社会

名古屋城の水堀、舟で周遊はいかが? 就航に向けて社会実験始まる

 名古屋城の水堀を小型の舟で周遊し、お堀や天守を水面から見上げる――。新たな観光の目玉を作ろうと名古屋市は21日、観光船の就航に向けた社会実験をした。2026年のアジア大会までの実現を目指す。 この日、社会実験では12人乗りのモーターで動く小型船に報道陣を乗せ、名古屋城の西南、辰之口から出発。天守と石垣、桜の木が同時に見られるスポットを通り、城の西北を囲う水堀を周遊した。 水の上からしか見られない城の一面がある。高さ約16メートルの西北隅櫓(せいほくすみやぐら)には、石垣を登る敵兵を攻撃するための「石落とし」が設けられ、舟から見上げると真上から石を落とすための開閉式の扉が見える。 江戸時代に水堀を舟が運航していた記録も残り、水堀は城の北東にあった尾張徳川家の専用の庭との往復などに使われたという。 社会実験は22日もあり、有識者らも乗船する。今後、就航に向けて料金や周遊ルートなどの意見を募る。市の担当者は「新たな名古屋城の一面を楽しんでもらえる事業にしたい」と意気込む。(寺沢知海)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

運転記録の提出拒否→生活保護の停止は「違法」 地裁判決に原告喜び

有料記事高橋俊成 山本知弘2024年3月21日 21時15分 生活保護受給者の自動車保有・利用のより柔軟な判断を行政に促す判決だ――車の運転記録提出を拒んだことで生活保護を停止されたのは不当とし、三重県鈴鹿市の親子が処分取り消しを同市に求めた訴訟。21日の津地裁判決は、停止処分を違法と断じ、市に損害賠償も命じた。原告側は判決を喜びをもって受け止めた。 「市には怒りしかなかったが、今日の判決で安心できた」。原告の女性(81)は閉廷後、こう振り返った。原告に名を連ねた次男は入院中。「早く判決を報告したいが、見舞いへ行くにも田舎ではタクシーもつかまらない」と、車所有の必要性を改めてにじませた。 現行の生活保護制度では車の保有・利用に対し、通院や通勤にあたって公共交通機関の利用が著しく困難な場合など、厳格な要件を課す。市は難病を抱える次男の通院に要件を限り、運転記録の提出を求めた。 しかし、市が運転キロ数や経路などの正確な記載まで求めた点を、判決は「過剰だとの疑いがある」と批判。生活保護の停止によって、女性らが健康で文化的な最低限度の生活を維持するのが困難となることを市側は容易に想定できたのに、車を買い物にも利用するという軽微な違反をも硬直的に悪質だと判断する市独自の運用で、漫然と停止処分を出したと結論づけた。 原告側代理人の芦葉甫弁護士は「生活保護受給者が車を保有する際の理由の検討や、保有を認めた受給者にどんな情報提出を求めるのか、枠組みを考える上で先行事例になる」と評価。行政に「受給者の実情に合わせ、より柔軟に車の保有・利用を認めるべきだ」と注文をつけた。 鈴鹿市の末松則子市長は「本市の主張が認められず残念。判決の内容を精査して対応する」とのコメントを発表した。(高橋俊成、山本知弘)生活保護と自動車記録をめぐる訴訟の争点<運転の記録を求めることは妥…この記事は有料記事です。残り196文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「いつまで避難すれば」不安高まる長引く津波、気象庁が見通し充実へ

 気象庁は、地震に伴う津波が長時間続く場合に今後の見通しを解説する情報を充実させる方針だ。津波からの避難を促す一方、「いつまで避難を続ければいいか分からない」といった声に配慮し、先行きを示して不安を軽減させるのが狙いだ。 津波が発生して警報が長引いた際、避難の継続や人命救助活動の判断に役立てるための追加の情報が不足しているとして、気象庁は昨年12月に有識者による検討会を設置。3月21日に了承された方針案では、今後は記者会見などで津波の発生から減衰までの経過や見通しを積極的に発信をすることが決まった。 具体的に追加されるのは、過去の事例と照らした津波の継続見通し▽警報や注意報を継続している根拠▽津波と重なって潮位が上がる可能性のある満潮時刻▽津波の弱まり具合が分かる波形図などだ。例えば、津波の見通しについて「少なくとも1日程度以上」のような表現を使うことになりそうだ。4月中をめどに報告書をまとめる。「解除見通し」は発信せず 検討会では警報解除の見通しや直近の津波高を発信する案も示されたが、「過度な安心情報として捉えられる恐れがある」との意見が出て、盛り込まれなかった。 元日の能登半島地震では、石川県輪島市の大規模火災で「ただちに高台へ避難」などと呼びかける津波警報が出ている中での消火や救助の活動のあり方が課題となった。津波の見通しを示すことで、作業を進める際の判断材料に活用してもらいたい考えだ。(大山稜)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

日本初開催「フォーミュラE」開催前に日産が走行披露 東京・六本木

 電気自動車(EV)のF1といわれる市街地レース「フォーミュラE」の世界選手権大会が日本で初めて開催されるのを前に、東京都港区の六本木ヒルズアリーナで21日、日本メーカーから唯一参戦する日産自動車が電気自動車の走行を披露した。 フォーミュラEは3月30日から開催予定。東京ビッグサイト(江東区)周辺の公道がコースとなり、自動車メーカーや新興EVメーカーなど11チームが参加する。 この日のお披露目では、日産のフォーミュラE「GEN2」が、1周約110メートルの特設サーキットを走行した。ゲストとしてイベントに出演した元乃木坂46で俳優の白石麻衣さんは「車と電気と光の演出がエキサイティング」と驚いていた。東京都の小池百合子知事は「2030年までに都内の新車販売の非ガソリン化100%が目標。ゼロエミッション(排出ゼロ)を加速させたい」と大会に期待を寄せた。 日産の増田泰久マーケティング本部長は大会に向けて、「世界で初めて電気自動車を量産し、スポーツカーメーカーでもある日産自動車の技術と加速力を楽しんでほしい」と話した。(中村英一郎)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

海外ツアー客ら11人搬送、食中毒か ホテル到着前の焼き肉が原因?

 21日午後8時ごろ、兵庫県西宮市内のホテルの従業員から「10人ほどの利用客に食中毒の症状が出ている」と119番通報があった。 西宮市消防局によると、20~60代くらいとみられる男女11人が腹痛や吐き気の症状を訴え、救急隊員が救急搬送にあたっている。命に別条はないという。 11人は台湾からのツアー客で、前日の20日夕に京都府内で焼き肉を食べた後、21日未明になって数人に腹痛などの症状が出始めたという。21日夜にホテルへ到着後、従業員に通報を依頼した。 市消防局は、ホテル到着前の食事が原因の食中毒の可能性が高いとみている。(杉山あかり)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ホーバークラフト訓練中にまた事故 空港フェンスに接触、けが人なし

 大分県交通政策課によると、21日午後2時半ごろ、大分空港(大分県国東市)で操縦訓練をしていたホーバークラフトの2番船「Banri(バンリ)」が、空港内の航走路でフェンスに接触した。 ホーバークラフトには当時、運航会社のパイロット2人と、ホーバークラフトを製造したグリフォン社の教官の3人が乗っていたが、けがは無かった。 接触したのは船体後部のスカートと呼ばれるゴム製の部分で、フェンスの支柱が数本倒れた。船体には問題は無く、西大分港の基地に自力で戻ってきたという。 ホーバークラフトは大分県が3隻を導入し、大分市と大分空港を結ぶことを計画している。当初は今年度中の就航を目指していたが、昨年11月に操縦訓練中の1番船「Baien(バイエン)」が航走路で接触事故を起こして航行できなくなるなど、計画が遅れている。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

最長3時間の指導で「思考プロセス」多用 空将をパワハラで停職処分

 具体性を欠く指導を最長約3時間にわたり繰り返すパワハラをしたとして、防衛省は21日、航空自衛隊の50代の男性空将を停職4日の懲戒処分にし、発表した。「将」は自衛隊で最も上の階級で、陸海空を通じてパワハラで処分を受けたのは初めて。 防衛省によると、空将は昨年8~12月、部下の隊員3人に対して、どういう考え方でその結論に至ったのかを意味する「思考プロセス」「思考過程」という言葉を繰り返し、相手が理解しづらい指導を約1~3時間、20回以上繰り返した。40~50分立たせたままの指導もあったという。 海上自衛隊のセクハラ問題を受け、防衛省が被害申告を呼びかけたハラスメント防止月間の今年1月に申し出があった。空将は「合理的な指導方法と考えており、パワハラと認識していなかった」と話しているという。(成沢解語)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

京都大学が入試で「女子枠」新設へ 理学部と工学部で26年度から

 京都大学は21日、2026年春の入学者向け入試から、理系2学部の総合型・学校推薦型選抜で「女子枠」を計39人分設けると発表した。 枠の内訳は理学部15人、工学部24人。一般選抜の募集人数を減らし対応する。現在、学部生の女性比率は理学部7・9%、工学部10・1%。女子枠を設けることで、開始数年で15%ほどの比率を目指す。 湊長博総長は記者会見で、「女性が理工系に向いていないというのは幻想」とし、ジェンダー不均衡を解消して学びを深める環境の実現をめざすとした。「人種や性別など特定の集団を教育や就職で優遇する『アファーマティブ・アクション』との見方もあるが、彼女らの希望に応じてチャレンジできる制度を作らないといけない」とも述べた。 国公立大の理工系の学部で女…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

駐在所に火炎瓶投げ込み容疑で男逮捕、黙秘 植え込み焼ける 八王子

 火炎瓶を投げて駐在所に放火しようとしたとして、警視庁は東京都八王子市下柚木2丁目の職業不詳の男(52)を現住建造物等放火未遂と火炎瓶処罰法違反の疑いで逮捕し、21日に発表した。黙秘しているという。 南大沢署によると、男は17日午後11時半ごろ、同署上柚木駐在所に火炎瓶を投げ放火しようとした疑いがある。植え込みの一部が焼け、駐在所にいた男性警察官と家族にけがはなかった。 付近の防犯カメラには、車が駐在所の前で一時停止し、助手席側から火のついた物が投げられる様子が映っていたという。(宮脇稜平)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

刑事だった自分が「駐在さん」に 島民の安全を1人で守り続けた日々

 島の安全を1人で守ってきた「駐在さん」が、3月いっぱいで刑事に戻る。 朝は小中学校の前で登校を見守り、昼間は赤いランプを点灯させたパトカーで巡回。夜も何かが起きた時に備え、お酒は少なめに。 そんな毎日を繰り返してきた。 瀬戸内海に浮かぶ豊島(香川県土庄町)は、面積約14・5平方キロに760人ほどが暮らす。瀬戸内国際芸術祭の会場の一つで、2022年は約10万人が来島した。 三谷富貴巡査部長(34)は、その年の4月から豊島駐在所に勤務している。 さぬき市出身。小学校に入る前、交通事故に遭った。その時に優しく対応してくれた警察官が印象に残り、憧れの職業になった。 大学を出て、警察官の採用試験に合格した。13年に県警に入り、交番勤務を経て特殊詐欺などの知能犯捜査を長く担当してきた。 刑事だった自分が、島に駐在するとは思ってもいなかった。豊島を訪れたことはなく、「どんな土地かもよく分からないけど、人事だし、行くしかない」と、妻と2人で島に引っ越してきた。島で起きること、全て自分の仕事 隣の小豆島にある小豆警察署の地域課に所属しているが、島の警察官は1人だけ。落とし物の処理も、交通事故の対応も、島で起きることは全て自分の仕事だ。豊島の「駐在さん」となった三谷さん。学校前で毎朝あいさつを続けたら小学生が教えてくれた内緒話、瀬戸芸期間中の奮闘など、島で過ごした2年間を紹介します。 「すごいプレッシャーはあり…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル