東京五輪まで1年「国民の協力を」 鈴木俊一五輪相インタビュー(産経新聞)
東京オリンピックの開幕まで24日で1年となる。鈴木俊一五輪相に現在の課題などを聞いた。(甲斐太) 東京都や組織委員会と連携して準備を進めており、国際オリンピック委員会(IOC)から過去の大会と比べ順調との評価をいただいた。新国立競技場は11月に、他の施設も次々と完成する。各地でパブリックビューイングも行う予定で、国家イベントと言っていい。ただ、国民がオリンピックに関わる意識を持って盛り上がらなければ成功にはつながらない。 夏にパラリンピックが同一都市で開催されるのは東京が初めてで、これが成功してこそ大会がトータルとして成功したことになる。正直なところ、国民のオリンピックとパラリンピックに対する関心は差がある。私も車いすバスケットボールなどを体験したが、パラスポーツの疑似体験やメディアなどを通じて大いに関心を寄せていただきたい。 先般、チケット販売が始まり、私もカヌーや柔道など3競技を申し込んだが全滅した。第二、第三のチャンスがあるので、はずれた人はトライしてほしい。 昭和39年、小学5年生のときに前回の東京大会の開会式に行ったが、細かいところまでいまだに覚えている。子供心にも日本という国を誇りに思ったし、大いに感動した。オリンピックにお金がかかるのは事実だが、スポーツと平和の祭典を日本でやることは、お金にかえられない大きな意味があるのではないか。 大会には800万人が来られる。選手や観客をスケジュール通り運ぶとともに、日常生活や経済活動への影響を最小限にすることが大切だ。開幕1年前となる今月24日には、試行的に各省庁の5割が時差出勤やテレワークを行う。交通需要を減らすには国民、特に経済界の理解と協力がなければ実現しないが、これから徹底していきたい。 暑さ対策では、マラソンのスタート時間を午前6時にしたり、コースの道路脇の木陰が利用できるよう枝ぶりなどを考慮するほか、情報の多言語化やアプリを使ったプッシュ型での配信などを行いたい。 今回の大会は復興オリンピック・パラリンピックとの位置付けだが、東日本大震災の被災地では当初、歓迎ムード一色ではなかった。人手や資材が不足する中、復興の足かせになるのではないか、被災地への関心が薄れるのではないかといった空気だった。 私も被災地(岩手県)出身だが、みんながしっかり関わりを持っているんだとの気持ちを持ってもらうため、「復興『ありがとう』ホストタウン」の取り組みを始めた。被災地の食材、木材も積極的に使用し、中身の詰まった大会にしたい。Source : 国内 - Yahoo!ニュース