春を迎え、高知県の清流・仁淀川沿いでも桜がちらほら咲き始めた。 流域の四季を長年撮り続け、「仁淀ブルー」の名付け親として知られるカメラマン、高橋宣之さん(77)の撮影ぶりを25日にみせてもらった。 まもなく見頃を迎える仁淀川流域の桜を、過去に高橋さんが撮影した写真とともに紹介します。 山間にある仁淀川町は、樹齢500年を超える「ひょうたん桜」など桜の名所が多い。 霧に包まれた早朝の町で桜をみてまわった高橋さんは「まだ咲き始め。今年は遅いから、今週末にはボンと爆発音が聞こえるみたいに一気に咲きそう」と予想する。「桜を撮らないと春がこない」というほど、毎年の恒例行事になっているという。 高橋さんは昨秋、日本写真家協会の「笹本恒子写真賞」を受賞した。 仁淀川水系という限定したテーマを深く掘り下げ、地域文化や生き物の生態までも表現したと評された。 夏には50年前にスペインで撮ったネガフィルムをもとに写真集を出版。東京都港区や新宿区で写真展も開いた。 最近は、膨大な過去のフィルムのなかから良いカットを選び、特殊なカメラで複写してデジタル化する作業に自宅で取り組んでいる。「映像の森の中で、小さな花を探すような不思議な感覚になる。これはこれで楽しい」と話している。(蜷川大介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
タンチョウ再発見100年、北海道に珍客 給餌場に来た「マナカナ」
一時絶滅したと考えられていた国の特別天然記念物タンチョウが、北海道東部のいまの鶴居村で再発見されて3月で100年。今冬には保護の中核をなす釧路湿原近くの給餌場に「珍客」が現れ、人気者になった。 3月初旬、タンチョウたちは伴侶を見つけて交尾をしたり、子を追い払って親離れを促したりしていた。 村内にある厳寒期の二大給餌(きゅうじ)場「鶴見台」と「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」には、そうした姿を見ようと、多くの写真愛好家や観光客らが足を運んだ。 ただ、再発見100年の節目の冬は、おもむきが違った。愛好家らが「マナカナ」と呼ぶツルが現れたからだ。 「マナちゃん」は昨年12月… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「重大事故の兆候拾い上げられず」小3死亡のスライダー事故で報告書
島根県邑南町のレジャー施設「瑞穂ハイランド」のウォータースライダーで昨年8月、小学生同士が接触して小3男児(8)が死亡した事故を巡り、町が設けた弁護士や医師らで構成する事故検証委員会は26日、最終報告書を公表した。イベントを主催した地元公民館スタッフの危機管理意識の希薄さが事故を招いた要因と指摘した。 事故は昨年8月24日、小学生10人が参加したデイキャンプ体験で発生。ウォータースライダーのゴール地点近くにいた男児が、上から滑ってきた児童と接触、転倒。スタッフらは男児を寝かせて休ませたが、すぐに119番通報しなかった。男児は、翌日亡くなった。 報告書では、スタッフらが重大な事故であることに気付くチャンスがいくつかあったが、「その兆候を拾い上げることができなかった」と指摘。事前準備の段階で「あらゆるリスクを想定し、綿密な事業運営マニュアルをもって事業の実施を決定すべきだ」と提言した。石橋良治町長は最終報告を受け、「職員を対象に危機管理、手順を体の中に覚え込ませることが出発点だ」と話した。(高田純一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
海を漂う「漁具の幽霊」は生態系にも影響? 解明めざし調査隊が発足
漁網やロープなど漁業関連の海底プラスチックごみは、「ゴーストギア(漁具の幽霊)」と呼ばれる。環境保護団体「WWFジャパン」(東京都港区)によると、海中で埋まったり、漂ったりしており、海の生態系や人の健康に影響する可能性もある。ただ実態はよく分かっておらず、同団体は自治体と連携した「調査隊」を発足させ、調査を始めた。ゴーストバスターズ(幽霊退治人)の取り組みとは――。 昨年9月、同団体の第1回ゴーストギア調査が静岡県西伊豆町であった。調査には町や地元漁協も協力した。地元で観光客のガイドなどをする「黄金崎ダイブセンター」のダイバー2人が、沖合約100~150メートルの地点で潜水。水深15メートルほどの海底を約40分間、カメラで撮影するなどして調べた。 調査報告によると、発見した海底ごみは16点。目視にとどまるため、全てがプラスチック製のゴーストギアとは断定できないが、主に古びたロープ類と漁網で、岩に挟まったり絡まったりしていたという。 ダイバーの一人、前田優子さん(38)は「ナイフで切れそうな細いものもあれば、どうやって引き揚げるのかと思うほど、太いロープもあった」と説明。その上で「ダイバーとして海の中で働き、生活している。海がきれいに越したことはないですね」と話した。 同町は伊豆半島の西側にある港町だ。伊勢エビやサザエ漁などの漁業が盛んで、ダイビングをはじめとするアクティビティーで訪れる人も多い。海があることによる観光産業を収入源の一つとする町にとって、海をきれいに保つことは「責務」と考えているという。 「ゴーストフィッシング」を引き起こす可能性も ゴーストギアは、持ち主から… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「後悔もあるんじゃないか」 オッペンハイマーの国、被爆者は信じた
ラストメッセージ 海を渡ったナガサキの声 前編 A Scene × Premium A × A stories 「Do you know Nagasaki?」 「長崎を知っていますか」 日曜日の昼下がり。米イリノイ州・シカゴ中心部の公園で、長崎から出張していた記者(27)は散歩する70代夫婦に声をかけた。 「広島に続いて、長崎にも原爆が投下されたことは知っている」。夫(75)は答えた。「原爆投下によって多くの人が命を落としたことは残念なことです」 一方でこう続けた。 「原爆は戦争を早く終わらせ、何百万人もの米国人の命を救った」 隣で妻は、いぶかしげな表情を浮かべていた。「それは、政治家がそう信じさせたいだけでしょう」「核兵器には反対です。人を殺す全ての武器にも」 2023年夏、米国である映画が公開された。「原爆の父」と呼ばれる物理学者、ロバート・オッペンハイマーを取り上げた「オッペンハイマー」(クリストファー・ノーラン監督)だ。 原爆の開発の過程や、苦悩する様子など、心情を丹念に描いて好評を博し、米アカデミー賞で作品賞など7部門で受賞した。日本でも24年3月29日に公開される予定だ。 だがこの作品には、キノコ雲の下で何が起きたのか、つまり被爆者の描写はほとんどない。日米の原爆投下に対する意識の差を指摘する声も上がり、日本で波紋を呼んだ。 実際、米国の一般市民は原爆投下や核兵器についてどんな考えを持っているのか。キノコ雲の下に多くの人の命があり、未来が一瞬にして奪われたこと、そして今なお苦しんでいる人がいることを知っているのか。現地で直接聞き、知りたかった。 2023年11月、長崎の被爆者が被爆体験を米国市民に伝え、対話しながら米国を巡ったキャラバンツアーに同行した。 「アメリカの人たちみんなが… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「暗い道、歩かない方が…」暴力団に脅された体験を元に対処法を伝授
「誠意を見せろ」「暗いところは歩かない方がいい」。商社元常務の新田日出夫さん(64)=相模原市=は、ヤクザ映画のセリフのような脅しを、実際に暴力団組員から受けた経験がある。同じような脅しを受けたらどうしたらよいのか。実体験をもとに対処法を解説した動画を制作した。 きっかけは約25年前。勤務していた横浜市の商社が相模原市にパチンコ店を出した。オープン前、渉外担当の新田さんを、三つの暴力団組事務所の組員が訪ねてきた。「他の店は付き合ってくれている」「付き合い方は自分で考えろ」「誠意を見せろ」 やがて要求は具体的になる。「おしぼりを納入しろ」。半年間断ると、「帰り道、暗い所は歩かない方がいい」とすごまれた。体調を崩して血尿が出た。 地元の警察署に相談 耐えられない、と地元の警察… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「障害児の教育分離は人権侵害」 弁護士会が文科省通知の撤回求める
障害の有無に関わらず同じ学級で一緒に学ぶ「インクルーシブ教育」を巡り、文部科学省の2022年の通知で、特別支援学級の子どもは週の半分以上を目安に同じ学級で過ごすよう求めたことで障害児の権利が侵害されたとして、大阪弁護士会は26日、通知の該当部分を撤回するよう同省に勧告したと発表した。勧告は22日付。 勧告によると、同省は通知で「障害の状態や特性に応じた指導が十分でない事例がある」と指摘し、全国の教育委員会に対し、授業数の見直しを要請していた。この通知に対し、大阪府枚方市と東大阪市の市立小学校に通う児童6人とその保護者が「障害児を分離・隔離する差別だ」と訴え、同会に人権救済を申し立てていた。 府内では1970年代ごろか… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】愛子さま、伊勢神宮を参拝 お一人で初の地方訪問
天皇、皇后両陛下の長女愛子さまは26日、三重県の伊勢神宮を参拝しました。愛子さまの伊勢神宮参拝は2014年以来で、お一人での地方訪問は初めてです。 14年は皇太子さま(当時)、雅子さまとの私的な旅行で三重県を訪問しており、当時12歳の愛子さまにとって初めての参拝でした。 愛子さまは今月学習院大学を卒業し、来月から日本赤十字社の嘱託職員として勤務します。 14年とこの日の参拝の様子を写真でお伝えします。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ブレーキとアクセル踏み間違いか 東京・杉並の母子2人死亡事故
東京都杉並区の歩道で昨年12月、母子2人が車にひかれて死亡した事故で、車を運転していた男性がブレーキとアクセルを踏み間違えた可能性が高いことが捜査関係者への取材でわかった。 運転していた整備士を起訴 東京地検は26日、車を運転していた漆原宏太・整備士(50)を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の罪で在宅起訴した。自動車運転死傷処罰法違反容疑で現行犯逮捕された後、釈放され任意で捜査が続いていた。 捜査関係者によると、現場周辺を通った別の車両のドライブレコーダー映像には、ブレーキランプが付いたまま時速25~30キロでバックする車が映っていたという。 整備士は当初「ブレーキを踏んだが後ろに進んだ」と話したが、その後に「ブレーキと一緒にアクセルも踏み込んでいた」と説明。警視庁が事故車両(オートマチック車)を使って実験するなどし、整備士が右足でアクセルとブレーキを一緒に踏み、アクセルにより強い力がかかっていたとみられることがわかったという。 車は車検のために工場に預けられていたが、車体自体に事故につながるような問題は見つからなかったという。 交通捜査課によると、事故は昨年12月26日夕に発生。近くに住む杉本千尋さん(当時43)と娘の凪(なぎ)さん(当時6)が都道沿いの歩道を歩いていたところ、自動車整備工場からバックで都道に出ようとした車にはねられ死亡した。車はバックで幅約18メートルの歩道と都道を突っ切り、反対側の生け垣で止まった。 2022年に3千件の踏み間違い事故 高齢世代以外でも 交通事故総合分析センターに… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
吉本前会長の大崎洋さんら「ワクワクした」 大阪・関西万博会場視察
2025年大阪・関西万博のイベントや行事を運営する「催事検討会議」の共同座長を務める華道家元池坊の次期家元・池坊専好さんや吉本興業HDの前会長・大崎洋さんらが26日、大阪市此花区の夢洲にある万博会場を初めて訪れた。最大2350億円の会場建設費のうち344億円を投じる「大屋根」(リング)は木組み構造の7割が組み上がり、説明を受けた大崎さんは「ワクワクした。子どもたちが喜んでくれるでしょうね」と話した。 この日、同会議のメンバーは、リングのほかに建設中の屋外イベント広場「EXPOアリーナ」を視察。会場内で最も大きな収容人数1万人規模の屋外イベント会場で、大型ライブや映像上映などを予定している。視察を終えた池坊さんは「自然とともに楽しめる空間になると思う」と語った。 万博で開催する様々なイベントには現在、各国や自治体などから多くの応募があるという。大崎さんは「世界中の国々は万博を楽しみにしている」、池坊さんは「それぞれの良さを存分に発揮して頂き、自分の感性で楽しんで頂けたら」と語った。イベントの詳細は万博1年前となる4月に一部が公表される見通しだ。(山根久美子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル