‟遊水地”整備で農地失うが…「一番重いのは人の命」大規模な浸水被害を防ぐため【福島発】(FNNプライムオンライン)
浸水被害を繰り返さないための“遊水地”記録的な雨量となった2019年の東日本台風では、支流を含んだ阿武隈川の堤防が31カ所も決壊し、大規模な浸水被害につながった。 このような被害を繰り返さないために、国が整備を目指すのが「遊水地」。 【画像】地権者代表として反対したが…必要性から整備へ 普段は公園やテニスコートなどとして使用。 大雨の際、低くしておいた堤防からわざと水をあふれさせ、遊水地に一時的に溜めることで、下流に流れる量を減らす治水対策の1つ。 国は新たに、阿武隈川の上流部に位置する福島県の玉川村・鏡石町・矢吹町の3町村に2028年度までに、それぞれ1カ所ずつ整備を目指している。 東京大学客員教授 松尾一郎氏(防災行動や危機管理の専門家「防災マイスター」): 治水対策とは、氾濫や決壊が起こると被害が甚大な地域において、川の水位を下げるための対策なんですね。 そのため流域治水では、河川にたまっている川底の土砂を取って水位を下げたり、上流にダムや遊水地を作ったり。 それでも対策が取れない場合は堤防のかさ上げなど、さまざまなことをやっていく。 川に隣接して、遊水地が出来るような広い場所が用意できて、地元のみなさんの協力が得られれば、比較的短い時間で設置できる。効果のある対策と考えている“遊水地”整備に向けては地権者の理解が欠かせないが、反対運動も空き地や耕作地、公園などを使い、河川の水をわざと氾濫させて水をためる… 洪水調整機能を持った「遊水地」整備に向けては、地権者の理解が欠かせない。 国が県内で唯一整備した、一番でも反対運動が起きていた。 阿武隈川の氾濫を防ぐため、800億円もの事業費が投じられた「平成の大改修」の一環で整備された遊水地。 2019年の東日本台風では、東京ドーム2杯分に相当する約260万トンを貯留。…