増山祐史2024年3月19日 14時20分 東京・池袋で2019年に起きた車の暴走事故で妻子を亡くした松永拓也さん(37)を名指しし、警視庁本部に「殺しに行く」などと電話したとして、警視庁は19日、無職の吉村育久容疑者(62)=鳥取市青谷町=を脅迫の疑いで逮捕し、発表した。「脅迫したことは間違いない」と容疑を認めているという。 目白署によると、吉村容疑者は昨年10月28日、警視庁本部に電話をかけ、職員に「池袋の暴走事故のことで裁判があったと思うんだけど被害者を殺す」と言い、転送された目白署員に「あいつやりすぎなんだよ。俺は暴力団だけど、そのうち殺しに行くから」と話し、松永さんを脅迫した疑いがある。2人に面識はなく、吉村容疑者が暴力団組員だった経歴はないという。 「心の傷は、まだ癒えません」 松永さんがコメント 松永さんが警視庁から受けた説明では、吉村容疑者は電話で、「歳(とし)のいった受刑者に金を払わせるのはおかしい。近いうちに松永を殺す」など話したという。電話前日の昨年10月27日、暴走した車を運転していた90代の受刑者に、約1億4660万円の損害賠償を支払うよう命じる判決が東京地裁で出ていた。 別の事件の捜査中、吉村容疑者が脅迫に関与した疑いが浮上し、警視庁が捜査していた。逮捕を受けて松永さんは19日、「加害者が逮捕されたという知らせを受けひとまず安堵(あんど)しています。しかし、この出来事が引き起こした心の傷は、まだ癒えません」などとX(旧ツイッター)に投稿した。(増山祐史) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
広島市のコンビニに刃物を持った男 女性2人重軽傷の模様、男を確保
2024年3月19日 15時00分 19日午後1時10分ごろ、広島市安佐南区長束2丁目のコンビニエンスストアの店員から「刃物を持った男が来て、けが人がいる」と119番通報があった。 広島市消防局によると、50代と20代の女性2人がけがをし、病院に搬送された。50代の女性は重傷、20代の女性は軽傷とみられるという。男は、駆けつけた警察に確保されたという。 現場はJR安芸長束駅から東へ約300メートルの国道沿い。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
祖母の茶舗に漂う新たな香り 店を継いだ孫が伝える「素敵」な暮らし
山口県阿武町のJR奈古駅に近い集落に、築100年ほどの広い間口の建物がある。久原(くはら)久美子さん(37)が、その「八祥園茶舗」の店主になって3年が経とうとしている。 店は祖母の八道(やじ)友代さん(88)が40年ほど前に始めた。山口市出身の久原さんは子どもの頃に町に遊びに来ては、店で過ごしたり一緒に配達に行ったりしていた。茶の香りが漂う店内は、ゆっくりと時間が流れていた。 思い出の詰まった場所を残したい。高齢の祖母が店をたたもうとしていると聞き、継ぐことを決めた。2019年、和歌山県にいた久原さんは一家で町に移住した。茶道の教室にも通って、お茶や茶道具について一から勉強を重ねた。 農家とコラボ、新たな取り組み 店を継いだ久原さんは、新しい取り組みを始める。ほうじ茶や玄米茶などかねて扱ってきた商品に加え、町内の農家とコラボして、オリジナルの開発・販売を進めた。海沿いの土地区産の玄米を緑茶とブレンドした「潮風のあまみ」(100グラム540円)や、山間部の福賀地区産の玄米をほうじ茶とブレンドした「火山のめぐみ」(同)だ。新商品をSNSで発信し、道の駅などでイベントがあれば出品する。 3人の子どもを育てる久原さん。「同世代のお母さんたちが興味を持って、買いに来てくれることが増えた」と喜ぶ。店の小上がりでお客さんとお茶を飲みながら世間話をすることもある。 町外からやって来て5年ほど。海と山に囲まれた暮らしを「素敵」だと感じているが、「その魅力をもっとアピールしないと伝わらないと思った」。 地域振興を支援する一般社団法人「あぶナビ」の理事になり、海に潜ってサザエをとる「一日海士(あま)体験」などの観光コンテンツ作りに携わる。昨秋から集落支援員も務める。あぶナビスタッフの佐藤龍助さん(46)は「いろいろこなす『何でも屋さん』で、みんなの信頼は厚い」と話す。 「朝から晩までバタバタしていて手応えはまだないです。けれど、何かしてくれるんじゃないか、という期待を持ってもらえるようになったのでは」と久原さんは振り返る。高齢化する地域の先頭に立ってまちづくりに取り組む町の若者や移住者が出てきてくれたら、と願っている。(向井光真) ◇ 八祥園茶舗(阿武町奈古2682、電話08388・2・2932) 玄米茶などのお茶のほか、コーヒー豆、オリジナルスペシャルティーコーヒー、濃厚な抹茶チョコレートなどの茶請け菓子を販売している。営業時間は午前9~午後6時ごろ、日曜休み。 ◆yabは19日午後6時15分からの「Jチャンやまぐち」で放送予定です。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「きれいな主役演じるダンサーに」兵庫の小6、ドイツの大会で世界一に
三浦宏2024年3月19日 11時56分 2月にドイツで開かれた「ベルリン国際ダンスフェスティバル」のクラシカルダンス部門(8~12歳の部)で、兵庫県宝塚市在住で雲雀丘学園小学校6年の永島美結(みゆう)さん(12)が優勝した。コンテンポラリーダンス部門(同)でも3位。「海外留学もして、きれいな主役を演じられるバレエダンサーになりたい」と夢を語った。 永島さんは4歳で地元のバレエ教室に通い始めた。小学2年の時にコンクールに出始め、5年の時には国内5大会で優勝。初出場したベルリン国際フェスでも特別賞に選ばれた。 身長140センチ。海外のライバルと比べると小柄だが、今年は、あえて難しいジャンプや回転が続く演目を選び、テクニックをアピール。審査員から「とても上手で印象的だった」と絶賛された。「見ている人にバレエの楽しさを伝えたいと、笑顔で踊りました」 宝塚市役所を訪れた永島さんは、山崎晴恵市長に世界一を報告した。小学生の頃にバレエを習っていたという山崎市長は「空中でのスタイルがきれい。表情も素晴らしい」と快挙をたたえた。(三浦宏) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
容疑者の自転車、防カメ画像から再現 捜査員の特技から生まれた手法
事件の際に防犯カメラに映った自転車の車種を特定し、画像で再現するという捜査手法を警視庁が開発し、成果を上げている。データベースも構築され、各地の警察が使う。開発のきっかけは、1人の捜査員のある小さな特技だった。 防犯カメラの動画、画像を分析し、サドルやフレームなどの形や色、部品の組み合わせからまず車種を特定する。その後、破損やカスタムなど車体固有の特徴を加味し、事件で使われた自転車を再現する。カメラの動画像では不完全だった車体全体が、はっきりと浮かび上がる。 警視庁がこうした捜査手法を導入したのは2014年。以来、ひったくりや性犯罪など、事件で使われた自転車の車種特定が進む。分析対象にした自転車の約6割で発見に至るという。 最近では、特殊詐欺で被害者から金を受け取る役の「受け子」や、放火事件の容疑者らが現場まで乗っていた自転車を特定し、容疑者の割り出しにつながった。 自転車産業振興協会によると、22年に国内で出荷された自転車は約578万台。捜査員は再現された自転車の全体像から、販売店の購入履歴などを照会し、容疑者を割り出す。周辺の駐輪場を実際に見ることもある。 これまでも自動車やバイクは同様の手法で車種特定が行われてきた。ただ、自転車は安価なものを含めると車種が多い。車体の面積が小さく、防犯カメラでは特徴を捉えるのが難しい面もあり、特定が難しかった。 捜査幹部によると、自転車でも、付属品の後付けなどは1台1台違う特徴があり、特定できれば容疑者の絞り込みが進む。新しい捜査手法で「今まで解決できなかった事件が解決できるようになった」と言う。 より広く使えるようにと、18年にデータベースが構築された。翌19年から警視庁以外の警察でも使えるようになり、今では全国6割ほどの道府県警で使われている。 1人の捜査員の学生時代の遊びから この捜査手法の生みの親は… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
追手風親方が故郷の仮設住宅に土地貸与 職員が「心震えた」条件とは
能登半島地震で被害を受けた石川県穴水町出身で、大相撲の追手風親方(56)=本名・山崎直樹=が、同町に仮設住宅の用地を提供した。自身が引退後の自宅にしようと購入した約2千平方メートルの土地。用地の確保に難航する町は喜んだが、それ以上に職員らの心を揺さぶったのが、親方が示したある条件だった。 追手風親方は現役時代に幕内・大翔山(だいしょうやま)として活躍。引退後は、三役経験もある人気関取で同じ穴水町出身の遠藤や、大関昇進に期待がかかる優勝経験者の関脇大栄翔ら多くの関取を育てている。 能登の海を見て育った親方の趣味が、中古で購入した船だ。そして「引退したら穴水に戻りたい」と海沿いの土地を買い、船が接岸できる桟橋もつくった。「庭先から海に出られたら最高じゃないですか。辞めたら漁師になるから」と記者に笑いながら語っていた。 遠藤ら人気関取を育成 でも、早期退職を口に…… だが、あの地震で能登の景色… この記事は有料記事です。残り531文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません こどもと被災地 東日本大震災が起きてからの13年という月日は、子どもが大人へと成長するほどの長さです。それぞれの土地で暮らす子どもたちの物語。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大事故は、起こした個人だけのせい? 「組織罰」で問う責任と真実
日本航空と海上保安庁の航空機が衝突した1月の事故では5人が死亡した。公共交通機関の大きな事故は後を絶たない。事故遺族らでつくる「組織罰を実現する会」は組織を罰する仕組みが必要だと訴える。会の事務局を務める津久井進弁護士に遺族の思いと組織罰を導入する意義を聞いた。 ◇ 死亡事故など重大な事故を起こした組織に刑事罰を科すことをめざす「組織罰を実現する会」の事務局をしています。事故の遺族らでつくるこの会が設立されたきっかけは、107人が亡くなった2005年のJR宝塚線(福知山線)脱線事故です。 この事故ではJR西日本の歴代社長4人が業務上過失致死傷罪に問われましたが、無罪となりました。一方、裁判では「自動列車停止装置(ATS)整備のあり方に問題があり、大規模鉄道事業者として期待される水準に及ばないところがあった」とされ、組織的な問題があったことははっきりしました。 業務上過失致死罪は個人の責任は問えても、組織の責任は問えない。最愛の家族が犠牲になって誰も罰されない。民事の賠償さえすれば許されてしまう。それでは、納得できない遺族もいます。二度と同じことが起きてほしくない。誰にも同じ悲しみを味わってほしくない。会を立ち上げた遺族の思いです。 「刑事罰があると真実を語れない」のか 組織罰は、事故を起こした企業・団体に高額の罰金を科すことを想定します。現行法には、例えば労働基準法のように、直接の責任者とともに法人の責任を問う「両罰規定」という仕組みがあります。業務上過失致死罪にこの規定を設ける特別法を作り、組織罰を実現したいと考えています。また、事故防止のため十分な安全対策をしていたと立証できれば免責されることも盛り込みます。 安全に対する投資を怠れば… この記事は有料記事です。残り765文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
駅長務め40年、村の夫婦が支えた花の駅 待合室に流れる温かい時間
単線の鉄路が険しい山々をぬうように走る信州最北の村は冬、背丈を超える高さの積雪に包まれる。千曲川沿いに民家が並ぶ小さな集落から、雪の壁に囲まれた道を抜けた先に村人が駅長を務める駅はあった。近くに住まいを構える夫婦が40年間、駅長としてこの駅を守ってきた。 長野県栄村の横倉駅は、新潟と長野を結ぶJR飯山線の駅の一つ。いま駅長を務める上倉直人さん(80)は、業務時間の午前6時半から午後6時までの間、上下線で毎日10本の列車到着時間が近づと、駅舎に向かい窓口で切符を販売する。雪が積もる冬には駅に通じる道の除雪も欠かさない。 直人さんは大工として生計を立て、妻の千代子さんは駅前で理容室を営んでいた。赤字に悩む旧国鉄が1982年、横倉駅の無人化方針を打ち出すと、村は駅の窓口業務などを維持するために村の予算で村人に駅長を委託することにした。「人が駅を守るからこそ、癒やされる人もいるのでは」と、委託駅長を引き受けたのが上倉さん夫婦だった。はじめは千代子さんが駅長に就き、その後は大工の仕事を退いた直人さんが駅長を引き継いだ。 乗客を楽しませる夫婦のアイデア 駅の周りには春から夏にかけ… この記事は有料記事です。残り1928文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
商工会ネット口座、1千万円送金被害 「サポート詐欺」で遠隔操作か
羽場正浩2024年3月18日 19時30分 笛吹市商工会(山梨県)は18日、業務用パソコンが何者かに遠隔操作され、同会のネットバンキング口座から計1千万円が不正送金される被害に遭ったと発表した。約2千人の会員情報流出の有無も調査中という。 同会によると、2月27日午後5時半ごろ、職員が業務用パソコンを操作していたところ、ウイルス感染の警告が表示され、画面が消えなくなった。表示された番号に電話すると、マイクロソフト社の社員を名乗る男が出たので、指示に従ってウイルスを除去すると称するソフトを2台のパソコンにインストールした。また、同会の四つのネットバンキング取引のIDとパスワードを教えた。 気が動転した ウイルス除去には時間がかかると言われ、職員は指示通り電源を切らずに帰宅したが、不審に思った別の職員の指摘で約30分後に戻って電源を切った。事態を知った同会は翌日にかけて口座取引停止の手続きを取ったり、警察に状況を報告したりしたが、同27日夜のうちに同一口座から3回に分けて計1千万円が不正送金されていたことが、その後判明した。 パソコンを操作した職員は「気が動転して、言われるまま操作してしまった。頭が真っ白になった」などと話しているという。不正送金先の口座名義は異なる個人名だったという。 こうした手口は「サポート詐欺」とも呼ばれ、県商工会連合会(県内23商工会が加盟)は再被害防止に向けて、今回の事例を各商工会で共有し、職員の研修などを進めるとしている。 県警笛吹署は商工会からの相談を受けて「内容を精査している」としている。(羽場正浩) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
博報堂側「事実が歪曲された。それが検察の正義なのか」 五輪談合
東京五輪・パラリンピックをめぐる談合事件で、独占禁止法違反(不当な取引制限)の罪に問われた広告業界2位「博報堂」と、グループ企業「博報堂DYスポーツマーケティング」前社長の横溝健一郎被告(56)の公判が18日、東京地裁であった。検察側は「自由競争を骨抜きにした」として、法人としての博報堂に罰金2億円、横溝前社長に懲役1年6カ月を求刑。同社側は最終弁論で「無罪だ」と訴えて結審した。 事件では、大会組織委員会が競技会場ごとに発注したテスト大会や本大会の運営業務で受注予定業者を事前に決めたとして、広告最大手「電通」など法人6社と各社の担当幹部ら6人のほか、組織委大会運営局の森泰夫元次長(57)=同罪で有罪確定=が起訴された。 検察の主張は「決めつけ」 検察側はこの日の論告で、横… この記事は有料記事です。残り492文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル