偏差値38。小5の長男の成績表を持つ手に力がこもる。すぐにでも成績表を破りたい気持ちだった。 もう2年も塾に通わせているのに、偏差値は一向に上がらない。 こんな偏差値を見続けるのはストレス。中学受験をやめると決めて、翌日に塾に退会届を出した。 「これで、長男は負け組だ」。6年前、40代の女性は本気でそう思っていた。 かさむ塾代、上がらない偏差値……常に悩みが伴う中学受験。続るのか、やめるのか。どの選択肢も親として勇気がいります。6年前に長男の中学受験をやめた女性に、当時の思いなどを聞きました。 周囲に富裕層が多い東京都港区在住。大手企業に勤める女性が就職活動をした2000年は就職氷河期で、学歴で苦労する学生を間近に見てきた。 いい企業に入り、いい収入を得るために、何よりも大事なのは学歴。3歳から英語、水泳、書道、体操教室などの習い事に通わせた。長男が生まれたときから「最高の教育」をしてきたつもりだった。 小学校も私立を考えたが、女性の仕事が忙しく受験に備えることができなかった。中学受験に狙いを定め、都内でも「名門」と人気の公立小に通わせた。 小3になると、塾の情報収集に奔走した。特徴を分析し、難関中学の受験に特化した進学塾に入れた。 「これで一安心」と思ったの… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ボートレース大村、4年連続売り上げ全国1位 ナイターレース増加で
長崎県大村市は2日、競艇場「ボートレース大村」が2023年度に開催したレースの売上金が1746億6千万円となり、全国24の競艇場の中で4年連続1位となったと発表した。午後11時までの「ミッドナイトレース」を開催したことが売り上げ増加につながっているという。 同市によると「ミッドナイトレース」の開催日を2022年度の12日から23年度は28日に増やしたことで、約8割を占めるインターネット投票が増えたという。他の競艇場では、照明や騒音などの影響で夜間開催が制限される例が多いが、大村湾に立地するボートレース大村は住宅地からの距離が比較的離れているため開催日増やすことができたという。 ボートレース事業の売り上げから2023年度は市の一般会計に過去最高の150億円を繰り出し、学校施設の整備や西九州新幹線新大村駅周辺の整備事業などに活用されている。市の担当者は「近隣住民の方のご理解をいただき、ナイターレースを開催することができている。今後も売り上げを増やして市の財政に貢献したい」と話す。(榧場勇太) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「これだけ調べたのに」 謎の超高エネルギー宇宙線、起源は闇のまま
<後編> 「スーパー宇宙線」を探せ! 宇宙から地球に降り注ぐ粒子「宇宙線」の中に、理論のエネルギー限界を超える「スーパー宇宙線」は存在するのか。「ある・ない」論争に終止符を打つべく、日米が中心となった「テレスコープアレイ(TA)実験」が2008年に始まった。 前編では、日本と米国で過去に大論争となった「スーパー宇宙線」の謎について紹介しました。後編では、論争の行方、新たな謎を解くための研究者たちの挑戦について紹介します。 米ユタ州の小さな町デルタ郊外の荒野。ここに点在するのが、ベッドのような形をした粒子検出器。宇宙線が地球の大気とぶつかると生まれる大量の粒子「空気シャワー」を24時間検出できる装置だ。1.2キロ間隔で並ぶ数は507台。その面積は琵琶湖とほぼ同じ約700平方キロメートルになる。 さらに検出器を取り囲むように望遠鏡を3カ所設置し、空気シャワーが引き起こす蛍光を捉える。望遠鏡は月のない晴れた夜しか使えないが、シャワーが発達する様子が見え、元の宇宙線の種類やエネルギーの大きさの判断に役立つ。 「チャレンジングだが面白かった」 日本側代表を務めた東京大宇宙線研究所の福島正己名誉教授によると、04年に始まった建設は苦労の連続だった。 遠隔で検出データを集めるため、当時はまだ新しかった無線LANをつけた検出器を作り、広大なエリアにヘリで運搬。故障すれば歩いて修理に向かった。土地の使用許可や環境保護のため野生植物の調査もした。「チャレンジングだったが面白かった。矛盾する結果をはっきりさせたいという情熱をみんな持っていた」 スーパー宇宙線の存否はどうだったのか。 実験グループが13年に出し… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元歯科衛生士が「本気でつくった」ハンバーグ 高齢者に食べやすく
約25年間にわたり、神戸市内の病院などで歯科衛生士として働いた後、三宮に鉄板焼き店をオープンさせた長井多恵子さん(68)が、「誤嚥(ごえん)を防ぎやすいハンバーグ」を開発した。 ネットでも「歯科衛生士が本気で作ったハンバーグ」と題して販売を始めた。 長井さんは20歳から歯科衛生士として勤務。「自分でお店を開業したい」と2001年に退職し、「鉄板焼 神戸 Fuji」をオープンさせた。特に神戸牛や神戸ポークなどを使ったハンバーグが人気を呼び、07年には神戸市北区に2号店も開店させた。 長井さんは病院で働いている間、誤嚥に悩む多くの高齢者を目にしてきた。 「少しでも安全な料理を提供で… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
春休みの「トー横」で31人を一斉補導 北海道や海外から歌舞伎町へ
東京都新宿区歌舞伎町の「トー横」と呼ばれる一帯で、警視庁は春休み期間中の3月30日~4月6日に3回の一斉補導を実施し、11~18歳の男女計31人を補導した。一帯では市販薬の多量摂取(OD)などが確認されており、警視庁は子どもが犯罪に巻き込まれる恐れがあるとして注意を呼びかけている。 少年育成課によると、補導した31人は都外在住者が大半。関東地方20人のほか、北海道や福岡、アジアから来た子どももいた。東京は5人だった。 行為別では「深夜徘徊(はいかい)」が22人で最多。アイドルなどを応援する「推し活」に支払い能力を超えて入れ込んでいることが疑われる「不健全娯楽」は2人だった。市販薬を所持しており、ODが疑われる子どももいたという。 今年1~2月に歌舞伎町周辺で補導された子どもは百数十人だった。そのうち6割超が都外からで、8割近くが女性だった。補導件数、割合ともに昨年同期とほぼ同じという。 補導した子どもや保護者が希望すれば、少年センターの心理職が継続して相談に乗る。今回の補導では1人が希望したという。警視庁は「新学期で心が不安定な子もいる。今後も補導を継続し、必要な支援につなぐ」としている。(御船紗子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地震3カ月、動画で見比べる発災2週間との変化は 珠洲市内を走った
【動画】地震から3カ月の珠洲市内を車で走った。1月との変化は=波絵理子撮影 能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県珠洲市。元日の発災から2週間後の1月中旬、記者は車に固定カメラを取り付け、動画を撮影しながら市内を回った。倒壊した家や大きく傾いた電柱、がれきが山積みになっていた街の様子は、この3カ月でどう変わったのか。4月初旬、同じ道を再び走った。 家屋倒壊の激しい正院地区。道路にせり出した家やがれきの山は、1月中旬の頃とほとんど変わりがなかった。垂れ下がった電線も残る。がれきは道路の奥に押し込められ、以前より通行しやすくはなっていた。道中、営業を再開した理容室や建設された仮設住宅があった。 津波被害のあった寺家地区。こちらも変化は少なかった。ただ、段差や亀裂を砂利で埋めて応急処置だった道路は、黒いアスファルトに変わっていた。 自宅が全壊した同地区の女性(55)は「道が舗装されたのは今週くらい。がれきは地元の有志が重機を借りて片付けたんです。公的な対応はまだ」と話した。 全半壊した住宅を自治体が取り壊す公費解体は、珠洲市では1日に受け付けが始まったばかりだ。市によると、現地調査などを経て取りかかるため、実際に解体撤去が始まる時期は未定という。(波絵理子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
心臓ばくばく、受け取った紙袋 誕生日会の2日後、大学生は留置場に
ふと、自分のおばあちゃんが浮かんだ。少し年上かなと思った。 だだっ広いドラッグストアの駐車場。 やってきた紫色の車から、高齢の女性が降りてくる。手には白い紙袋。 あの人だ。 片耳につけたイヤホンから男の声が聞こえる。 「向かってください」 もしかしたら、これってやばいことなんじゃないか。疑う気持ちにふたをして歩き出し、声をかけた。 「書類を受け取りに来ました」 特殊詐欺の被害に遭ったのは、記者(28)の祖母(81)でした。連載の第2回と第3回は、「受け子」として逮捕された21歳男性への保釈後の取材をもとに描きます。 1カ月ほど前、学校終わりに自宅でくつろいでいるときだった。 《1週間でめっちゃ稼げる仕事があるんだけど》 大学生のトモヤ(仮名、21)は、同じクラスの山本(仮名)から突然、LINEでこんな誘いを受けた。 山本は、クラスの中心人物の一人。いつも周りに友人がいる。 知り合ったのは大学に入ってから。特別仲が良かったわけではない。ただ、帰る方向が同じだったこともあって、時々たわいもない話をしながら一緒に帰ったり、食事したりすることもあった。 突然の誘い。怪しいとは思った。 お金に困っているわけではない。両親からの小遣いは月5千円、ピザ屋のバイトで月5万円。ただ、もし高額の報酬がもらえるのなら、予定している友達との旅行で豪遊できる。最新のスマホも買えるかもしれないと思ってしまった。 「仕事」の内容を尋ねた。 《脱税の手伝い。カードで金を下ろすだけ》 脱税で逮捕されたなんて話は、自分の周りでは聞いたことがない。手伝うだけなら、やってもいいかもしれない。 それに、脱税の手伝いなら、詐欺などと違って苦しむ被害者もいないんじゃないか。 一応、念を押した。 《ないと思うけど、詐欺じゃないよな》 《絶対、大丈夫》 山本も同じような「仕事」をする予定があるらしい。誘ってきた山本がやっているなら、と背中を押された。 すでに「仕事」をしたことがあるという山本の友人を紹介され、地元のカラオケ屋の前で立ち話をした。山本の高校時代の同級生という。数日間で40万円が手に入ったと教えてくれた。 本当にもらえるんだ、と舞い上がった。それに、山本もその友人も捕まっていない。安心した。 「受け子」や「出し子」のうち、実際に報酬を得た者は半数に満たなかった(2021年版の犯罪白書から) 山本から「シグナル」という通信アプリを入れるよう教わった。一定時間が経つとチャットなどの記録が消える匿名性が高いアプリだ。 どこで何をすれば良いのか… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
シャインマスカットはもうかる? 高い収益率、新規就農を増やす鍵に
新たに農業を始める人が全国的に減る中、「フルーツ王国」の山梨県内では増加傾向が続いている。「もうかる農産物」として高級ブドウのシャインマスカットが人気を集めていることが背景にある、と県はみている。 県によると、県内の新規就農者は2009年度に100人に達し、その後はうなぎ登りで急増。最新の22年度は過去最高の331人を記録し、7年連続で300人を超えた。うち県外出身者は約2割を占めた。 とりわけ22年度は、新たに自営で農業に参入した192人に限ると77・6%にあたる149人が果樹栽培に集中し、野菜栽培の25人(13・0%)を大きく引き離した。この傾向は十数年続いているという。 どの果樹を栽培したかの統計はないが、就農の相談窓口ではシャインマスカットに関する相談が多く、県担い手・農地対策課の担当者は「特に注目度が高い」と話す。 収益は巨峰の1.7倍、ブドウ栽培の主流に 人気の理由は、ほかの農産物… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
第2回日本水中フォトコンテスト、34点の受賞作決まる
第2回日本水中フォトコンテスト(同実行委員会主催)が昨年に続いて開催された。受賞作の発表・表彰式が6日、東京・池袋サンシャインシティで開かれているマリンダイビングフェア2024の会場であった。国内外の434人から1317点の応募があり、写真家の中村征夫氏や高砂淳二氏、阿部秀樹氏ら6人の審査員による審査の結果、34点の受賞作が決まった。最高賞のグランプリは該当作無し。準グランプリに2作品、審査員賞に6作品が選ばれた。 準グランプリの「トタン屋根に暮らす~海藻の森が育む命~」(斎藤利奈さん=大阪府)は、海底に沈むトタン板の下にゴンズイが群れる。トタンは海藻やイソギンチャクに覆われ、後方には海藻の森がうっそうと茂る。人工物と天然とのギャップが印象的な作品になっている。 もう1点の準グランプリ「ロープと魚」(チョン・ミンソクさん=韓国)は、暗黒の夜の海を背景に1本のロープにハギが50匹ほどぶら下がる。流されないようにロープをくわえ同じ方向を向いて眠っている小魚の姿が、アクセサリーの飾りのようにも見え不思議な世界を醸し出している。 グランプリに贈られる賞金50万円は次回に繰り越し、第3回コンテストのグランプリ賞金は100万円に倍増される。 コンテストはインターネットとの競合などで定期刊行するダイビング専門誌が皆無になる中、愛好家に腕試しの場を提供し、水中世界の魅力を多くの人に発信してもらおうと昨年創設された。今回の受賞作は、2008年まで発行されていた「ダイビングワールド」誌の名を冠して今月8日に創刊する「ダイビングワールドマガジン」に掲載される。 他の受賞作は以下の通り。 【中村征夫賞】「Oops no Sardines here」山口勝憲さん 【高砂淳二賞】「ウキウキな黄昏(たそがれ)」今井寛治さん 【阿部秀樹賞】「コブダイの喧嘩(けんか)」小出博之さん 【中村卓哉賞】「生きるということ」森田康平さん 【むらいさち賞】「あかねぞらに浮上」藤川智之さん 【上出俊作賞】「ザトウクジラの舞踏会」高橋優花さん 【優秀賞】「spectrum」大谷翔さん、「エビすがお」古菅正道さん、「元気玉」駒井那津樹さん、「希望の卵塊」野﨑武志さん、「遥(はる)か、彼方(かなた)。」野山昌俊さん、「輪廻(りんね)」山内創さん 【入選】「おたまの行進」井伊知子さん、「ねぇ、ここだよ」大塚萌木さん、「Storm」奥島玲人さん、「宴」小倉直子さん、「襲撃」神出美保子さん、「テールアップ」河田啓奨さん、「落陽」熊谷翔太さん、「旅立つ命たち」小谷明日香さん、「地球侵略!」衣香織さん、「シューティング」近藤政昭さん、「流れる花粉」酒井郁子さん、「緑の雲海はごちそう/A sea of green clouds is a feast」杉本靖成さん、「海面鏡」高橋真弓さん、「STORM」田中颯太さん、「宴」土屋瞳さん、「海にそびえる大きな樹」永井豪さん、「海の天使、舞い降りる」西原憲一さん、「覗(のぞ)いたその先に」速水叶女さん、「トーテムポール」安田真人さん、「はい、ポーズ」油井一喜さん(恒成利幸) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高齢化率82%の島に移住した大学生 2つの「好き」が重なった選択
高齢化率が80%を超える瀬戸内の離島に、現役大学生が移住した。 香川県丸亀市沖に浮かぶ人口150人ほどの広島。広島県と区別するため、「讃岐広島」とも呼ばれるこの島は、少子高齢化が急速に進み、ここ10年で人口が半減した。 そんな広島に昨年3月、同志社大学3年だった佐々原悠馬さん(22)が移り住んだ。郵便配達などのアルバイトをしながら、週に1度、京都市内のキャンパスに通ってきた。 丸亀市の本土側で生まれ育った佐々原さんは、大学を卒業した今春以降も島に残った。 それは、二つの「好き」が重なったからだった。 貴重な若い働き手として、瀬戸内の島で活躍する佐々原さん。「いずれは市長になりたい」と語る真意は――。 佐々原さんは小学生の頃、所… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル