文が出題された。【出題形式】・例年同様、大問数は6。第4問と第5問以外はAとBに分かれており、計10の問題が出題されている。・例年同様、四つの選択肢から適切なものを一つ選ぶ4択式の問題の出題が中心ではあるが、選択肢を時系列順に並べ替える問題、当てはまる選択肢を複数選ぶ問題なども出題された。―難易度(全体)―昨年と比較して、主に第5問で語数が増加し、本文と設問などを合わせた総語数は約150語増の約6200語となった。分量増加により読解の負担がやや増えたものの、設問の形式や選びやすさは大きく変わらず、難易度は昨年と同程度だと思われる。―設問別分析―第1問・小問A チラシ(本文214語/設問64語) 難易度:やや易・小問B 観光ツアーの情報(本文265語/設問102語) 難易度:標準Aは「国際交流イベント」についてのチラシ、Bは「三つの観光ツアー」についての情報を題材にした問題であった。設問数はそれぞれ2問と3問である。Aは、昨年に比べ分量が増えているが、該当箇所を見つけるのはさほど難しくない。Bは、いずれの設問も三つの観光ツアーの内容を横断的に読み、解答する必要があった。A・Bとも英文は平易で、解答に迷う設問も少なく解きやすい。第2問・小問A チラシ(本文197語/設問170語) 難易度:やや易・小問B レビュー(本文314語/設問208語) 難易度:標準Aは「戦略ゲームクラブ」のチラシ、Bは「海外旅行保険」についてのレビューを題材にした問題であった。設問数はそれぞれ5問で、形式的には昨年から大きな変化はなく、A・Bともに本文中の意見に関して問う問題が出題された。またA・B両方で、本文に書かれていない内容の選択肢を選ぶ問題も出題され、本文の情報を満遍なく読み解く必要があった。Aは語数が減り、内容も平易だった。Bは一部分かりにくい選択肢が含まれていたものの、全体的には解きやすい問題だったと言える。第3問・小問A ブログ(本文273語/設問67語) 難易度:標準・小問B 校内新聞(本文352語/設問159語) 難易度:標準Aは「フォトラリーイベント」についてのブログ、Bは「バーチャル校外学習」についての記事が題材で、設問数はそれぞれ2問と3問だった。昨年と同様に、Aではイラストを選択する問題、Bでは時系列順に並べ替える問題が出題された。A・Bともに英文は読みやすいが、どちらにもコメントを考えたり、並べ替えたりするという出題があり、本文の内容をもとに推測するという思考力を問われた。第4問・記事とアンケート結果(本文689語/設問137語) 難易度:やや難「よい教室の空間デザイン」について書かれた記事などを題材にした問題である。二つ目の文章は、英語部員が回答したアンケート結果をまとめたものである。最後に、両方の記事をまとめたディスカッション資料が設けられている。記事自体は理解しやすいが、両方の文章に基づいて細かい内容を問う問題が多く、情報を丁寧に整理する能力が求められる。第5問・物語文(本文927語/設問214語) 難易度:やや難昨年と同様に、英文を読んで資料の空所を埋める問題であった。昨年は高校生が書いた自身についての物語文であったが、今年は3人の男女を題材にした高校卒業後の物語だった。設問数は5問。昨年と比較すると物語文の語数は150語程度増加した。英文の内容は比較的平易であるが、昨年は1人の人物を中心に物語が進行していたのに対し、今年は3人の人物に関する情報が文章各所に点在しており、内容の整理がやや難しかったと思われる。文中の出来事を時系列に並べる設問には、昨年と同じくダミーの選択肢が一つ含まれていた。第6問・小問A 説明文(本文676語/設問145語) 難易度:やや難・小問B 説明文(本文835語/設問208語) 難易度:やや難A・Bともに説明文を題材にした読解問題であった。Aは「時間の知覚」が題材で、設問数は4問だった。問3・4は本文中で説明されている用語に当てはまる具体例として適切なものを選ぶという設問だが、解答に関係するキーワードが太字で表記されていることもあり、解答根拠となる箇所を見つけやすい。Bは昨年と同様、プレゼンテーション用スライドの空所を埋める問題であった。英文は「トウガラシ」に関するもので、設問数は5問だった。問4は細かい指標の説明を踏まえなければ誤りの選択肢を選んでしまうため、やや難しい。(代々木ゼミナール提供)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル
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