社会

被爆した叔母に聞きたくて さだまさしさんはカセットテープを回した

 長崎市出身のシンガー・ソングライターのさだまさしさんは、叔母から克明な被爆体験を何度も聞いてきました。原爆に遭った人たちの体験をつなぐ朝日新聞長崎版の連載「ナガサキノート」4千回での取材に「伝えきれることを伝えておかないと、死んでも死にきれない」と語ります。 原爆についてどう思うか、16歳で被爆した叔母に単刀直入に聞いたことがあります。 「恨む話じゃない」というようなことを言っていました。「戦争が悪いんだ」って。 現実に被爆した人がまわりか…この記事は有料記事です。残り1916文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

船が浸水、釣り客ら7人を助けた船長に感謝状 救助後5分で船は沈没

奄美通信員・神田和明2024年3月17日 9時17分 奄美海上保安部は12日、奄美大島(鹿児島県)の東方沖で沈没した遊漁船の乗客乗員7人を救助した遊漁船アルカトラズの山元雄二船長(57)=同県奄美市笠利町=に感謝状を贈った。山元船長は「全員が無事でよかった」と笑顔を見せた。 山元船長や海保によると、アルカトラズは2月、釣り客8人を乗せて同市笠利町の宇宿漁港を出港。午前10時半ごろ、別の遊漁船の船長から携帯電話で「浸水した」と連絡があった。 現場から約9キロと近くにいたため、すぐ救助に向かった。浸水したという船はこの日、釣り客6人を乗せて奄美市の小湊漁港を出港していた。 現場に着くと、すでに船は半分ほど沈んでいた。アルカトラズを横付けして、釣り客の協力で全員を救助した。船は救助後、5分ほどで沈んだという。救助された釣り客はぼうぜんとしていたが、船長を含めて全員にけがはなかった。 感謝状を受け取った山元船長は「操船しながらの救助活動だったので、1人で全員を助けることはできなかった。協力してくれた釣り客に感謝したい。これからも気を引き締めて海の仕事をやっていきたい」と話した。(奄美通信員・神田和明)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

北海道 かつての大動脈最後の賑わい 記者が見た廃止控えた根室線

 3月末で廃止になるJR根室線の富良野―新得間(81・7キロ)。かつては札幌と道東地方を結ぶ大動脈だったが、1981年の石勝線開業に伴いメインルートから外れ、ローカル輸送が中心に。さらに、一部区間が台風被害で不通となり、列車代行バスによる運行が長く続いた。旭川と帯広を結ぶ最短の鉄路でもあったが、利用者数の少なさがネックとなり、復旧されぬまま最後の時を迎えようとしている。2月に同区間を記者がたどった。列車代行バス(新得駅→東鹿越駅) 廃止予定区間のうち新得~東鹿越間41・5キロは、2016年夏の台風被害以来不通になっており、代行バスが一日上下11本(取材時は同9本)運行されている。 新得町の新得駅前。2月19日午後1時57分発の東鹿越行き代行バスの乗り場には、バスが来る前から10人弱の列が出来ていた。ほとんどが鉄道ファンの男性1人客だ。 東京都の会社員江口肇さん(55)は、1984年に釧路発滝川行きの普通列車でこの区間を旅した経験を持ち、その時の様子を動画サイトで公開しているほどの熱心なファン。昨年も東鹿越駅を訪れ、その時知り合った人から「トンネルを抜けて見えるかなやま湖が最高」という話を聞き、廃止になる前にその景色を確かめに来たという。 廃止について「交通インフラという点で、道路も鉄道も一緒。旭川と帯広を結ぶ路線が廃止してもよいとは思えない。インバウンド需要がある中、新千歳から、この廃止予定区間を通って南回りに富良野に行く列車があってもよいと思う」と話した。 埼玉県から幾寅駅の記念の入場券を購入するために訪れたという男性大学生(21)は「災害を受け、多大な復旧費用を、今のJR北に強いるのは厳しい。乗客も少ないのなら、残念だけど廃止はある意味仕方がない」。 接続列車の客を待ったため、バスは定刻より8分ほど遅れて出発。乗客は30人ほどで、固定座席の6~7割が埋まった。急勾配に臨んだ名残が 国道38号に出てまもなく、左側に蒸気機関車(SL)が保存・展示されているのが目に入る。かつて、この先の区間は、日高山脈北端の狩勝峠を越えるために補助機関車を後ろに増結して急勾配に臨んだ。その名残を今に伝えてくれる。 66年に峠から南に約4キロの地点に新狩勝トンネルが出来て、新得~落合間は勾配の緩やかな新ルートに変更された。国道を進むと、現在の根室線は左遠方に離れていくが、国道は旧線のルートと並行しており、バスは左手に旧線跡を見ながら狩勝峠を目指して進んでいく。通称「大カーブ」 10分ほどで、道路脇に「狩…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

セクハラ被害、でも政治は変わる 女性議員3人が語る苦労とだいご味

 男性ばかりの地方議会に女性が入ると、どんな変化が起きるのか。 福岡、佐賀の女性議員3人が、政治家を目指す女性らに体験を話すシンポジウムが10日、福岡県春日市であった。3人とも現在2期目で、立候補前や選挙での苦労を語りつつ、「親子傍聴席」ができたり「生理の貧困」対策が進んだりといった成果を紹介した。 「(新顔の時は)駅頭に立つと、よく男性から『邪魔だ』などとからまれた。セクハラまがいの発言や威圧的な態度がきつかった」 選挙にまつわる苦い思い出を話したのは、後藤香織・福岡県議。政治家を目指して様々な政治塾に顔を出した時も、「夜飲み会にいけないから無理だろう」と言われたり、子育てやジェンダー問題の課題を語ると「それより経済、外交でしょう」と否定されたりし、立候補までに8~9年を費やしたという。 一ノ瀬裕子・佐賀県議は、選挙に詳しいと紹介された男性から「2人で話したい」など私的なメッセージが来るようになって全身にじんましんができ、連絡を絶った体験を語った。 同僚議員から「セーラー服を…この記事は有料記事です。残り884文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんThink Gender男女格差が主要先進国で最下位の日本。この社会で生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。性別に関係なく平等に機会があり、だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダー〈社会的・文化的に作られた性差〉について、一緒に考えませんか。[もっと見る]Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

新幹線延伸祝うイベント各地で 小松駅にはユーミンがサプライズ登場

有料記事朝倉義統 樫村伸哉2024年3月17日 7時09分【動画】小松駅の新幹線駅開業イベントに発車メロディーを制作した松任谷由実さん、正隆さんが登場=石川県提供 北陸新幹線の敦賀延伸で、金沢駅だけだった石川県内の新幹線駅は小松と加賀温泉の3駅に増えた。誕生を祝う声が広がり、能登半島地震で傷ついた被災地の支援や復興につなげたい思いもにじんだ。 金沢駅では午前5時前から開業式があった。金沢市の村山卓市長は「第2の開業。沿線の時間的距離、心の距離が短くなり、つながりが進化する」と期待した。「北陸3県を楽しんでいただく絶好のチャンス。能登半島の復興にもつながる」 和服姿の加賀友禅大使らが改札前で観光客を出迎えた。被災地・輪島市に400年以上伝わる御陣乗(ごじんじょ)太鼓が鼓門前で披露され、拍手が響いた。 小松駅の開業式で、小松市の宮橋勝栄市長は「小松駅と小松空港を結ぶ『レール&フライト』の取り組みで日本海側の拠点都市を目指す」と力をこめた。金沢発のつるぎ1号に乗り、式の途中で駆けつけた馳浩知事は「ふるさとの 春新幹線 能登半島」の句を披露。「春を何としても能登半島に届けていかなければ」と呼びかけた。 小松駅の発車メロディーは、シンガー・ソングライターの松任谷由実さんと夫の正隆さんが制作した。駅東口であったイベントで航空自衛隊のブルーインパルスが展示飛行を披露し、中部航空音楽隊が発車メロディーを演奏した。 その直後、2人がサプライズ…この記事は有料記事です。残り594文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

福島県楢葉町などで震度4の地震 津波の心配なし

2024年3月17日 7時10分 17日午前6時17分ごろ、福島県沖を震源とする地震があった。気象庁によると、楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町で震度4を観測。震源の深さは約50キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5・4と推定される。津波の心配はないという。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこどもと被災地東日本大震災が起きてからの13年という月日は、子どもが大人へと成長するほどの長さです。それぞれの土地で暮らす子どもたちの物語。[もっと見る]Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

年々早まるサクラの開花、「まつり」終盤の誘客悩ましく 青森・弘前

 青森県弘前市は15日、今年の弘前公園のサクラの開花時期は、平年より6日早い4月16日の見込みだと発表した。4月19日から園内で「弘前さくらまつり」が開幕する予定だが、開花は年々早まっている。まつりを主催する市や地元観光コンベンション協会などは、園内の見どころを紹介する新たな取り組みを今年から始めるなど、誘客に力を入れる。 この日、桜田宏市長が定例会見で開花予想日を発表した。さくらまつりについても、昨年までコロナ禍の影響で園内の一部で続いていた飲食の規制を、今年はすべて解禁すると明らかにした。 まつりの開催日については昨年の反省を生かし、「4月上旬に開花しても出店やライトアップを始められるように、今年は準備している」と話した。 園内に約2600本あるサクラのうち、まつりの一番の見どころとも言えるのが、1700本あるソメイヨシノだ。平年の開花日は4月22日だが、昨年は記録が残る1947年以降で最も早い4月7日に開花した。市が3月中旬に予想した4月12日よりも5日早く、15日に準まつり体制で開幕したときにはすでに満開だった。 市公園緑地課によると、2019年以降、開花日は年々早まっている。今年も市内の日平均気温は、1月、2月ともに平年値より2度近く高い。市の担当者は「暖かい日が今後も続けば開花が予想より早まる可能性はある」と話す。 そのような中、まつり終盤の来園者数をどう増やすかも課題となっている。 昨年は5月5日までの21日間の会期で、来園者は200万人を超えた。ただ、開幕した4月中旬こそ1日20万人を超えたが、ソメイヨシノの見頃が過ぎた5月に入ってからは、平均して1日5万人ほどだった。 市では昨年から、終盤も来園者に楽しんでもらおうと、ソメイヨシノの後に咲く遅咲きの八重桜7品種を「弘前七桜」と名付け、PRを始めた。 今年はさらに、八重桜の風景が映える園内のスポットなど7地点を「弘前桜七景」と名付け、新たな魅力発信を始めた。桜田市長は会見で、「今年はまつりの終盤まで少しでも多くの方に楽しんで頂けるよう、さらに取り組みを進めていきたい」と話した。 市などまつりの主催団体は、今後の園内のサクラの開花予想を踏まえ、今月末までに正式に会期を決定する予定だ。(古庄暢)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

毎年? 2年ごと? クラス替えの「望ましい頻度」を聞いてみたら

 今年度も間もなく終わり。この季節、子どもたちや保護者らが気になるのが、「次のクラス」だ。あの子と一緒になれるかな? 誰が隣の席になるのかな? クラス替えをテーマに、朝日新聞デジタルがネットを通じてアンケートを募った。 クラス替えは近年、小学校で毎年の実施が増えているという指摘がある。アンケートでは「小学校のクラス替えはどのくらいの頻度であるのが望ましいと思いますか」と尋ねた。 アンケートの自由回答では、次のような意見が寄せられている。 「クラス替えをあまりしなかったら、いじめを受けていた場合などに、そのいじめが長引きやすくなりやすいと思うから、毎年した方がいいと思う」(徳島県、男性、10代) 「教職経験者です。多様性を学ぶ、いろいろな考えを持った人がいる、また、その中で社会性を身につけていくためにも毎年度クラス替えを実施するのがいいと考えています」(大阪府、男性、30代) 「ずっと同じクラスメートだと人間関係が硬直化しそう。一方で、季節ごとの行事や活動を同じメンバーで体験することで深みも増すのではと思うので、2年に一度くらいが小学校では妥当ではないかと思いました」(東京都、女性、40代) 「低学年のうちはいろんな子と関わる、という意味で1年ごともありだと思いますが、教育は早く効果が出るものではなく、じっくり取り組むことも必要だと思うので、3年生以降は2年に1回でもいいと思います。そもそも、何のために1年ごとなのか。荒れることを防ぐためだとしたら疑問です。予防も理解できますが、トラブルを乗り越えていく力を身に付けることこそ必要な力ではないでしょうか」(神奈川、女性、30代) アンケートは18日午後2時まで実施する予定で、誰でも参加できる。サイトでは回答者の自由記述を読むこともできる。https://www.asahi.com/opinion/forum/197/Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

琉球国王を描いた幻の肖像画、米国で発見され返還 沖縄戦で国外流出

小野太郎2024年3月16日 14時00分 沖縄県は15日、太平洋戦争末期の沖縄戦で流出したと考えられていた歴代琉球国王の肖像画「御後絵(おごえ)」が米国で見つかり、県に返還されたことを明らかにした。戦後、御後絵の実物が確認されたのは初めて。琉球王国を代表する貴重な文化遺産で、美術史・文化史を研究する上で重要な手がかりになるとみられる。 引き渡された御後絵は6点(3点は一つの作品が分割されたもの)で、うち2点は第13代尚敬(しょうけい)王(在位1713~1751年)と、第18代尚育(しょういく)王(在位1835~1847年)を描いたもの。大正時代に撮影されたモノクロ写真は残っていたが、今回初めて実物の色彩が確認された。御後絵は琉球王国の絵師により、権威を示すために国王の姿が大きく描かれている。県の担当者によると、首里城北側にあった王家の菩提寺・円覚寺の壁面に描かれていた肖像画を保存のため写したものとみられるという。 県は2001年、沖縄戦の混乱に乗じて持ち出された可能性のある御後絵などを米連邦捜査局(FBI)の盗難美術品リストに登録した。23年に22点が発見されたと外務省を通じて連絡があり、県が高解像度の画像などで確認。今月14日に引き渡しが実現した。 玉城デニー知事は15日の記者会見で「琉球王国時代を肌で感じることができる沖縄の宝が戻ってきたことは大きな喜びだ」と述べた。県は今後、損傷の状況を見極めながら一般公開するか検討する。(小野太郎)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

夢をかなえてくれた猫のみーちゃん 御朱印の中で生き続ける

 7年前、巨木の合間から木漏れ日が差し込む戸越八幡神社(東京都品川区)の境内のベンチに腰掛け、ぼんやりとしていると、声をかけられた。 「ここで働きませんか」 神職の大石のりこさん(69)だった。3年前に近所に越してきて以来、あいさつを交わす仲だ。 人間関係に悩み、13年年間勤めた会社をやめたばかりだった。週5回、受付の仕事を始めた。 神社には、何匹かの猫がすみ着いていた。ひときわ人なつっこいのが、三毛猫のみーちゃん。20年近く前、近所の人が置いていったという。参拝客に近づいて体をなでさせたり、近所の人の手からおやつを食べたり。初詣客の列が長くなると、まるであいさつするように人々の足元を縫って歩く。御朱印「手伝ってくれない?」 元々、大の猫好き。紙と鉛筆があればおとなしい子どもで、猫の絵ばかり描いていた。 いつのまにか、みーちゃんの…この記事は有料記事です。残り705文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル