秋篠宮さまが皇位継承順位1位の「皇嗣(こうし」となられたことを内外に示す「立皇嗣(りっこうし)の礼」の中心儀式「立皇嗣宣明(せんめい)の儀」が8日、皇居・宮殿「松の間」で執り行われる。秋篠宮さまにゆかりのある人たちがお祝いの言葉を寄せた。 ■恩賜(おんし)財団済生会・炭谷茂理事長(74) 《被災地、医療従事者への思い『行動』で示され》 「すぐにでも現地へ行き、被災者を激励したい」 災害時、被災地で対応に当たる済生会の病院や福祉施設の状況報告に宮邸に上がると、秋篠宮さまは、そうおっしゃる。そして平成28年の熊本地震や、30年の西日本豪雨などの被災地に実際に足を運び、関係者をねぎらわれてきた。 西日本豪雨で被災した広島の特別養護老人ホームを訪問された時のことだ。最高齢の女性が、秋篠宮さまだと分からずに「あなたはどこから来たんですか」と尋ねたことがあった。秋篠宮さまは「東京から来ました」と優しく応じ、顔を近づけて励まされていた。 こうした訪問では、現地に負担をかけないように気遣われる。県知事ら自治体側の出迎えは遠慮し、ご移動もわれわれと同じマイクロバス。食事もレストランを手配しようとしたら、コンビニエンスストアのお弁当を「これで十分」と召し上がったこともあった。 明治44年に恩賜財団として創立された済生会の原点は、生活困窮者に医療を提供しようと、明治天皇が発した「済生勅語(さいせいちょくご)」だ。秋篠宮さまは平成25年に総裁に就任して以降、「社会で最も困難な状況にある人を救う」というその理念を体現されている。被災地ご訪問はその一例だ。 今回の新型コロナウイルス感染症でも、職員らに対して5月、激励のメッセージを頂いた。また、病院で医療用防護服が不足していると知り、ご家族や側近とともに手作りした防護服500着を届けられた。言葉だけでなく、行動でもお気持ちを示された。 家族や地域のつながりが薄れ、弱い立場の人が孤立しやすい現代において、済生会の役割はますます重要になっている。高齢者の孤独死や児童虐待などの問題は深刻化している。 皇嗣となった秋篠宮さまが、今後も済生会の総裁として、困難を抱えている人たちの実情に触れられることは、非常に意義深いことだと思う。 ■山階(やましな)鳥類研究所理事長・壬生基博(みぶ・もとひろ)さん(71) 《豊かなご人脈、研究所を後押し》 山階鳥類研究所は昭和7年、当時皇族だった山階芳麿(よしまろ)博士が創設した皇室にゆかりの深い研究所だ。秋篠宮さまは昭和61年に総裁に就任し、幅広い知識と高い見識、豊かな人脈で研究所に貢献されている。皇嗣となられた後も時間の許す限り所員会議に出席し、所員との忌憚(きたん)のない意見交換に加わっておられる。 私の母は昭和天皇の長女で、天皇陛下と秋篠宮さまとはいとこの間柄。幼いころからテニスをご一緒してきた。秋篠宮さまはお若いころから、赤坂御用地のテニスコートに知人や研究者らを招いて交流の場を作られた。上皇ご夫妻、天皇陛下も参加され、豊かなネットワークを築かれてきた。…
4 ans Il y a