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従軍看護婦の「母」涙の別れ 樹齢100年、日赤大分県支部の松伐採

【動画】日赤の従軍看護婦たちが「母なる松」と慕った松が伐採された=神崎卓征撮影 戦地から故郷に帰還した従軍看護婦から「母」と慕われてきた日本赤十字社大分県支部の松が害虫の被害により枯れ、3月18日夜に伐採された。看護婦らの心の支えだった松の最期。大分赤十字病院の元看護部長は、涙を浮かべながら見守った。 日本赤十字社によると、1937(昭和12)年7月から45(昭和20)年8月の間に、全国から看護婦2万9562人、婦長1888人が従軍看護婦として派遣された。九州からは看護婦4526人と婦長252人が、中国や東南アジアの戦地や病院船などに赴き、傷病兵の看護に当たったという。九州の各県の日赤支部の記録によると、このうち176人が殉職。戦闘に巻き込まれたり、激務の中で病気になったりして命を落とした。戦地の劣悪な環境の中、栄養失調で亡くなった従軍看護婦もいたという。 松は、死線を越えて帰還した…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

子どもへのわいせつ 登録取り消し保育士のデータベース、運用を開始

 こども家庭庁は、子どもにわいせつな行為をし、保育士の登録を取り消された人の名前などを保育施設が照会できるデータベースの運用を4月から始めた。保育施設に対し、雇用時の確認を義務づけることで、子どもの安全を確保するねらいがある。 データベースに掲載されるのは、子どもへのわいせつ行為や盗撮など、教育職員性暴力等防止法に規定する「児童生徒性暴力等」の行為をし、保育士登録を取り消された人の記録。記録は少なくとも40年間残る。4月1日時点で97人分が集まったという。 保育士が国家資格になった2003年以降の記録を、同庁が都道府県から集めた。刑事処分にならなくても、都道府県がわいせつ行為と認定し、取り消したケースも含まれる。都道府県は今後、保育士の登録を取り消すたびにデータベースに追加していく。 保育士登録は、1度取り消されても、最短で3年が経過すれば再登録が可能になる。同庁はデータベースを活用することで、子どもの安全を確保したい考えだ。 保育士の雇用時に、データベ…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

千葉地検管内の不起訴率 昨年は7割に 識者が問う説明責任のあり方

 昨年1年間に千葉地検と県内の区検で処分された事件のうち、7割の2万5488件が不起訴処分だったことが朝日新聞の取材でわかった。不起訴になる割合は3割だった1990年から34年間で40ポイント上昇した。背景には「交通事件」で不起訴になる割合の急激な増加がある。 法務省の検察統計年報によると、道路交通法などに違反した交通事件で不起訴になる割合は、90年に6%。2000年代になって急増し、23年は69%に達した。 一方、殺人や強盗、窃盗などの刑事事件は1990年以降、60~70%台で推移してきた。 検察官が事件を不起訴にする理由は主に3種類ある。罪は成立するが、悪質性が低いとして起訴を見送る「起訴猶予」と証拠が足りず、犯罪の疑いが弱いと判断する「嫌疑不十分」、犯人ではないことが明白な「嫌疑なし」だ。 犯罪白書などを作成する法務…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

収穫少ない裏年だけど「味は良い」 岐阜・中津川でタケノコ出荷開始

 岐阜県中津川市瀬戸の特産品「瀬戸の筍(たけのこ)」の収穫・出荷作業が始まった。 瀬戸の筍は、あくが少なく、身が軟らかいのが特徴で、岐阜県から「飛驒・美濃伝統野菜」として認証を受けている。 市筍生産組合によると、昨年は50トンを出荷したが、今年は収穫量が少ない「裏年」にあたり、20トン程度の見込みだという。 田口義久組合長(65)は「収穫量は少ないが、2月、3月に雨が多かったこともあり、土の中でタケノコが大きく育って味は去年より良い」と話している。 収穫作業は5月1日ごろまでの予定で、主に長野県松本市などに出荷しているほか、宅配も受け付けている。問い合わせは、同組合(0573・69・3437)へ。(寺西哲生)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

販売価格1千万円の純金製茶わん盗まれる 日本橋高島屋「大黄金展」

 11日正午過ぎ、東京・日本橋の日本橋高島屋で開かれていた「大黄金展」の会場で、「商品がとられた」と110番通報があった。警視庁によると、展示されていた販売価格約1千万円の純金製の茶わんが盗まれたという。窃盗事件として捜査している。 高島屋によると、盗まれたのは販売価格1040万6千円(税込み)の24金製の抹茶茶わん。 捜査関係者によると、展示場の一角でプラスチックケースに保管されていた茶わんがなくなっているのに販売員が気づき、通報した。防犯カメラには、11日午前11時40分ごろに男がケースから茶わんを持ち去る様子が映っていた。ケースには鍵やアラームなどはなかったという。 男は20~30代くらいでめがねをかけ、グレーの長袖に黒の長ズボン姿。グレーのリュックサックを背負っていたという。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

原発事故めぐるいわき市民の訴訟、「国の賠償責任なし」確定 最高裁

 東京電力福島第一原発事故をめぐり、福島県いわき市民らが国と東京電力に約13億5千万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第三小法廷(林道晴裁判長)は10日付の決定で、住民側の上告を退けた。東電に約3億3千万円の賠償を命じる一方、国の賠償責任については「事故を防げたと断定まではできない」と否定した二審・仙台高裁判決が確定した。 決定は裁判官4人の多数意見で、上告ができる理由にあたる憲法違反などがないとだけ判断した。行政法学者出身の宇賀克也判事は、上告を受理すべきだとする反対意見をつけた。原発事故をめぐっては最高裁が22年6月、先行した同種訴訟で国の賠償責任を否定したが、その後も各地で国の責任を問う訴訟が続いている。最高裁判決後、同種訴訟が最高裁で確定するのは初めて。 今回の訴訟で、一審・福島地裁いわき支部は21年、国が東電に津波対策を命じなかったのは違法として、国と東電双方に賠償を命じた。だが昨年の高裁判決は、最高裁判決に沿って東電のみに賠償責任を認めた。住民側1339人が国についてのみ上告していた。(遠藤隆史)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

卓上のヒットマンがレール外れる決意をした日 麻雀へのポリシー

 187センチの長身に切れ長の目。麻雀(マージャン)プロMリーグの渋谷アベマズ所属、松本吉弘プロ(31)はその容姿とバランス型の麻雀から「卓上のヒットマン」と呼ばれる。 その松本プロが、敷かれた「レール」を外れる決意をした日がある。 麻雀との出会いは、中学生時代に読んだ漫画「ドカベン プロ野球編」だった。「プロ野球選手たちがオフのキャンプで麻雀をやっていたんですよ。大人の遊びの感じがかっこいいなって」 パソコンをさわる「情報」の授業中、ルールを検索した。高校生になると、所属していた野球部が休みの日にテニス部の部室で先輩に教えてもらったり、同級生と打ったりと徐々にはまった。高校の卒業式を終えた翌日には、雀荘(じゃんそう)のアルバイトを始めていた。 青山学院大3年時に「日本プロ麻雀協会」のプロ試験に合格。24歳で「最高位戦日本プロ麻雀協会」のタイトル「發王位」を獲得して頭角を現した。知的でありつつ、度胸なども試されるゲーム性にのめりこんだ。 神奈川県の厳格な家で育った。兄は銀行員、姉は薬剤師。自身も中学受験で中高一貫の進学校に合格。青学にも現役で入った。 麻雀は、親には反対されていた。雀荘があるビルに入っていく姿を親に見られた時は、同じビルに入るアニメグッズ専門店が好きなことにした。協会のホームページに名前が載っているのが親に見つかり、「今から協会に電話するから」と言われたこともあった。「かたいレールが敷かれた家だったので、異端児で逸脱している、と認められなかったのだろう」と振り返る。 大学を卒業してインテリアの…この記事は有料記事です。残り1048文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

本屋大賞「成瀬は天下を取りにいく」 作品舞台の大津から喜びの声

 今年の本屋大賞に、宮島未奈さんの「成瀬は天下を取りにいく」(新潮社)が選ばれた。小説の舞台は大津市。地元からは喜びの声が上がった。 JR膳所駅には、「ようこそ! 成瀬の住むまち、びわ湖大津へ!」というメッセージが書かれた看板が1日から設置されている。主人公の成瀬あかりらの絵も看板に描かれている。 10日午後、地元のまちづくり協議会のメンバーらが看板の前に集まり、受賞を喜んだ。小説に登場するプロ野球・西武のユニホームを着た吉村和代さん(43)は「勇気を頂いた。先生を応援しつつ、私たちも地域活性化をがんばりたい」。 著者の宮島さんは大津市在住。物語には、2020年に閉店した百貨店「西武大津店」や琵琶湖の観光船「ミシガン」などが登場する。本は売れ行き好調で、今年1月には続編「成瀬は信じた道をいく」を出した。 地元は「成瀬人気」に注目。ミシガンを運航する琵琶湖汽船は続編刊行を記念し、作品にちなんだ特典やプランを用意したキャンペーンを5月6日まで行っている。担当者は「(ファンがゆかりの地を巡る)『聖地巡礼』で、ミシガンに乗船する人が増えている」。 県は6月末まで、ゆかりのスポットを巡るデジタルスタンプラリーを開催中。今月から始めたが好評だという。三日月大造知事は「受賞を機に、滋賀の魅力がさらに広まり、地域の魅力向上や観光の振興につながっていくものと期待している」とのコメントを出した。(仲程雄平)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「ありがとう」 小豆島中央高校生、島を離れる先生へ港からエール

 香川県立小豆島中央高校(小豆島町)の生徒らが8日、同町の池田港で離任する教職員らを見送った=写真、中塚正春撮影。 生徒約150人が集まり、お世話になった教職員への思いを込めて、横断幕を掲げたり、応援団がエールを送ったりした。今春異動する教職員11人のうち、6人が乗ったフェリーが港を離れた後も、生徒らは岸壁から「頑張って」「ありがとう」と叫びながら見送った。 花束を渡した2年の佐々木妃莉(ひかり)さん(16)は「文化祭でたくさん話をして、色々なことの指導を受けました。感謝しています」と話した。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

紅麹で回収、福祉施設で手作りのサブレまで 「非常に残念」と落胆

 小林製薬が販売した紅麴原料を使ったサプリメントで健康被害が報告されている問題の影響は、食品を専門にあつかう企業以外にも広がっている。障害者による手づくりのお菓子も自主回収する事態が起きている。 京都市は、市の委託で運営している「はあと・フレンズ・ストア」(京都市中京区)など計7店舗で販売したサブレに、着色料として小林製薬の紅麴が使われていたと5日に発表した。健康被害が生じたものとは異なる品番を使用したというが、予防措置として自主回収するという。 製造元の障害者福祉施設「西寺育成苑」(南区)によると、このサブレは、知的障害のある11人の利用者が焼き上げたものだ。利用者が接客・販売を担当することもある。季節ごとに異なるデザインで販売し、昨年度は1袋300円で計73袋を売り上げたという。 同施設では部品の組み立て作業なども請け負っているが、サブレの製造・販売は直接購入客と接する機会が多く、特に「喜び、充実感を感じやすい仕事」だという。 施設利用者が動揺する可能性があるため、自主回収を伝えることは控えているという。施設管理者の男性は「せっかく利用者さんが頑張ってつくったものを販売することができない事態になってしまい、非常に残念」と話した。(武井風花)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル