福岡いのちの電話と朝日新聞厚生文化事業団が主催する「自殺予防公開講座」が20日、福岡市中央区内であった。落語家の桂文我さん(63)が命の大切さを訴え、市民やボランティア約170人が聴き入った。 文我さんは講演で、師匠の桂枝雀さんや桂米朝さん、笑福亭松鶴さんなど多くの噺(はなし)家らの思い出やエピソードを披露した。年齢を重ねてもユーモアを忘れない姿を紹介しつつ、「人は誰でも気がめいることがあるが、周囲の誰かと世間話でもいいから、話をすることが大切。長く生きてきたお年寄りはそれだけ経験を積んでおり、考えが深く、話が面白い」と話した。 小ばなしを交えた軽妙な語り口に会場は笑いに包まれた。文我さんは「何があっても最後の最後まで生きましょう。私は生き恥をさらしてもいいと思っている。生きていてこそ楽しめる」と笑顔で語りかけた。 ◇ 深い悩みを抱えている人に対し、福岡県内では、福岡いのちの電話(092・741・4343)や北九州いのちの電話(093・653・4343)が、年中無休・24時間態勢で、無料の相談に応じている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自民「ボディーブローのよう」 裏金問題で逆風、熊本知事選へ影響は
「情勢は横一線。もうひとがんばりしよう」 熊本県知事選も中盤となった18日夜、自民党熊本県連は緊急の選対本部会議を開いた。 その席で重鎮県議の前川收会長が集まった県議にげきをとばした。 直前には報道各社の情勢調査が、自民と公明党が推薦する前副知事の木村敬氏(49)と、複数の野党が支援する前熊本市長の幸山政史氏(58)の接戦を伝えていた。 熊本は衆参選挙区の議席を自民が独占。県議会の議席の7割を占めるなど、自民が強い地盤を持つ。それだけに接戦の報は激震だった。 会議後、部屋から出てきた県議が抱えていたのは巨大なポスターの束。参加した県議によると、渡されたのは「投票へ行こう!!」と書かれたものだった。「今あるものをはがして、その上に貼ってくれとの指示だった」と話す。 「今ある」ポスターとは、地元選出の国会議員や県議と、木村氏が並んだ2連ポスターだった。 副知事だった木村氏は、4期16年務めた蒲島郁夫知事が今期での引退を表明した後、自民の要請で立候補を表明した。ただ、東京都出身で元総務官僚の木村氏は知名度不足が課題だ。2連ポスターを各地に貼り、浸透を図っていた。 ところが、自民党派閥の裏金問題をめぐる逆風が直撃した。 野党が集会「不適切にもほどがある!」 ある陣営関係者は自民議員と… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
減らぬ自転車と歩行者の重大事故 年300件、事故全体は半減なのに
交通事故の発生数や自転車がからんだ事故はここ10年で半減したにもかかわらず、自転車と歩行者がぶつかってけが人が出た事故は11%増えたことが、警察庁のまとめでわかった。歩行者が死亡したり重傷を負ったりした事故は年300件前後で高止まりしている。 警察庁によると、けが人がいた交通事故の発生総数は、全国で2012年の66万5千件から22年には30万件へと半減した。このうち自転車がかかわった事故も、13万件から7万件に減った。 一方、自転車と歩行者の事故は、2625件から2905件に増えた。歩行者が死亡もしくは重傷だった事故は22年に312件あり、ここ10年ほど変わっていない。 自転車の運転者は、24歳以下の若い人が多い。 警察庁が公開している19~22年の「交通事故統計情報のオープンデータ」によると、この4年間に起きた自転車と歩行者の事故は計1万547件。自転車側の年齢は24歳以下が39%で最も多く、歩行者側は75歳以上が18%で最多だった。 事故の半数近くが、歩行者が優先されるべき歩道や横断歩道上で発生していた。 現場の一つを訪ねた。 東京都豊島区上池袋の歩道では、4年間に3件の事故が起きていた。歩道でスピードを出す自転車が多いといい、近くでスポーツ用品店を営む70代の男性は「店を出たお客さんがはねられないよう、自転車に注意を促す赤いコーンを歩道に置いている」と話した。 自転車と歩行者の事故が繰り返し起こる場所は、この歩道だけでなく全国各地にあります。記事後半では、事故データの分析から分かった危険な場所を、デジタル地図で紹介しています。 自転車は道路交通法上は「軽… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
弟は「かわいそう」じゃない おばあさんの言葉に怒り、考えたこと
神奈川県藤沢市の中学3年生、寺内瑞偉(すい)さん(15)には忘れられない「ひとこと」がある。 保育園の年長さんの頃だった。近くを歩いていた知らないおばあさんが突然、話しかけてきた。 「おなかにいるときに病気が分からなかったの。分かっていたら産まなくても良かったのにね。かわいそうに」 何を言われたのかわからなかったが、生まれたばかりの弟を抱いて、保育園にお迎えに来ていた母の有希子さん(40)に向けられているようだった。 「何がかわいそうなんだろう」。不思議に思う瑞偉さんをよそに、有希子さんはおばあさんに会釈だけし、瑞偉さんの手を引いて逃げるように家に帰った。 あの言葉の意味がわかったのは… 帰宅後、母がぎゅっと握って… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京・目黒の足「さんまバス」、26日から運行 車体の柄に注目
東京都目黒区は、目黒三田通りを中心に東部地区地域交通バス・通称「さんまバス」の実証運行を26日に始める。地元の町会などと検討して実現した。31日までは無料で乗れる。 ルートは、目黒区総合庁舎前から東京共済病院、厚生中央病院、恵比寿ガーデンプレイスなどを経由し、目黒駅前で折り返す。 落語「目黒のさんま」の舞台となる茶屋坂やさんま祭りの開催地を走ることから「さんまバス」と名付けた。区の紋章と同じ江戸紫色がベースの車体には、サンマ柄の模様が描かれている。 目黒三田通りは公共交通の空白地域で、「坂が多い」「病院へ行くのが大変」などの声があり、目黒三田町会などがバス運行を要望。これを受けて東部地区交通協議会ができ、区や町会、バス事業者らがルートやバス停の場所などを検討してきた。 区内で営業している東急バスが、小型36人乗りのEV(電動)バスを購入して運行する。3台分計約1億円の費用は区のほか、国や都からの助成も合わせて全額補助される見込みだ。 東急バス担当者は「要員不足で路線新設は厳しい中、区との協力で地域の要望に応えられた。多くの方に利用頂くことが路線維持につながるので、地域に愛される足となれたら」と話す。 毎日午前8時半から午後4時45分まで運行する。26~31日は無料で、その後は中学生以上230円、小学生以下120円(現金、ICカードは115円)。3年間は実証期間とし、バス停の場所や利用状況、収支などを検証する予定だ。(中山由美) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
愛子さま 伊勢神宮参拝へ 25日からの皇室の予定
天皇、皇后両陛下や皇族方の予定を毎週更新します。皇室の方々は様々な行事や式典、宮中祭祀(さいし)などに出席しています。紙面では掲載しきれない公務も紹介します。 宮内庁は3月25日~31日の予定を発表しました。天皇、皇后両陛下の長女愛子さまは26~27日、三重県の伊勢神宮と奈良県の神武天皇山陵にそれぞれ参拝します。 予定や表記は宮内庁の発表などを元に紹介しています。前の週の金曜日までに発表されたもので、予定は変更されることがあります。 … Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ボクらって何者やねんと言われたら WEST.重岡大毅さんの決意
突撃WEST. 人気アイドルグループ「WEST.」(元ジャニーズWEST)のメンバーが、月ごとに交代で近況や思いを語るコラム。最終回は、重岡大毅さんが登場します。アイドルとは何か。話題映画に主演し、専業の役者との違いを感じてきた重岡さんならではの視点で、「WEST.」の現在地を語ります。 □ ■ □ 役者一本の人にかっこよさを感じてきました。 だからビビッときたのかもしれません。部外者が主役の物語に。 仕事がなかったころ 主演映画「ある閉ざされた雪の山荘で」で若い役者を演じました。オーディションを受けに来た役者7人のうち、僕だけ人気劇団以外からやってきた設定です。 負けたくない。 僕自身、そういう気持ちがある。 選ばれるか、選ればれないか。葛藤を抱える中で見えてくるもの、10年間の変化とは? そして、ファンのみんなへ。率直な今の気持ちを語ります。 専業の役者と違って、アイドルは音楽も芝居も。その中で、選ばれるか、選ばれないか――。 仕事をしている限りそこから… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山あいの児童5人の小学校、150年の歴史に幕 地域も別れ惜しむ
愛知県奥三河地域にある開校150年の小学校が今月末に閉校する。設楽町田峯(だみね)の山あいにある町立田峯小学校。100年近く前に米国から贈られた「青い目の人形」を守り、全校児童で「子ども歌舞伎」の歴史をつないできた。23日、木造校舎に地域の「卒業生」たちも集い、学びやとの別れを惜しんだ。 「みなさんと過ごした日々は大切な宝物。たくさんの希望をもって羽ばたきます」 19日の卒業式で、最後の卒業生となった竹下峻都さん(12)が、2~5年の在校生4人と教職員10人の前で語った。「田峯小の先輩、田峯の子どもであることに自信と誇りをもって」。村松敦雄校長(54)は竹下さんにエールを送った。 竹下さんの卒業証書には「768号」としるされていた。新しい教育制度になってから768人目で、開校当初から数えると、1564人がこの学校を巣立ったという。 田峯小は1873(明治6)年に開校した。現在の校舎は、標高387メートルの山城・田峯城や、三河三観音の一つ、田峯観音近くに1927(昭和2)年に建設され、国の登録有形文化財でもある。茶畑に囲まれた、約80世帯の地域のシンボルだった。 1945年に178人だった児童数は、65年に81人、85年には28人と減少。2022年7月に策定された、町の教育振興基本計画で、創立74年の津具中学校とともに、今年度末に閉校する方針が決まった。最後の年、田峯小の全校児童は5人だった。 「閉校式」は22日にあり… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
106歳で日常詠んで短歌年間賞 兵隊、農家、県職員から趣味の人に
「長らえて 生き来し幸を 今に知る 何時まで続くか 老いの道行(みちゆき)」。2023年度に本紙群馬版の上毛歌壇で詠まれた優れた作品に贈られる年間賞を、群馬県館林市の三田善四郎さん(106)が受賞した。大正6(1917)年生まれの三田さんは、今も自分の足でしっかり歩く。80歳から詠み始めた遅咲きは、チラシの裏紙で歌を考えてははがきに写すいつものスタイルで投稿を続けている。 西谷田村(現在の板倉町)で農家の11人きょうだいの7番目として生まれた。尋常小学校を卒業後は父から「百姓の子は百姓をやれ」と言われて、7年間は農業をやった。20歳で徴兵検査に合格して中国へ。しかし「銃を背負ったのは2年間だけ」。あとの6年間は司令部で命令や戦況を伝える文書の作成を担当した。 終戦後、職探しで訪れた県庁の地方事務所では、履歴書の字のきれいさが担当者の目にとまり、合格した。息子の正信さん(75)は「字が上手だった父は、『書く』ことで人生を生き抜いてきたんだと感じます」。 70歳を前に仕事を辞め、趣… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
101歳SL、余生はふるさとで JR九州社長「人吉市に譲渡へ」
JR九州の観光列車「SL人吉」を牽引(けんいん)してきた蒸気機関車が、余生を「ふるさと」熊本県人吉市で送ることになった。同社の古宮洋二社長が24日、明らかにした。豪雨から復興途上の地元からは歓迎の声が上がった。 機関車は国産で現役最古の101歳。この日は、前日のラストランに続き、地元の自治体関係者らを招待して熊本―八代間を走った。八代駅のホームで開かれた運行終了式典で、古宮社長は「101年の歴史はここで終わるが、次を人吉で迎えていただきたい」と述べた。 式典後の取材に、古宮社長は保存先を人吉に選んだ理由について、多くの誘いの中でも特に熱心だったことや、一時期を矢岳駅(人吉市)の展示館で過ごしていたことに加え、2009年にSL人吉が2度目の復活を遂げて凱旋(がいせん)した際、沿線住民が手を振って出迎えてくれたことを挙げた。 「あれが後の(観光列車を)手を振って迎える文化につながった」 人吉市には「今のところ無償で譲渡したいと考えている」としている。 松岡隼人市長は「(豪雨から… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル