社会

父親「いじめなくす気ないのか」 娘の自殺から6年、地裁判断に憤り

 名古屋市で2018年に市立中学1年の女子生徒が自殺したのは学校側がいじめを放置したのが原因だなどとして、両親が市に損害賠償を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁(斎藤毅裁判長)は19日、両親の請求を棄却した。「なかった」から一転、いじめ認定した市 「裁判所はいじめをなくす気がないのか」。6年前に自殺した名古屋市内の中学1年斎藤華子さんを巡る訴訟で、学校側の責任を認めなかった19日の名古屋地裁判決。父・信太郎さん(52)は判決を厳しく批判した。 信太郎さんの長女として生まれた華子さん。頑張り屋で2人の弟への面倒見もよく、「小さなお母さん」のような存在だった。生きていれば、今年20歳になるはずだった。「美容師になりたがっていた。今ごろは専門学校に通っていたのかな」 市は当初、華子さんへのいじ…この記事は有料記事です。残り365文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

バス業界にも2024年問題 北海道で相次ぐ減便、運転手不足深刻に

新田哲史2024年3月19日 20時30分 北海道内のバス会社が4月1日のダイヤ改定でバス路線の減便や廃止を相次いで実施する。慢性的な運転手不足に加え、労働時間などの規制が始まる「2024年問題」が響いている。道内では昨年からバスの減便や廃止が相次いでおり、住民生活への影響が懸念される。 道内バス最大手の北海道中央バス(小樽市)は4月から、運行する路線バス・高速バスのうち、全体の4~5%に当たる313便を減便・廃止する。同社は昨年12月のダイヤ改定で、過去最大規模となる約640便の減便や廃止、路線短縮をしたばかりだが、再び大幅な減便となる。 4月から始まる労働時間などの規制の影響が大きいという。特に、仕事を終えてから次の出勤までに義務づけられる休息時間(勤務間インターバル)が現在の8時間から9時間に延ばされるため、「深夜や早朝の便を中心に減便せざるをえなかった」(担当者)という。地域別では、北広島市や石狩市を含む札幌地区が225便と多い。 じょうてつ(札幌市)も4月から、市内で運行する路線バスの1割に当たる86便を減便する。札幌市南区や豊平区を走る路線が中心で、一部系統は廃止する。2月13日から路線バス51便を減便していたが、更なる減便となる。 ジェイ・アール北海道バス(札幌市)は、1月末から段階的に進めていた市内の路線バス約20便の減便を4月以降も継続する。(新田哲史)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

中3の自殺といじめ「密接に関連」 報告書受け大阪・門真市教委謝罪

島脇健史2024年3月19日 21時40分 2022年2月に大阪府門真市の市立中学校3年の男子生徒(当時15)が自殺した問題で、市教育委員会が19日、記者会見を開いた。母親が2月に会見し、複数の同級生によるいじめと自殺の因果関係や、学校の対応の問題を指摘する第三者委員会の調査報告書を公表していた。 市教委もこの日、第三者委から昨年12月に答申を受けていた「いじめ重大事態調査報告書」を公表。母親の会見時は内容についてコメントを出さなかったが、久木元秀平教育長が「尊い命が失われたことは痛恨の極み。指摘を真摯(しんし)に受け止める。市教委も学校への指導が不十分だった」と謝罪した。 報告書によると、男子生徒は1年生の時、同学年のSNSのグループに「雨の匂い臭ない?笑」と書いたところ、「お前の方が臭い」と書き込まれ、「死ね」と連呼する動画を作成・拡散された。3年生になると、匿名で質問を投稿できて数日で消えるアプリで「Sine」「Uzai」などと投稿された。ほかのSNSでも「誰にも見守られず死んで下さい!」などと送られた。 いじめに関わった同級生らは20人に上った。男子生徒は1~3年時の学校のいじめに関するアンケートに「ラインなどで、いやな事を言われる時がある」などと、いじめをうかがわせる回答を度々していた。 第三者委は、SNSでの中傷など計62件のいじめを認定し、「いじめと自死は密接に関連があると考えられる」とした。さらに被害の訴えがあり、いじめ防止対策推進法があるにもかかわらず、学校側はいじめと認知せず、組織的な対応もしなかったと指摘した。 鈴木貴雄教育部長は「1年生の時に学校側がいじめと認知していれば、専門家の力も借りて違う手が打てたのではないか」と話した。 市教委は再発防止策として、市立小・中学校の児童生徒、保護者、教職員を対象に、専門業者を招いてSNSトラブルに関する講義を始めた。4月からは各中学校区に1人ずつ、教員らからの相談を受けるスクールソーシャルワーカーを配置。毎年度当初に全教職員対象のいじめ対応の研修を行うという。 母親は同級生らと市に対し、損害賠償を求めて提訴する意向を示している。(島脇健史)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

「絶対停止」位置を約450メートル超える つばさオーバーラン

 福島県内の東北新幹線郡山駅で下り列車が停止位置を行き過ぎた事故で、列車は赤信号にあたる「絶対停止」位置も約450メートル超えていたことが、JR東日本への取材でわかった。約7キロにわたり、車輪がレール上を回転しながら滑っていく滑走状態になっていたとみられるという。JR東は人為的ミスはなかったとみており、車両、設備や自然条件などの状況から原因を調べる方針。 オーバーランしたのは東京発新庄行き「つばさ121号」(7両編成)。通常の停止位置の約70メートル先に絶対停止位置がある。通常の停止位置を約20メートル超えると、自動列車制御装置(ATC)によって自動的に非常ブレーキがかかるが、列車は止まらなかった。最初のブレーキがかかり始めてから止まるまでの約7キロの走行データを確認したところ、ATCに異常はなかったが、すべての車輪が複数回にわたって滑走をしていたという。 JR東の新幹線は、制限速度を超えるとATCによって自動ブレーキがかかり、時速約75キロまで減速すると運転士が手動でブレーキをかけて停車させる。だが当時、郡山駅の約7キロ手前で自動ブレーキがかかり始めたが、運転士は「減速感が弱い」と感じたという。 また、JR東がホーム手前に…この記事は有料記事です。残り238文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

「あらゆる場所が発電する都市に」 次世代太陽電池、都庁で検証

太田原奈都乃2024年3月19日 21時02分 軽量で生産コストが安い次世代の太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」の検証が東京都庁で始まった。早期実用化を目指す都が複数の開発企業と検証を続けている。国内発で世界的にも注目度の高い新技術を発信しようと、都は検証の様子を20日から一般公開する。 ペロブスカイト太陽電池は、主流のシリコン型太陽電池と比べて重量が10分の1ほどで、薄くて曲げられる。壁面などにも設置できるほか、弱い光でも発電でき、消費電力が大きい機器にも活用できる。都は昨年、下水処理施設で国内最大規模の実験も始めた。 今回はリコーなどとの共同実施。都庁第一本庁舎45階の南展望室で来年4月まで、同社製の電池を用いたCO2濃度などの測定機器を稼働させ、発電性能や耐久性、通信状況などを調べる。都住宅供給公社が提供する板橋区内の高齢者向け住宅でも同様の検証を予定している。 19日の開始式で、小池百合子知事は「日本が誇る技術をスピード感を持って実装し、あらゆる場所で発電する未来都市を作りたい」と話した。脱炭素社会の実現に向けて国も開発を後押ししている。(太田原奈都乃)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

埼玉自民の青年局県議ら参加会合めぐる報道「公費支出はない」と説明

山田暢史 西田有里2024年3月19日 21時15分 自民党埼玉県連の青年局に所属する県議らが2016年、コスプレ姿などで参加したパーティーに公費を含む青年局などの活動費が用いられた可能性があると、週刊文春が19日に電子版で報じた。当時青年局長だった田村琢実県議(52)は朝日新聞の取材に「プライベートな会合で公金は使っていない」と語り、問題はないとの認識を示した。 田村氏は、半裸姿の男性を撮影した写真付きの記事で指摘された会合は青年局の新年会後に埼玉県蕨市内で有志で実施した私的な飲み会だと説明。会場は「ただのバー」とし、費用は「詳しく覚えていない」としながらも「公金を使うことは一切ない。会合の際は私のポケットマネーや会費で支払っている」と語った。 田村氏の代理人弁護士は取材に対し「有志のみが参加した私的な懇親会で、青年局としての活動ではない。参加者のプライバシーに関わるため、会の詳細については回答を控える」とした。会費についても「青年局からの助成金及び田村氏の活動費等の公費から支払われた事実はなく、田村氏及び一部参加者のポケットマネーから支払われている」と説明した。(山田暢史、西田有里)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

小樽国際インフォメーションセンター、港のそばに3月25日オープン

岡田昇2024年3月19日 17時30分 北海道小樽観光の窓口として小樽観光振興公社が整備を進めていた「小樽国際インフォメーションセンター」(小樽市港町)の内覧会が19日あった。1階に小樽観光協会が運営する観光案内所や地域の特産品などを扱う売店「ポートマルシェotarue(オタルエ)」が入り、2階には海を見ながらくつろげる屋上デッキが設けられた。延べ床面積は約850平方メートルあり、建設費は約4億5千万円。25日にオープンする。 駐車場は約280台分を整備。敷地内にはコンテナを使った飲食物の販売所や休憩スペースがある。小樽港第3号埠頭(ふとう)からすぐそばで、同公社は「市内各地との中継地点として利用してもらえたら」と話す。(岡田昇)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

たばこをゴミ箱に捨てたら…駅が全焼、重過失失火容疑で男を書類送検

2024年3月19日 17時36分 たばこの火の不始末で駅を全焼させたとして、長崎県警は19日、諫早市内の男(30)を重過失失火の疑いで長崎地検に書類送検し、発表した。「消火確認せずにゴミ箱に捨てた」と容疑を認めている。 県警雲仙署によると、男性は昨年10月11日午後0時45分ごろ、雲仙市瑞穂町の島原鉄道大正駅で喫煙し、火が消えたか確認せずに駅舎内に設置されたゴミ箱に捨て、列車を利用。吸い殻から火が燃え広がり、駅舎約21平方メートルを全焼させた疑いがある。 島原鉄道によると、大正駅は無人駅で駅舎内は禁煙だった。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

あのとき認識できなかった性被害、20年が過ぎ 日本版DBSに思う

 あれは性被害だったのだ――。 石田郁子さん(46)がそう自覚できたときには、20年以上の月日が過ぎていた。 1993年。当時、石田さんは札幌市内の中学に通う3年生だった。 中学校の卒業式の前日。当時28歳だった美術教員の男性から、美術館に誘われた。以前から、受験のため、相談に乗ってもらっていた。 美術館で腹痛を感じた。男性に伝えると、車で自宅アパートまで連れて行かれた。部屋で「好きだった」と伝えられ、キスをされた。 高校に進学後も定期的に会い、キスされたり体を触られたり、性行為をさせられたりするようになった。 関係は、大学2年まで続いた。 交際や性的な経験がないなかで、信用していた先生からの言葉や行為――。「これは交際で、性的なことをするものだと思い込まされていた」。石田さんはそう振り返る。 当時は幼すぎて抱くことができなかった「違和感」は、大人になるに連れて膨らんだ。 大学で教育実習をしたとき…この記事は有料記事です。残り1198文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

能登の土砂被害、8割は豪雨の警戒区域と一致「地震時にも避難を」

 能登半島地震で土砂災害に巻き込まれた建物の8割以上が、豪雨災害のリスクが高い「土砂災害警戒区域」に集中していたことが、静岡大の牛山素行教授(災害情報学)らの調査で分かった。 17日に東京都内であった日本災害情報学会の大会で報告された。 地震による土砂災害の備えにもいかせる可能性があり「ハザードマップなどで自分の住む場所のリスクを確認してほしい」と呼びかけている。 国土交通省のまとめでは、今回の地震で石川県内だけで409件の土砂災害が確認されている。 牛山さんは人的被害の発表情報や空中写真などと、現地調査の結果から土砂災害の状況を推計した。 その結果、石川県の珠洲市や…この記事は有料記事です。残り584文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこどもと被災地東日本大震災が起きてからの13年という月日は、子どもが大人へと成長するほどの長さです。それぞれの土地で暮らす子どもたちの物語。[もっと見る]Source : 社会 - 朝日新聞デジタル