このところの冷え込みの影響で東京都内のサクラの開花が遅れている。気象情報各社の多くも平年並みの24日ごろと予想していたが、ソメイヨシノの標本木(千代田区・靖国神社)の開花はまだ。皇居周辺では早咲きのサクラに足を止めて見入るランナーらの姿も見られた。 都内有数の名所、目黒区の目黒川沿い。だが、23~24日に中目黒駅前商店街振興組合が開いた「中目黒桜まつり」は肩すかしを食らったかっこうとなった。 今年で38回目。開花時期が早まった最近は3月下旬に開催日を定め、今年も早めの開花を想定していた。本橋健明(けんめい)理事長は「祭りの日にすでに花が散ってしまったことはあったけれど、開花前なんて初めてかもしれない」と驚く。 それでも大勢の人が繰り出し、地元の学校や団体の演奏や踊りを楽しむ一方、「来週また来ようかな」との声も聞かれた。 昨年は全国的に記録的な早さで開花し、東京も3月14日だった。今年はもう少しかかりそうだ。(中山由美) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
リズムゲーム機の楽曲を複製 中国人の男を著作権法違反容疑で逮捕
リズムゲーム機の楽曲データを無断で複製したとして、大阪府警は、中国籍の無職の男(21)を著作権法違反(複製権の侵害)の疑いで逮捕し、24日発表した。府警は認否を明らかにしていない。 阿倍野署によると、男は氏名不詳者と共謀。20日午後4時ごろ、大阪市阿倍野区のゲームセンターで、ゲーム大手「セガ」製のリズムゲーム機から6曲の楽曲データをパソコンを使って無断で複製し、セガの著作権を侵害した疑いがある。 署は昨年11月、セガ側から「同3月ごろから複数回楽曲データが盗まれている」と被害相談を受け、捜査を進めていた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「人が裁くのだから冤罪は起こる」 日野町事件を追った元記者に聞く
1984年に発生した滋賀県日野町の強盗殺人事件(日野町事件)について、元毎日放送記者の里見繁・関西大名誉教授(72)は有罪判決の確定前から取材を続けてきた。冤罪(えんざい)をテーマに多くのドキュメンタリー番組も制作してきた。裁判所について「裁いているのは僕たちと同じ人間。間違い得るということを知ってほしい」と語る。 知らなかった取り調べの実態 ――冤罪に関心を持ったきっかけは。 大阪府高槻市の選挙違反事件を取材し、91年に「全員無罪~147人の自白調書」という番組をつくりました。これが冤罪との出会いです。 86年の参院選をめぐり、大阪府警が元高槻市議を公職選挙法違反容疑で逮捕し、146人に略式命令が請求された事件。正式裁判を求めた135人のうち、死亡したり病気で裁判を欠席したりした人を除く122人全員に無罪が言い渡され、91年3月に確定した。自白の信用性が争点となり、大阪地裁は「各被告の自白は不自然に変遷し、相互に矛盾している」と結論づけた。 高槻に入り、20人くらいに話を聞いたと思います。でも、全員が事件について「根も葉もないことだ」と言うんです。 ではなぜ「自白」したのか。取材で聞いたのは、「脅された」「真夏に冷房のない部屋で10時間以上取り調べられた」といった証言でした。 大阪府警の捜査1課担当もしたのに、取り調べの実態をまったく知らなかったのです。「自白」って、取調室でつくられるフィクションみたいなところがあるんじゃないかと思いました。 初対面は「おっちょこちょいのおじいちゃん」 ――日野町事件の取材を始めたのは、弁護団が上告審の対応に追われていた98年の暮れと著書にあります。 事件のことは、(冤罪事件の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道駒ケ岳で火山性微動を観測、2001年1月以来 札幌気象台
札幌管区気象台によると、北海道南部の森、鹿部、七飯の3町にまたがる北海道駒ケ岳(標高1131メートル)で23日未明、火山性微動が発生した。24日午後4時現在、1929(昭和4)年の大規模噴火でできた火口から、時折ごく弱い噴気が確認されており、火山活動がさらに高まる可能性があるとして、注意を呼びかけている。 火山性微動は23日午前2時33分ごろから約1分40秒間続き、火口付近で傾斜変動が観測された。24日午後3時までの時点では、新たな火山性微動は発生していない。 駒ケ岳で火山性微動を観測したのは2001年1月17日以来。昨年12月以降、火山性地震が通常より多い状態が続くなど、火山活動がやや活発化しているという。 気象台は噴火警戒レベル1の「活火山であることに留意」を継続するが、火山活動が活発化した場合は、レベル2の「火口周辺規制」に引き上げる可能性があるとしている。(野田一郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
学生提案、岡崎農産物で料理本 愛知学泉短大とJAがコラボ 愛知
JAあいち三河は、栄養士を目指す愛知学泉短期大学(愛知県岡崎市)の学生と協働し、地元農産物を使った創作料理のレシピ本「おかざき秋冬野菜レシピ」を作成した。市内外の消費者に新たな調理方法を提案するとともに地産地消、地域農業の活性化につなげるのが狙い。 レシピ本は、産学連携協定を結ぶ同短大食物栄養学科の2年生78人が協力。同JA管内の秋冬旬野菜をベースに、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて廃棄していた野菜の茎や皮をいかすほか、岡崎市内の特産品(八丁味噌〈みそ〉や宮崎茶)を使用することをテーマに掲げて、創作料理16品のレシピを考案した。 本には「自然薯(じねんじょ)と煎茶のチヂミ」「岡崎おうはん(鶏肉)とキャベツのごま味噌炒め」など12品が掲載されている。 「なす八丁味噌グラタン」を考案した松田優花さん(20)は「ナスのへたをなるべく捨てないように工夫した。みそ味が際立つように余計な味付けを省いた。手軽にできるので家庭でつくってほしい」とPRする。 中根実咲さん(20)は、あいちの伝統野菜になっている法性寺ねぎをふんだんに使った「ねぎ塩れもん岡崎おうはん丼」をつくった。「皮付きレモンのさっぱり感と弾力のある岡崎おうはんをがっつり味わってほしい。食品ロスや地産地消に貢献でき、食べた人が笑顔になってくれれば」 レシピ本はA5判、14ページ。500部を作製し、同JA産直店舗などで無料配布する。考案した料理は産直店舗「おかざき農遊館」内飲食店での販売も検討している。(松永佳伸) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
還暦過ぎて資格取得、司書として働く丸山重治さん 塩尻市立図書館
長野県の塩尻市立図書館に30人いる司書の中で最高齢。だが、キャリアはまだ2年半に満たない。そもそも丸山重治さん(62)が司書の資格をとったのは還暦を過ぎてからだ。 きっかけは55歳のとき、勤め先の会社で定年後の生き方を考えるセミナーに参加したことだ。 高校を出てずっと、県内の精密機器工場で技術者として働いてきた。定年は60歳。最長5年の再雇用期間もあるが、「やり切った」との達成感を覚えていた。 「人生の残り時間は少ない。違う世界に触れてみたい」。持ち前の飽くなき向上心に火がついた。危険物取扱者など10種類の資格を取得した。 幼い頃、母親が買ってくれた世界文学全集は宝物だった。小学校では率先して図書委員になった。大好きだった書物と関わる仕事に就いてみたいとも思うようになった。 定年目前の2021年1月から近畿大短期大学部の通信教育部で学び直し、司書の資格を取った。同年10月、塩尻市立図書館に採用された。 現在は農林水産業などに関する新刊の選書や、同市の特産品でもあるワインに関する特設コーナーの企画などを任されている。同図書館最大の企画でもある、作家やジャーナリストらの講演を通じて本の魅力を発信する講座「本の寺子屋」の運営にも関わっている。 司書といえば「カウンターで本を貸してくれる人」というイメージだった。 しかし実際に働いてみると、「SNSで拾った情報ではなく、官公庁の刊行物や新聞など正しく裏付けのある情報を、情報が欲しいと考える利用者につなぐこと」が重要な役割だと思うようになった。 「最低でも10年は情報のコンシェルジュとして元気に働き、多くの利用者の役に立ちたい」(安田琢典) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
保護者の意見は「学校の外」の窓口へ 「先生は矢面に立たせません」
「『うちの子どもがおたくのクラスの生徒ににらまれた』と日付が変わるまで電話で怒鳴られた」 「子どもが家で壁を蹴って穴を開けたことを『学校によるストレスだ』と。家に呼び出された」 「年度末の大掃除。『まだ寒い時期に教室の雑巾掛けをさせる意味がわからない』と1時間半にわたり詰められた」 あなたが理不尽と感じた保護者からのクレームとは――。 奈良県天理市が昨秋実施した市立小中学校の教職員アンケート(回答120人)には、悲鳴のような訴えが多数つづられていたという。 市によると、保護者対応が直接・間接的な原因となって今年度に退職した教員は6人、休職も8人を数えた。 この現状を目の当たりにして、教育実習生が教職の道をあきらめてしまわないか。教員が責任の重い管理職を避けてしまうのではないか。そんな懸念があったそうです。 「先生は矢面に立ちません、立たせません」 天理市の並河健市長は昨年11月の会見で、こう宣言した。 「保護者の満足度も高まる」 なぜ? 明らかにしたのは、保護者対… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ありがとう」言わせたくて妻を殴った 「男道」にしばられていた俺
「笑顔の絶えん家庭をつくろうな」 結婚前に口にした言葉。それを責められるなんて、思いもしなかった。 2000年1月、京都市中心街のライブハウス。男性(55)が演奏を終えたとき、客として来ていた妻(47)と出会った。 ビール片手に打ち解けた。お互いに一目ぼれのような恋の始まりだった。 02年6月に結婚。関西地方の郊外の一戸建てに移り住んだ。 しかし、結婚生活は予想外のことばかりだった。 交際中に男性が就職した運送会社は、異常な長時間労働が当たり前だった。午前5時に家を出て、深夜に帰る。家ではほとんど寝て過ごした。 妻は家で一人きり。でも、男性は「仕事についていくのに必死。妻のことを思いやる余裕などなかった」と振り返る。 どんなに帰りが遅くても、妻は結婚前の約束を守り、豪勢なおかず6品を並べて待っていた。男性は「そこまでしなくとも」と恐縮したが、彼女はかたくなだった。 幸せになるために、人生をともに歩むと決めたはず。でも、パートナーとの毎日が思い描いたものにならない人もいます。苦しみの原因は、改善策は。たくさんの「ふたりのかたち」を通して考えます。 半年ほどたつと、妻は違う顔を見せるようになった。 ある夜、突然、「もうご飯つくれへん」と泣き出した。男性は「そんなすごいもん、つくらんでええから」と慰めた。 子どもの前でも殴り合った 帰宅すると、妻が酔っていることが多くなった。食べたものを風呂場で嘔吐(おうと)することも目立った。当時はまだ診断は受けていなかったが、学生時代から摂食障害とアルコール依存症を抱えてきたと知った。 しだいに妻は深酔いを隠さな… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
缶酎ハイが「杖」だった主婦 夫と子どもに暴言を吐いた私の今
あかん。あかん。これで最後にしよう。 一人きりのリビングで、缶酎ハイのふたを開ける。罪悪感を消したくて、のどに流し込む。 関西地方の女性(47)にとって、専業主婦の生活は想像以上に孤独だった。 独身時代に勤めた会社をやめて、2002年6月、夫(55)と暮らし始めた。激務で帰れない彼。知らない街。やることがない暮らし。 寂しくて長すぎる1日を、食べて吐き、飲んでやり過ごすしかなかった。 結婚前は、両親と兄の4人家族。長男だからと大切にされた兄と違って、女性にはかわいがってもらった記憶がない。父とは会話すらあまりなかった。母は父の言うことを聞くだけだった。 「私は誰からも愛されない」「人から嫌われている」。そんな思いが消えないまま成長した。 幸せになるために、人生をともに歩むと決めたはず。でも、パートナーとの毎日が思い描いたものにならない人もいます。苦しみの原因は、改善策は。たくさんの「ふたりのかたち」を通して考えます。 高校時代、「やせたら好かれるかも」とダイエットしたのをきっかけに、食べ吐きをやめられなくなった。 大学に入るとコンパで酒を覚えた。人と話すことが苦痛だったけれど、飲んでいれば苦しまずに話ができた。 「背中を天使が通った」出会い 23歳のとき、京都市内のラ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「博士の愛した数式」小川洋子さんが講演 AIの可能性を問われると
「博士の愛した数式」などで知られる兵庫県在住の作家・小川洋子さんの講演会が23日、明石市であった。全国から集まった約280人の参加者の質問に答えながら、文学との出会いや執筆の裏話について話した。 明石市文芸祭の第50回を記念し開かれた。「今は長編を書きあぐねている」「スラスラ書けるということは35年書いてきて一度もない」と、執筆活動についても率直に語った小川さん。文芸作品を創作する人へ、「言葉でしか伝えられない、言葉以外のものを伝える力が言葉にはある。効率や数字を求められる中で、それとは全く無縁の世界に喜びを持てることで、人生がとっても豊かになる」とエールを送った。 文学に対するAIの可能性に… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル